英語でプレゼンテーションをすることになった時、まず最初に取り組むのは“Script”(読み上げ原稿)の準備ではないでしょうか。
しかし、伝えたいことを原稿に詰め込むうちに、陥ってしまいがちなのが「箇条書き的な情報の羅列化」。これではオーディエンスにしっかり届くプレゼンは行えません。
そこで今回お伝えする“PDR戦略”とは、「Preview(導入)」、「Deliver(本体)」、「Review(まとめ)」からなるプレゼンテーションの基本戦略のことです。一見、当たり前のことに思われるかもしれませんが、「基本」だからこそ確認しておきたい事柄がたくさんあるのもまた事実です。
プレゼンテーションを車の運転に喩えましょう。”PDR”とは、全体の進行のうち話題がどの部分に差し掛かっているのか、どこで論理の曲がり角を曲がるのか等々、オーディエンスを優しくガイドするための「標識」なのです。
今回は、前職では大学でプレゼンテーション演習の授業を担当していたRareJob English Lab編集部のKが、効果的なプレゼンを行うためのガイドラインを紹介いたします。
PDRのPはコンパクトに
まずはPDRの”P”について解説します。PはPreviewの頭文字から来ていて、プレゼンテーションの導入部分を指します。この部分は出来るだけコンパクトにまとめるようにしましょう。Previewで伝えるべきことや注意点は以下の通りです。
プレゼンの主旨・流れを明確に
Previewは挨拶に始まり、プレゼンの主旨や進行について概説する部分から構成されています。順番に見ていきましょう。
▼挨拶
「礼に始まり、礼に終わる」を重要視するのは、なにも日本に限った文化ではありません。まずは自分が何者なのかなどの自己紹介をサラッと行いましょう。
▼結論とともにトピックを伝える
次に、これから始まるプレゼンテーションのテーマやトピックを伝えます。簡潔に”I’m going to talk about〜”のように話し始めるとよいでしょう。そして、「なぜそのトピックについて話すのか」という目的の説明に移ります。
ここでのポイントはconclusion(結論)を先に言ってしまうことです。これにより、聞いている人たちはこのプレゼンテーションが自分たちにどのようなベネフィット(利益)をもたらすかを知る事が出来ます。日本語の場合だとどうしても結論を最終部分に持っていきがちですが、文章と同じく英語では結論を最初に言ってしまう方がベターです。
それにより、オーディエンスの関心を引きつけることができるからです。逆に言えば、ここで聴衆の「面白そうだ」「聞いてみたい」という興味を引き出さないといけません。
▼その他のポイント
・所要時間を伝える
これからするプレゼンテーションがおよそどのくらいの時間で終わるのかを伝えます。
・質疑応答に関するルールをあらかじめ明確にする。
だいたいプレゼンにおける質疑応答は、プレゼンの中で随時していくか、プレゼンが終わった後にまとめて行うパターンのどちらかです。それを最初に伝えておきましょう。
・アジェンダを伝える
日本語でいうところの「目次」にあたるようなプレゼンの流れを最初に伝えておくことで、聴衆はプレゼンがどのように進んでいくのかをイメージすることができます。
PDRのDはシンプルに
“D”はDeliver(「伝える」)に該当する部分であり、これがプレゼンテーションの本体となります。ここではなるべく時系列的にスライドを進めていき、課題やそれに対する解決策、ある事柄の原因とその影響などを紹介していきます。
ここで大切なことは、ロジック(論理)です。各スライドの内容がどのように関係していて、そしてそれがプレゼンテーションのテーマや目的とどう関係しているのかを意識しなければなりません。話があっちやこっちに飛躍してしまうと、聴衆の集中力は削がれてしまい、伝えたい事が伝わらないという事態を招いてしまいます。
”PDR”を用いたロジックの組み立て方
では、シンプルにロジックを組み立てるには具体的にどのように話しを進めていけばいいのでしょうか? ここで肝心なのが話の流れの中に「小さなPDR」を組み込むことです。
“PDR”はプレゼンテーション全体の流れを組み立てるための戦略でもありますが、話を「まとめて、つなげる」ためのひとつひとつの作業のなかでも応用可能です。
たとえば、それぞれのスライドを説明する時には、前後のスライド同士の関係を端的に説明するようなフレーズが必要になります。そのためには各スライドごとの導入となるような「小さなPreview」を行った後、スライドの内容を詳細に説明していきます。
一通り説明が終わってもすぐに次のスライドに移らず、いま説明したスライドの要約を簡単に行い、キーワードやポイントを整理することが大切です(小さなReview)。そうすることで、オーディエンスの理解を助け、分からないまま置いていかれるという事態を避けることに繋がります。そして次のスライドに移動する前に、先ほどと同様、次に話す内容のPreviewを行います。
この流れを整理すると、小さなPreview→スライド表示→Deliver→小さなReview→(次のスライドの)小さなPreview→スライド表示→Deliver→小さなReview…となります。
スライドからスライドへと移動する時には、”Let’s move on to〜”、”In the next slide, I will show you〜”などのフレーズを使えば、スライド同士をうまくつなぐことができるでしょう。
Reviewでまとめる
Preview→Deliverときて最後はRのReviewです。ここでは、これまで話してきた内容をまとめて結論を伝えます。
“Let me summarize”、”In my presentation today, I have talked about〜”などのフレーズを使って、最後にもう一度キーポイントをまとめます。特にアピールしたいキーワードや事実がある場合は、”Please remember〜”などを使って強調しましょう。当然のことながら、Reviewはまとめ部分なのでここで新たな情報を紹介してはいけません。聴衆の混乱を招いてしまうからです。純粋にこれまでのプレゼンテーションのまとめを行うのが良いプレゼンテーションです。
また、ここでプレゼンテーションが終わったからと言って、聴衆に向かってThank youと言うのは正しくありません。その後の質疑応答などの全てが終わってから、感謝の言葉を述べるようにしましょう。
プレゼンにメリハリを
英語でプレゼンテーションをする時に使える“PDR 戦略”。いかがでしたでしょうか。
英語でプレゼンと聞くと、どうしてもナーバスになってしまいますが、今回紹介したスキルを使えば、手軽に説得力のあるプレゼンを行うことができます。プレゼンの中のそれぞれの流れを理解して、しっかりとメリハリをつけることで、良いプレゼンテーションへと繋がっていきます。今後、英語でプレゼンを行う際には、ぜひ実践してみてください。
次の記事:【明日から使えるビジネス英語#2】英語でパワポ資料を作る方法
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