「TOEICのスコアはどれくらい正確に英語力を測定できるのか?」ということが話題になります。一概に表現するのは簡単ではありませんが、ある2人のスコアの開きが0点~990点のスコアの中で50点以上開いていれば、その2人の英語力における優越は間違いないと言えるでしょう。
このようなスコアのブレが少ないTOEICというテストを、自分の英語力の伸長具合を確認するために受験することは英語学習において絶対に必要なことです。英語学習には「主観的な感覚」よりも「客観的なデータ」の方が大切です。「なんか英語力ついた気がする・・・」は勘違いの可能性大です。
英語力を正しく測定するためにTOEICという「客観的なデータ」を用いるのです。スコアに一喜一憂することにより英語学習のモチベーションも上がるはずです。そして、私自身もこのような考えから、この数年間はずっとTOEICを受験し続けています。
しかしその一方で、大学の推薦入試のためや企業内における昇進条件のために、少しでも高いスコアを必要としている人たちもいます。TOEICの大学や企業における採用率が高まるにつれ、この「少しでも高いスコアを・・・」という人も必然的に増加しているようです。
今回は、どうしても自分の英語力以上のTOEICスコアが必要な人のための、TOEICのスコアを少しでも上げるために受験会場でやるべきことについてです。
Part1/2において確信の持てない問題はあきらめる
TOEICのリスニング問題は全てのPartで放送は一回しか流されません。聞き取れなければ即アウトとなるわけです。意外と多いのが、どちらか迷ってしまう場合です。例えば、Part1の写真描写問題で選択肢4つの中から、2つにまで絞れた状態になります。「選択肢2と選択肢4は違うはず。1のような・・・、3のような・・・」という状況は中級者(スコア600くらい)程度の方ならよくあると思います。
せっかく4つの選択肢を2つまで絞ることができたので正解したい心境になりますが、逆に言えば、2択にまでしか絞り込めなかったことを認め、スパッとあきらめることが大切です。数秒前に聞いた英語を思い出すということなど不可能なはずです。次の問題に向けて、確信の持てない問題はあきらめましょう。2択にまで絞り込めたこと、2択の選択肢はどちらかをてきとうにマークしても正答率が50%もあることを前向きにとらえましょう。その方が絶対に次の問題に集中できます。
Part5は10分で解き終わる
TOEICは本年度5月の公開テストよりリニューアルされ、Part5の短文穴埋め問題(文法・語彙問題)は40問から30問と問題数が減りました。このことにより後半の長文読解問題が増加したため、リーディングセクションにおいては、いっそう前半部で時間を節約する必要性が高まりました。このような観点からもPart5の30問は10分で解き終わることが必須事項です。
これは私の印象ですが、TOEICにおける時間配分を軽視している人が多すぎます。「このPart5の30問は10分で・・・」ということですが、30問を10分で解き終えるというのは相当難しいことだと思います。そして、厳守するという気持ちを強く持ってテストに臨まなければズルズルと2分オーバー、3分オーバーとつながっていきます。次のPart6も16問を10分で解き終わることが理想ですが、まず、「Part5を10分」という目標を守ることがタイムマネジメントの第一歩です。
Part7は、先に長文を読んでから選択肢を読む
一般的に英語長文読解問題を解く際に、「長文を読む前に、設問と選択肢を読むべきか?」「長文を読んでから、設問と選択肢を読むべきか?」ということはよく話題になります。意見も分かれます。しかし私はTOEICのPart7では「長文を読んでから、設問と選択肢を読む」ことを勧めています。
TOEICのPart7長文読解問題は設問の解答根拠が書かれている場所を見つけることに時間がかかることがその理由です。例えば、英検などに出題される長文読解問題は解答根拠が書かれている個所は容易に見つけることができます。その個所の読解や選択肢の内容が難しいのです。
一方、TOEICのPart7では選択肢の内容はそれほど難解ではありませんが、解答根拠を見つけることが難しく、また、解答根拠が複数個所に分かれて書かれている場合も多いのです。(この場合、バラバラの位置に書かれていることを結びつけて考えることが要求されます)。よって、設問と選択肢を先に読んでおいたとしても、本文を読み終えてからもう一度読み直さなければならなくなる場合が多いのです。
先述のとおり、TOEICではタイムマネジメントが高得点のカギです。設問と選択肢を二度読むという時間の無駄を削るためにも、「長文を読んでから、設問と選択肢を読む」ことをお勧めします。
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