気軽な日常会話では、「I want…」や命令形を使うことも多いですが、家族や友達以外の相手にはできるだけ丁寧な言葉を使うのは、英語も日本語も同じです。
今回は少し変えるだけで丁寧に聞こえる方法を学びましょう。
直接的な表現を避ける
友達や家族との会話では命令形もよく使われますが、少し形を変えてソフトな表現にすると、丁寧に聞こえます。命令形は親が子どもに対して何かを強要したり、親しい友達との気軽な会話やふざけているときなどに限定して使うようにすると安心です。pleaseはつけなくても大丈夫ですが、つけた方がより丁寧に聞こえます。また、Can youよりもCould youの方が丁寧です。
Send me the file. (ファイルを送って)
↓
Can you send me the file, please?(ファイルを送っていただけますか?)
Give me the phone. (電話取って)
↓
Could you pass me the phone, please?(電話を取っていただけますか?)
忙しいときに子どもや家族に話しかけられると、少しイライラするかもしれません。そんなときにもCould youやCan youが活躍します。
Wait a moment. (ちょっと待って)
↓
Could you/Can you give me a few minutes?(数分待っていただける?)
「I want」も相手に何かを命令しているように聞こえます。家族や友達との間でもできるだけ避けて、次のような形に言い換えることを意識してみてください。
I want some eggs. (卵ちょうだい)
↓
I would like some eggs, please. / I’ll have some eggs, please.(卵をいただけませんか)
「I want some eggs, please.」も英会話初心者であれば悪くはありませんが、「I want」を「I would like」に変えるだけで、より丁寧に聞こえます。また、pleaseをつけるのは口癖のように覚えておくと便利です。実際こういった丁寧な表現は親子間・夫婦間でもします。特に子どもはお友達の家に訪問したときなど、家庭での振る舞いが外に出やすいので、小さい時から丁寧な言葉使いを教育している家庭も多いです。
「 I’ll have〜, please.」はお店での注文によく使われるので、あわせて覚えておきましょう。
「I don’t like」も直接的すぎるので、別の表現を使うか、ポジティブなものに変えて使います。
I don’t like the color. (この色嫌い)
↓
I’d prefer a different color. (ほかの色の方がいいな)
I’m not a big fan of this color.(この色はあまり好きではありません)
I’d preferは、「それよりもほかのものを好む」ということをソフトにいいたいときに便利な表現です。
I’m not a big fan ofと似たI’m not too fond ofも使えます。
「I don’t like」をそのまま使いたい場合は、reallyやsorry、I’m afraidを加えることでソフトな印象になります。
I don’t like the color. (この色嫌い)
↓
I don’t really like the color. (この色はあまり好きじゃない)
I’m afraid I don’t like the color. (申し訳ないけどこの色は好きではない)
I don’t like the color, sorry.(その色好きじゃない、ごめんなさい)
Youで始めない
本やブログなど読者に対して言い聞かせたり、同調を得たい場合にはよく使われますが、会話文をYouで始めると、とても直接的でアグレッシブな印象を与えます。人によっては「この人は私を怒らせようとしているのか?喧嘩を吹っかけているのか?」と思う人もいるかもしれません。相手に責任をなすりつける印象もあります。
「あなた」ではなく、「私」「私たち」に軸を置き換えた文や、受動的な形にすることで、非難めいた印象をなくすことができます。
You don’t understand me. (あなたは私をわかっていない)
↓
Maybe I’m not making myself clear.(私のいい方が悪かったのかもしれない)
You never told me that. (あなたは私にそれを言わなかった)
↓
I may have missed what you said.(あなたが言ったことを聞き逃したかもしれない)
Maybe I was not listening. (聞いていなかったのかもしれない)
You’re wrong.(あなたは間違っている)
↓
I think you might be mistaken. (あなたは間違っているかもしれない)
I’m afraid I disagree ( 残念ながら同意できない)
You broke my camera!(あなたが私のカメラを壊した)
↓
My camera has been broken.(私のカメラが壊れてしまっている)
You said you were going to turn in the report today.(今日レポートを提出するって言ってたじゃないか)
↓
It was agreed that you would turn in the report today.(今日レポートを提出することで同意していたはずだけど)
You have to find a solution.(解決策を見つけなさい)
↓
We’re looking for a solution.(私たちは解決策を探している)
「Thank you」や「Sorry」を加える
家族間でたとえば「もっと食べる?」と聞かれて「もうお腹いっぱいだから、いらない」という会話は一般的ですが、このときも日本語では「ありがとう」と言いませんが、英語ではつけ加えるのが普通です。
「ありがとう」「ごめんなさい」のひとことをつけ加えるだけでも、丁寧な表現になります。日本語では「ごめんなさい」「すみません」という言葉は意識しなくても口から出ると思いますが、なかなか「ありがとう」が言えない場合が多いのではないでしょうか。
特に家族や友達どうしだと省いてしまいがちです。家族に言うのは「恥ずかしい」、「別にわざわざ言わなくても」と感じるかもしれませんが、英語では大事なことです。
「Thank you」「Sorry」「I’m afraid」の3つはサッと口から出るように普段から意識して練習しましょう。
I didn’t understand.(わかりませんでした)
↓
Sorry, I didn’t understand. Could you please repeat that?(すみません、理解できませんでした。 もう一度お願いします)
I’m full. I can’t eat anymore.(もうお腹いっぱいで食べられません)
↓
No, thank you. It’s delicious, but I’m full.(ありがとう。おいしいけど、もうお腹いっぱいなのです)
No, I can’t go out tonight.(いいえ、今夜は出かけられません)
↓
I can’t go out tonight, but thank you for your invitation!(今夜は出かけられませんが、お誘いありがとうございます!)
I don’t agree.(賛成できません)
↓
Sorry, but I don’t agree.(申し訳ありませんが、賛成できません)
Sorryはこのように、謝罪する、理解していないことを示す、反対意見を述べるなどの場合に使えて便利な言葉ですが、相手の話を中断する場合にも使えます。
Sorry, but can I say something? (すみませんが、一言いいですか?)
ネガティブな表現を使わない
たとえ否定的な言葉と一緒に使われたとしても、多くの人は肯定的に聞こえる言葉に反応するものです。ネガティブなことを直接的な表現で相手に伝えるのではなく、ポジティブに聞こえる表現に変えることで、相手に寄り添った丁寧な言葉に聞こえるようになります。
It’s a bad idea. (その考えはよくない)
↓
I don’t think it’s a good idea.(それはいい考えとは思えないけれど)
I don’t agree.(賛成できません)
↓
I see your point, but I’m not so sure about that.(言いたいことはわかりますが、それはどうかと思います)
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