2015年度のTOEICテスト受験者数は255万人に達しました。注目度の高い大学入試センター試験の受験者数でさえ、例年50万人台であることからも、TOEICテストがいかに日本の英語学習者の中に浸透しているかがわかります。この「TOEICブーム」は今後もより一層過熱していくことは間違いありません。大型書店にはTOEICコーナーが設けられ、多くの問題集・参考書が並べられています。
こうした風潮の中、学習者たちの間でも、また、英語(TOEIC)講師たちの中でも、「TOEIC990点」を目指す学習には賛否両論があります。「ぜったいTOEIC990点!」または「TOEICは860点で十分(卒業)!」といったものです。今回は「TOEIC990点」を目指す英語学習に関する私の考え方です。
TOEIC990点の人とTOEIC970点の人の英語力の違いとは?
TOEIC990点の人とTOEIC800点の人の英語力はかなり開きがあると言い切れます。英検や大学入試問題など、形式の異なる他の英語テストで測定しても990点の人が800点の人に負けてしまうことはないでしょう。
では、990点の人と900点の人ではどうでしょうか?かなり高い確率で990点の人が勝つはずです。
990点と950点では?まだ990点が優位です。
それでは990点の人と970点の人では?このあたりまで来れば、970点の人が勝つ確率は十分にあると思います。実際に、990点を取得した人でもその次のテストで970点くらいまでスコアを落としてしまうことはよくあることです。
TOEIC990点を目指すことは必要?不必要?
TOEIC990点とTOEIC970点では総合的な英語力においての違いはほとんど「ない」と言っていいかと思います。
私自身の経験からも970点の時と990点の時の自分の英語力の違いを問われれば明確に説明できません。では、TOEICは970点程度で十分満足して卒業するべきなのでしょうか?その先の(990点を目指す)学習に意味はないのでしょうか?
先述しましたが、TOEIC990点とTOEIC970点の間には明確な「差」はないと言えます。言い換えれば、ある意味この20点の差はどうでもいいのです。ある意味、十分満足してTOEICを卒業することは理にかなっているとも言えます。実際に卒業する人も多いようです。しかし、私はこの「どうでもいい20点」にこだわった立場です。「どうでもいい20点」のために1年近く時間を費やしました。受験後に990点を確信し、数週間後にウキウキして結果を見ると985点ということが3回続きました。しかし、その後も990点にこだわり続け、あまり手ごたえのない回に初めて990点を取ることができました。
本題に戻りますが、TOEIC990点の必要性はその人によって異なります。しかし、多くの人にとっては、ぜひ目指すべきもの(必要があるもの)だと思います。考え方の違う方も多いかと思いますが以下は私の考え方です。
まず、TOEIC990点を取るにはTOEIC特有のマニアックな知識が必要だと言われます。しかし、TOEIC990点は超上級資格の一つです。司法試験など、どのような超上級資格試験にも特有のマニアックさは必ず求められているはずです。同じ土俵の英語試験で考えるなら、英検一級の大問1で出題される群動詞の4問(問題番号22~25)の方が断然マニアック度は高いと思います。
つぎに、「TOEIC990点よりもスピーキング・・・」というものです。TOEICテストはリスニングとリーディングだけの試験ですのでスピーキングの能力は測定できません。TOEIC990点の人よりTOEIC850点の人の方がスピーキング力は高いことも大いにありえます。スピーキング力の重要性がますます高まる現代社会において、スピーキング力の向上はとても大切だと思います。自分が理解できないのは「TOEICは〇○点で十分、そのあとはスピーキング・・・」のような言葉です。なぜスピーキング力の向上のためにTOEIC学習をやめる必要があるのでしょうか。TOEICの学習をやめたとしても、その分をスピーキングの学習時間に回せるほど、話は単純ではないはずです。「肉か魚を選んでください」ではありません。TOEICもスピーキングも両立できるはずです。
TOEIC990点がもたらすものとは?
そもそもTOEIC990点が絶対に必要な人などいるのでしょうか?例えば企業の求人でも「応募条件:TOEIC990点の方のみ!」は見たことがありません。就職活動において900点以上であれば間違いなく高い英語力があるとみなされるはずです。
また、英語力についての話題になったとき、「TOEIC990点、すごい!」などと反応してもらえますが、たいていの場合TOEIC950点でも同じように反応してもらえます。
結論としては「意味のないTOEIC990点を目指すことに意味がある」のだと思います。そして、この意味のなかった学習はその先、(もしかしたらTOEIC以外の部分で)意味が出てくるのだと思います。
F1ドライバーの故アイルトン・セナは、レース終盤に一位がほとんど確定しているような状況でもスピードを落とさず危険なコーナリングを続けました。記者に理由を問われても答えは「(順位などに関係なく、たとえ意味がなくても)速く走ることに意味があるから」でした。意味なくその先を目指す行動こそが、いずれ意味があるものになるはずなのです。
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