「気の合う友達と楽しみながら英語を学びたい」というあなた!世界で親しまれているボードゲーム、「スクラブル」で遊んでみてはいかがですか?
スクラブルとは、手元の文字を組み合わせて英単語を作っていくゲームで、英語を母語とする地域以外でも広く遊ばれています。その理由は、単語を多く知っていても必ず勝てるとは限らないという奥深いゲーム性。世界中のスクラブルファンが集う公式大会まで開催されているほど、大人ものめり込んでしまうゲームとして知られているのです。
今回は、大人も楽しみながら英語を学べるゲーム、スクラブルについて「解説編」「実践編」に分けて解説します。
【解説編】まずは、スクラブルの遊び方を知ろう。
実際にスクラブルで遊ぶ前に、まずはゲームの目的を知っておきましょう。スクラブルのゲームの目的は非常にシンプル。2〜4人で得点を競い、最も高得点をとった人が勝ちです。
スクラブルに必要なものは、専用のボードと、アルファベットと1から10までの数字が一緒に書かれたタイルの2つだけ。それでは、ボードとタイルのそれぞれの役割、そして得点について解説します。
タイル
A~Zのアルファベットと1~10までの数字が一緒に書かれたタイル。これらを組み合わせて英単語を作り、それぞれの英単語に使ったタイルの数字を足した数字があなたの得点になります。
ボード
15×15のマス目で作られたボード。クロスワードのように縦と横にアルファベットを並べることができます(ななめに並べることはできません)。ところどころに得点ボーナスが付くマスが設置されており、このボーナスマスを上手く使うことで一気に大量の得点を得ることができます。このマスを活かせるかどうかが勝負のカギになります。
得点の計算方法
さて、気になる得点計算についてですが、これについては解説するよりも例を見たほうがわかりやすいでしょう。
試しに、「PLAY」という単語を作りました。ここでもし、「P」が下の段の「TRIPLE WORD」(単語の得点3倍)のマス、「Y」が「DOUBLE LETTER」(アルファベットの得点2倍)のマスの上に乗っているとすると、得点は次のように計算します。
ゲームの進行ルール
それぞれの道具の役割、計算方法がわかったら、最後は進行ルールを覚えましょう。ルールも簡単なので、すぐに覚えることができます。
1. 順番決め
全てのタイルを袋に入れ、何が書かれているか見えないようにします。参加者はひとつずつタイルを取り、アルファベットのAに最も近い人から順番にゲームがはじまります。順番決めのために取ったタイルは袋にもどします。
2. 7枚ずつタイルを取る
全員がそれぞれ7枚ずつタイルを取ります。この7枚をスタート時の手札とし、英単語を作っていきます。
3. プレイ
まず、1番最初のプレーヤーが、手札のタイルを用いてボード中央の星にタイルが乗るようにして単語を作ります。
各プレーヤーは自分のターンがまわってきたら、手札のタイルから2枚以上使って知っている英単語を作り、すでに盤上に並んでいるタイルと一字以上つながるようにボードに並べます。得点を計算し、また手札のタイルが7枚になるように袋から補充します。このターンを参加者でまわします。
手札のタイルを用いて作れる単語がない場合は、そのターンをパスし、手札のタイルから好きな数を袋にもどし同じ数だけ引くことができます。
4. ゲーム終了
袋にタイルがない状態で誰かの手札タイルがなくなるか、パスを繰り返しても誰も単語を作れなくなったら終了です。最終順位は、終了時の総得点で決まります。
【補足】スクラブルで使用OKな単語、NGな単語
スクラブルのルールでは、下の例のように名詞・動詞・形容詞の各活用形の使用が認められています。その一方で、人名や地名などの大文字で始まる固有名詞や、ATMのような略語、ハイフンやアポストロフィーを用いた語は使用できません。
【実践編】実際にスクラブルで遊んでみよう!
