以前のコラムでもお話しした通り、たとえば”You work.”(あなたは働きます)に助動詞”can”をつけることで”You can work.”(あなたは働くことができます)となりますし、”must”をつければ ”You must work.”(働きなさい!)なるように、同じ動詞にまったく違う意味を持たせるのが「助動詞」の役目でしたね。
つまり、「助動詞」をどう使うかで、あなたの言いたいことのニュアンスが違ってくるということです。
今回も、微妙なニュアンスの違いを、ネイティブがどんな風に使い分けているのか見ていきましょう!
1. 「〜すべき」”I should do”と”I’d better do”は何が違う?
“I should do”も”I’d better do”も両方「〜すべき」という意味ですが、ちょっとしたニュアンスの違いがあります。
◆“I should do”は、「(何かする必要があることを)将来的にやるべき」というニュアンスで使います。
I should negotiate with the client in a month.
(1ヶ月以内にそのクライアントとネゴする必要があります)
◆一方で、”I’d better do”は、「(さほど頑張らなくてもできることを)今すぐやるべき」というニュアンスで使います。
I’d better call the client soon(,or they’ll close a deal with another).
(今すぐクライアントに電話したほうが良い(じゃないと他と契約をされてしまう))
ここで注意ですが、“had better do”には、「〜したほうがいい(さもないと何か悪い結果になりますよ)」というニュアンスがあります。なので、人に対して”You’d better do”といってしまうと、直接的で強すぎる表現なので、目上の人などには使わないようにしましょう!
*ついでに、”should”は他にもこんな使い方ができます。覚えましょう!
・「〜に違いない(すごくそう思うけど、100%確信はない)」というとき
The client should close a deal with us.
(クライアントは我々と契約するに違いない(でも100%確信はない))
・人にアドバイスするとき(そのアドバイスに対して相手がイヤな気がしないと思えるとき)
You should visit the client as soon as possible.
(クライアントのところにできるだけ早く行ったほうがいいですよ)
2. 「〜することができた」”I could do”と”I was able to do”はどう違う?
“I could do”と”I was able to”は両方「〜することができた」という意味ですが、どう使い分けるのでしょうか?
◆“I could do”は、「過去の能力(過去の一定期間、能力的にできたこと)」をいうときに使い、「何か(1回の出来事を)うまくできた」というときには使えません。
I could already play the piano when I entered an elementary school.
(小学校に入ったとき、私はすでにピアノを弾くことができていました)
XI could close a deal with the client last month.→これはダメ!
(先月クライアントと契約締結できました)
ちなみに、「過去の能力」について言いたいとき、”could”ではなく“I used to be able to do”を使うと、よりネイティブっぽく聞こえます!
I used to be able to play the piano when I entered an elementary school.
(小学校に入ったとき、私はすでにピアノを弾くことができていました)
◆ 一方、「何か(1回の出来事を)うまくできた」というときには、”I was able to do”を使います。(”was able to” は「過去の能力」をいうときにも使えます)
I was able to close a deal with the client last month.
(先月クライアントと契約締結できました)
*ついでに、“Could” は「〜できた(過去の能力)」を示すほか、「(未来に)〜の可能性がある」という意味でも使え、この場合ネイティブは”might”と同じ感覚で使います。
I could talk to the client about that issue tomorrow.
(明日、その件についてクライアントと話すと思います)
3. ”I used to be”と”I was”はどう違う?
◆”I used to do”は、「昔は〜だった」というのと同時に「でも今は違う」というニュアンスを表します。
I used to be a habitual procrastinator.
(昔は日常的に物事を先延ばしにしてしまうタイプだった(でも今は違う))
◆一方、”I was”は、「昔は〜だった」というだけで、「今はどうなのか?」は不明です。
I was a habitual procrastinator.
(昔は日常的に物事を先延ばしにしてしまうタイプだった(今もそうかどうかはわからない))
4. ”I don’t want to do”と”I wouldn’t want to do”はどう違う?
◆”I don’t want to do”は、おなじみ「〜したくない」という意味ですね。
I don’t want to talk to my client about that”
(そのことについてクライアントと話したくない)
◆では、”I wouldn’t want to do”はどうでしょう?
”would”はもともと、「非現実的なことや起こりそうにないことを話すとき」に使います。なので、”I wouldn’t want to do”というと、「(実際は起こらないだろうけど)〜したくないなぁ」というニュアンスを表せるんですね。
I wouldn’t want to be yelled at my boss.
(上司に怒鳴られたくないなぁ(実際怒鳴られることはないだろうけど))
いかがでしたか?
ネイティブがどんな感覚で使い分けているかを知って、どんどん表現力を広げていきましょう!
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