海外留学が決まり出発の日までの準備期間、留学生にとってやるべきことは意外と多くあります。現地での滞在先決めやビザの申請、学校へ提出する書類の準備のほか、日本でやっておくべき手続きはたくさんあります。
そんな忙しい日々の中で、多くの留学生が大切な心構えができていないまま出国し、あとで後悔してしまっています。では、不備も後悔もなく、安心して留学生活をスタートさせるためには、事前にどのような準備をするべきなのでしょうか?
今回は、留学が決まってからの手続きと、現地で勉強をする上での心構えについて、留学生たちの体験談を交えつつご紹介します。
留学に向けた準備チェックリスト[手続き編]
留学が決まってからの「手続き」リェックリスト
□留学費用の支払い
□入学許可書の受け取り
□海外留学生保険へ加入
□学生ビザの申請
□健康診断
□航空券の購入
目安としては、留学3か月前には費用の支払いまでを済ませ、2か月前までには航空券の購入までを済ませておきましょう。さらに、直前期まで英語の学習は継続して行い、現地の情報収集も集めておくことをおすすめします。
まず合格通知(Offer Letter)と入学料・授業料等の請求書(Tuition Invoice)を受け取ったら、平均2週間以内に支払いを済ませます。支払いが確認出来次第、学校から入学許可書(Confirmation of Enrolment; CoE)が届きます。これを持って学生ビザを申請します。
国あるいは学校によって異なりますが、海外留学生保険への加入が義務付けられている場合もあります。入学許可書(CoE)と海外留学生保険の書類を用意し、学生ビザの申請を行いましょう。ビザ発行に要する期間は、国によって異なりますので、余裕をもって申請を行う必要があります。
留学に向けた準備チェックリスト[心構え編]
ほとんどの場合、留学先での授業の様子や周囲の環境などは、実際に現地へ行って留学生活がスタートするまで不透明です。さらに、海外での生活であればなおさら、予期せぬ状況に直面する可能性が高くなります。
そこで大切になってくるのが、「自分自身の心構え」です。
「心構え」チェックリスト
□自分の意見を持てるか。そして、言えるか。
□質問する勇気はあるか。
□「やる気」と「積極性」を維持できるか。
□異なる考えを受け止める柔軟性を持てるか。
生活について
□「不便」を楽しめるか。
□現地の住民になりきれるか。
ここでは、参考にしたい「心構え」を、実際に留学を経験する/している/した学生の体験談から紹介したいと思います。
Aさん(留学予定先:イギリス)
・イギリスのドラマを観てスラングを学ぶ他、ディケンズなどのイギリス文学に触れておく
・ガーディアンなどイギリスのニュースを読み、政治の勉強をする
・逆に日本の本を読んでおく
▼現地での心構え
・あえて寮には入らず一人暮らしをし、日本人の友人は作らない
これから、ジャーナリズムを学ぶためにイギリスの大学院に進学するというAさんが1番不安に感じていることは、授業で課されるレポート。授業の教材を正しく読み、アカデミックな英語で文章を書くために様々な準備をしているといいます。
Bさん(留学先:スコットランド)
英語でのまとめノート作成の練習や、授業で聞いたことに対してすぐに意見を立てる練習はしておくべきだった。また、日本に比べると先生からの質問がはるかに多いので、それに答える実践向けの練習をしておいて損はないと思う
留学に行くまで授業形態が全くわからず、準備のしようがなかったというBさんは、上のような反省を口にしました。授業中の質疑応答だけでなく、たくさんの課題や、グループでのレポート作成に追われる日々だったと言います。
Cさん(留学先:アメリカ)
英語の勉強以外に特別なことは特にしていないけれど、日本の文化・歴史に触れておこうと思って、広島に行きました
▼現地で感じたこと
もちろん英語力の低さを痛感して、「もっとやっておけばよかったのかな」と思いました。でも、渡米前にもベストを尽くしてたから、「結果は変わんなかっただろうな」と結論づけています。
留学先でベストな勉強ができるといいのはもちろんのことですが、どれだけベストを尽くしても、初めての海外留学は「悔しい思い」のオンパレードだと語るCさん。そんな時のためにストレス耐性を身に付ける方も大事と語ってくれました。
Dさん(留学先:オーストラリア)
日本で英語の授業(専門的な授業)を受講することだけ
▼現地で感じていること
心構えとしては、留学することの明確な目的や目標をもつことが大事だと思う
日本の大学院から1年間の留学中のDさん。現地での授業はもちろん、自分の研究とフィールドワークも進めています。1か月が経ち、明確な目的や目標を持つことの大切さと実感していると言います。
Eさん(留学先:タイ)
授業中に考えて発言することの重要性
タイに留学中のEさんですが、アジア留学でもやはり、授業で自分の意見を求められると言います。「批判的に考える」ということを日本でしてこなかったので、相槌しか入れることができず、とても苦労しているそうです。
Fさん(中国からの留学生)
現地での生活環境について事前にネットなどでよく調べておくべきだった
大学周辺にもともと友人がいなかったので、最初に来た頃は何も知らずに一人で模索するのが大変だったというFさん。「日本でどれくらいお金かかるか」ということもよく把握できておらず、食事や生活費などですぐに金欠状態になったと言います。あとで家族に助けを求めるのにも時間がかかるので、留学の際には原理生活にかかるお金を事前に調査しておきたいですね。
Gさん(ドイツからの留学生)
何気ない行動に、認識や文化の違いを感じるし、時には不快に思うこともある
ちゃんと日本語を話すことが出来るのに、日本語で話しても英語で返事される時はすごく嫌な気分になると語るGさん。「日本人の友達といても、たまにマスコットのように扱われている気もする」なかで、母国じゃない場所では、違和感を感じることは多いけれど、それを気にしすぎない努力も必要だと感じているそうです。
英会話スキル+αの準備で留学を実りあるものに!
留学は想像以上に過酷で、身体的にも精神的にもエネルギーを消耗します。留学経験者の声を参考に、より実りある留学にできるよう、事前に準備しておくことが大切です。
また、体験談からも伺えた通り、やはり現地生活の壁、言語の壁は大きいようです。テキストだけの英語学習だけでなく、日常会話やディスカッション、レポートの書き方など、より実践的な英語に触れておくことが必要です。せっかくの留学を実りあるものにするために、英会話トレーニングは継続して行いたいですね。
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