スクラブルの基本ルールについて学んだところで、ここからは「実践編」。
筆者の他に、英語講師でありスクラブル経験者であるAさん(30代・男性)、英語を日常的に学んでいるがスクラブルは初めてのBさん(20代・女性)の3人でゲームを実際にプレイしてみました。
まずは筆者が「SCALE」(尺度/鱗)という単語を中央に配置してゲームがスタート。5枚のタイルを使用したので、その分の手札を補充します。
その後、Aさんが「SINGS」(歌う+3人称のs)、Bさんが「OTHER」(他の)とタイルをそれぞれ4枚ずつ使いながら単語を作っていきます。
さらに筆者が「SEAMS」(縫い目+複数形のs)、Aさんが「DEWY」(露に濡れた)、Bさんが「GOAL」(ゴール)と言葉を並べていきます。「DEWY」という普段だったら耳にすることのない単語が登場するのも、スクラブルならではの楽しみですね。
そのようにして、出来上がったのが次の盤面。
さて、ここで皆さんにクエスチョン。いま、筆者の手札は「P」(3点)、「D」(2点)、「O」×2、「I」×2、「E」(各1点)の7枚。これらを用いて、出来るだけ長い単語を作りながら高得点を叩き出すには、どんな言葉を作ればいいでしょうか。
出来上がったのは……。
「POODLE」(プードル)!水色のTRIPLE LETTERマス、黄色のDOUBLE WORDマスを用いた長い単語で一気に24点を獲得しました。
その後も各自、1ターンも手順をパスすることなく単語を作り上げていきます。
以下の表は、筆者とAさんがそれぞれ5つ単語を作った時点での得点の状況です。
作った単語 | 総得点 | |
---|---|---|
筆者 | 「SCALE」(尺度/鱗) 「SEAMS」(縫い目+複数形のs) 「POODLE」(プードル) 「MOTTO」(モットー) 「RARE」(珍しい) |
64 |
Aさん | 「SINGS」(歌う+3人称のs) 「DEWY」(露に濡れた) 「EVEN」(〜でさえ) 「WORN」(WEARの過去分詞) 「ACRE」(エーカー) |
78 |
Bさん | 「OTHER」(他の) 「GOAL」(ゴール) 「NOON」(正午) 「DIG」(掘る) |
39 |
スクラブルには、ゲームが中盤から後半へと差し掛かるにつれ盤上の単語も縦横に広がりを見せるため、より高得点のマスにアクセスしやすくなるという特徴があります。スクラブル経験者であった筆者とAさんは、この性質をうまく利用することで、各ターンに10〜20点の得点を積み重ねていくことができたのです。
しかし、続くBさんの手番で「事件」が。
Bさん:「JEEZ」(おやおや)! Eがそれぞれ1点、Jが8点、Zが10点、DOUBLE WORDで得点が2倍になり、計40点です。
Aさん:ちょっと待った!「JEEZ」って、もともとは「JESUS」をもとにした略語だし、口語ですよね? これって認められるんですか?
ここでAさんは、Bさんの高得点にただ難癖をつけているわけではありません。スクラブルでは、「チャレンジ」と呼ばれる物言いが認められているのです。
早速、スクラブル公式の専用辞書で「JEEZ」を調べ、そこに単語が記載されているかどうか、つまり使用が認められているかどうかをチェックします。結果は……「OK!」 一挙に40点を獲得したBさんが首位に躍り出ました。
これをきっかけに勝負にも熱がこもり、ゲームは和気藹々としたムードから一転、「英語好き」としてのプライドをかけた激戦に。
ゲームが終盤にもつれ込み、山札がなくなると、Bさんが「BABY」という単語で手札を使い切ったところで試合終了となりました。
結果は、DOUBLE WORDマスを利用した「ZED」(アルファベットのZ)、TRIPLE WORDマスを利用した「HULA」(フラダンス)という単語をそれぞれ作り上げたAさんが、2度のチャレンジを見事にクリアして優勝! 2位のBさんに30点以上の差をつける164点の総得点でした。
〜感想戦〜
対戦後、企画に参加してくださったお二人に、スクラブルの攻略の仕方、楽しみ方についての意見や感想を伺いました。
Aさん:もちろん、ベースとなる単語力も大切ですが、「C, A, R, E」の手札を用いて、「CARE」だけでなく「ACRE」とアナグラムを作れるようになると、盤面の状況に応じてぐっと得点が取りやすくなります。日々の単語学習にも「スクラブル目線」が加わると、ぐっと勉強が楽しくなりますよ。
Bさん:「ACRE」の綴りや、「WEAR」の過去分詞形が「WORN」だということなど、大学受験ぶりに思い出す英語の知識が多くてとても楽しかったです。「VIRTUE」(徳、美点)のような長くて難しい単語を狙い通りに作れると、とても気持ちいいですね!
大人がハマるボードゲーム、「スクラブル」。皆さんも是非お友達と遊びながら、英語の勉強に役立ててみてくださいね!
【おまけ】あなたもスクラブルに挑戦!
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