友達や家族などと話すことから、スピーチやプレゼンのように人前で話すことまで、「話す」という行為は日々行われます。このように日常に深くかかわっている「話す」という行為は、英語でspeak, talk, tell, sayを使って表現しますが、それぞれの違いを理解していますか?
この記事では、speak, talk, tell, sayを使い分けられるように、それぞれの違いを解説!また、「話す」に似た「しゃべる」などの英語表現も併せてご紹介します。
「話す」を意味する4つの英単語の使い分け
冒頭で述べた通り、「話す」を意味する英語には、speak, talk, tell, sayの4つがあり、この4つの英単語は「聞き手を必要とするかしないか」で大別できます。また、「話す行為」と「話す内容」のどちらに焦点が当てられているかでも大別でき、この2つの大別で4つの英単語の違いが以下のように明らかになります。
<聞き手が不必要>
speak:話す「行為」に焦点が当てられている
say:話す「内容」に焦点が当てられている
<聞き手が必要>
talk:話す「行為」に焦点が当てられている
tell:話す「内容」に焦点が当てられている
聞き手が不必要な「話す」
まず、聞き手を必要としないspeakとsayから見ていきます。上記で示した通り、2つの英単語の違いは、焦点が当てられているのが話す「行為」か「内容」かです。
一方向の「話す」:speak
speakは、声に出して何らかの言語を話す「行為」に焦点が当てられています。ですから、聞き手を必要としません。もちろん聞き手がいる場合もありますが、双方向の対話ではなく、あくまでも一方向になるということ。
以下の1つ目の文では、彼(He)が大声で「話した」という行為に、2つ目の文でも英語とスペイン語という2つの言語を「話す」ことに焦点が当てられています。いずれの場合も一方向の話し方です。
He spoke loudly. (彼は大声で話した)
He speaks English and Spanish. (彼は英語とスペイン語を話す)
聞き手を明らかにする場合は、speak toとしてtoの後に聞き手を入れます。
Can I speak to the manager? (マネジャーと話せますか?)
He will speak to the audience about the new policy. (彼は新しい方針について聴衆に話す予定だ)
意見・考えを「話す」:say
sayも聞き手を必要としませんが、話す「内容」に焦点が当てられているため、特定の内容や発言をする場合に使います。つまり、意見や考えを話す場合です。sayの特徴は、具体的な内容や発言を引用したり、間接話法や直接話法で使ったりすること。
She said that she was tired. (彼は疲れたと言った)
What did he say? (彼はなんて言ったの?)
また、speakと同じように聞き手を明確にする場合は、say toとしてtoの後に聞き手を入れます。
She said to the child, “Be careful.” (彼女はその子どもに「気をつけて」と言った)
What did he say to you? (彼はあなたになんと言ったの?)
聞き手が必要な「話す」
次に、聞き手を必要とする「話す」のtalkとtellの違いを見ていきましょう。
双方向の「話す」:talk
talkは聞き手を必要とし、話す「行為」に焦点が当てられているため、双方向の会話を指します。一般的に使われる日本語の「話す」に最もニュアンスが近いかもしれません。
以下の文から、話す「内容」ではなく、話す「行為」に焦点が当てられていることがわかるでしょう。
We need to talk. (私たちは話をする必要がある)
They talked for hours. (彼らは何時間も話した)
聞き手を表す場合は、talk toやtalk withとして、それぞれの前置詞の後に話し相手を入れます。
I talked to my friend yesterday. (昨日友達と話した)
She talked with her colleagues. (彼女は同僚と話した)
また、何について話すかを表す場合は、talk aboutとして、その後に話の内容を入れます。
Let’s talk about our plans. (私たちの計画について話そう)
Can we talk about that later? (それについては後で話せますか?)
情報などを「話す」:tell
最後は、特定の情報や指示を伝えるtellです。tellもtalkと同じように聞き手を必要としますが、話す「行為」ではなく、話す「内容」に焦点が当てられています。伝える相手はtellの直後に入れましょう。
She told him the truth. (彼女は彼に真実を伝えた)
Tell us what happened. (何が起こったのか教えてください)
また、伝える内容を詳しく表現したいときは、tell ofやtell aboutを使います。tell of は特定の事実や出来事について簡潔に述べる際に使われ、よりフォーマルで文語的なニュアンス。一方、tell about は何かについて詳細に説明する際に使われ、カジュアルで口語的なニュアンスがあります。
The legend tells of a hidden treasure. (その伝説は隠された宝について語っている)
She told us about her new job. (彼女は私たちに新しい仕事について話した)
「話す」に似た意味の英語表現
次に、「話す」に似た意味の英語表現も見ていきましょう。その理由は、日本語の「話す」にはいくつか意味があるからです。
ヒソヒソ話す
周りの人に聞こえないように小声で話すことを「ヒソヒソ話す」と言いますよね。そんな場合の表現を見てきましょう。もちろん、speak in a low voice(声を低くして話す)でも表現できます。
whisper
whisperは「ささやく」という意味。通常、話しかける相手がいる場合に使われ、その対象はしばしば前置詞toを伴って示されます。親密さや秘密を共有する場面や静寂を保つ必要がある場面でよく使われるのが特徴。
She whispered a secret to her friend. (彼女は友達に秘密をささやいた)
He whispered in my ear. (彼は私の耳元でささやいた)
murmur
murmurは「ささやく」「小声で話す」という意味。低い声で不明瞭かつ連続的に話すことを指しますが、whisperとは異なり、必ずしも秘密や親密さを示すわけでははく、特に話す相手も必要としません。
He murmured something under his breath. (彼は息をひそめて何かをつぶやいた)
She murmured a few words of comfort. (彼女は慰めの言葉を少しささやいた)
しゃべる
「しゃべる」と「話す」はどちらも「言葉を使ってコミュニケーションをとる」という意味ですが、それぞれの使い方やニュアンスには違いがあります。「話す」は一般的に言葉を使ってコミュニケーションをとる行為全般を指しますが、「しゃべる」はよりカジュアルで、日常会話や軽い話し合いを指すことが多いですよね。
chat
chatは主にカジュアルで親しい間柄での軽い会話や短時間でリラックスした会話などを指し、楽しい会話や目的が特にない雑談を表すことが多いです。
Let’s chat over coffee. (コーヒーを飲みながらおしゃべりしよう)
I had a quick chat with my neighbor this morning. (今朝、近所の人とちょっとおしゃべりした)
chatter
chatterはchatとよく似た表現ですが、意味のないおしゃべりや絶え間ない話を指し、ときおり動物や機械の音に使われることもあります。
The kids were chattering in the back seat. (後部座席では子どもたちがおしゃべりしていた)
The monkeys chattered in the trees. (猿たちは木の上で騒いでいた)
また、「おしゃべりな人」のことをchatterboxと言います。talkative(話し好きな・おしゃべりな)に似た言葉です。「おしゃべり好きな人」はa chatty personと表現してもいいでしょう。
My little sister is such a chatterbox. She talks non-stop from morning till night. (私の妹はとてもおしゃべりだ。彼女は朝から晩まで休みなく話し続ける)
Our new neighbor is talkative [a chatty person] and she quickly got along with everyone. (私たちの新しい隣人はおしゃべりで、彼女はすぐにみんなと仲良くなった)
話しかける
聞き手を明らかにする場合はspeak toを使うと解説しましたが、speak to someoneで「誰かに話しかける」という意味でも使えます。
I was shy to speak to the guest speaker after the seminar. (セミナーの後でゲストスピーカーに話しかけるのが恥ずかしかった)
speak to以外の表現も見ていきましょう。
approach
approachは主に「近づく」や「接触する」という意味で使われますが、特に誰かに話しかける際にその人に近づく行為を指すこともあります。「話しかける」「話を見持ち込む」「相談する」という意味。
She approached the stranger to ask for directions. (彼女は道を尋ねるために見知らぬ人に近づいた)
I intend to approach my father on the matter. (私は父親にその件を相談するつもりだ)
address
addressは誰かに正式に話しかける、特に問題や質問に対して話しかける際に使います。また、スピーチやプレゼンのような正式な場面で使われることが多いです。ニュースなどでも使われるので、気にかけてみてください。
The prime minister addressed the nation in his speech. (首相は演説で国民に話しかけた)
He addressed the question raised by the audience. (彼は聴衆からの質問に答えた)
述べる
「述べる」に相当する英単語はいくつかあるので、ここではよく使われる3つを簡単に見ていきます。どれもフォーマルな場面でよく使われる表現。
state
stateは、事実や情報を明確に述べる際に使われます。state の名詞であるstatement(声明・陳述)からも、何かを明確に「述べる」ことだとわかるでしょう。
She stated her name and address. (彼女は自分の名前と住所を述べた)
The company stated its commitment to environmental sustainability. (会社は環境の持続可能性への取り組みを明言した)
assert
assertは、自信を持って断言する際に使われます。「断言する」「力説する」「主張する」という意味。
He asserted his authority over the team. (彼はチームに対して自分の権威を主張した)
The lawyer asserted the defendant’s rights. (弁護士は被告の権利を主張した)
declare
declareは、公式に発表したり公に宣言したりする際に使われます。「宣言する」「公表する」「発表する」という意味。
She declared her candidacy for the election. (彼女は選挙への立候補を宣言した)
The company declared bankruptcy. (その会社は破産を宣告した)
話し合う
最後に、「話し合う」を意味する英語表現を見ていきましょう。すでに述べたtalk to ~やtalk with ~で、「~と話し合う」ことを表現できますが、その他の表現を2つ見ていきます。
discuss
discussは「議論する」「話し合う」という意味を持ち、誰かと特定の話題について意見を交換したり、詳しく話し合ったりする際に使います。discussは他動詞で直接目的語をとるため、aboutを使わずに話題を直接続けるので注意しましょう。
We need to discuss new project plans. (私たちは新しいプロジェクト計画について話し合う必要がある)
Can we discuss this matter privately? (この件について個人的に話し合えますか?)
consult
consultは「相談する」「参照する」「意見を求める」という意味を持ち、特定の人や情報源から助言や情報を得る際に使われます。フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使用可能です。
The manager consulted with the team before making a decision. (マネジャーは決断を下す前にチームと相談した)
I consulted my friend about where to go for dinner. (夕食にどこへ行くか友人に相談した)
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一口に「話す」と言っても、英語にはさまざまな表現があります。speak, talk, tell, sayの4つは頻繁に使われる英単語なので、違いをよく理解して使い分けていきましょう!
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