「私の後ろの人」や「斜め前の席」など、位置を表す表現は日常会話の中で頻繁に出てくるものです。しかし英語となると意外とどう表現すればいいのかわからず、言葉に詰まってしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。今回はそんな位置を表す表現を、簡単なものから難しいものまで総ざらいしてご紹介したいと思います。
前後などの位置を表す基本の表現
位置を表す表現は、1つの前置詞で済むものもあれば、イディオムになっているものもあります。まずはその中でも基本の表現をご紹介したいと思います。知らないものがあれば是非この機会に覚えてくださいね。
〜の上に:on
Please put your pen on the table.
(ペンをテーブルの上においてください。)
「〜の上に」を表すonですが、特に対象物に接している時に用います。例文の場合だとペンがテーブルに接している状態ですよね。その場合はonが適切でしょう。ちなみに同じ「上に」でも、ものが対象物に接していない時は「above」を使いますよ。
〜の中に:in
You will find something in the basket.
(かごの中に何か入っていますよ。)
あるものが他のものの中に入っている時には、「in」を使います。「〜の中に」は「in」でほとんどのものが説明できます。
〜の下に:under
We sheltered under a big tree.
(大きな木の下に雨宿りをした。)
「under」は「何か覆われた場所の下に」という意味が根本にあります。この場合だと、「木の幹や葉っぱに覆われたその下に」というイメージです。「below」も「下に」という意味で間違いやすいのですが、こちらは「何かの基準点より下に」というイメージ。「below the surface(水面下)」や「Examples are described below(以下に例を示す)」などといった表現で用いられます。
〜の周りに:around
People gather around him.
(彼の周りには人が集まる。)
「何かを取り囲んで」というイメージのある「around」。「sit around the fire(火を囲んで座る)」のようにも使いますよ。
〜の前に:in front of
Please wait in front of the entrance hall.
(玄関の前で待っていてください。)
「〜の前に」の一般的な表現である「in front of」。反対語は次にご紹介する「behind」です。
〜の後ろに:behind
The girl stood behind me.
(その女の子は私の後ろに立った。)
同じ「〜の後ろ」に「back of〜」という表現がありますが、これは「sit in the back of the car(車の後部座席に座る)」など、「同じ空間や対象物の後ろ側」の意味で使う表現です。もし「sit behind the car」と表現すると、これは「(車の外の)車の後ろに座る」という意味になります。違いに注意しましょう。
〜の隣に:next to
The shop is next to the station.
(その店は駅の隣にあります。)
「next to」と似た表現に「by」がありますが、「next to」の方が隣接していて、より距離的に近いイメージがあります。「by」は必ずしも隣接しておらず距離的には「next to」より広いと考えていいでしょう。
〜の間に:between
Please draw lines between the dots.
(点の間に線を引いてください。)
「AとBの間に」と表現したい場合は「between A and B」というようにあらわしますよ。
位置を表す表現(発展編)
位置に関する基本の表現をマスターしたら、次は少し発展した内容をご紹介します。難しそうに見えて、実際の会話の中ではよく出てくるものばかりですので、これを機に一文をまるごと覚えてしまうのがいいでしょう。
〜の右に:on the right of
The coffee shop is on the right of the street.
(そのコーヒー店は通りの右側です。)
「〜の左に」なら「on the left of」です。似た表現で「on the right hand(右手側に)」などもよく耳にします。
〜の反対側に:on the opposite side of
The station is on the opposite side of this road.
(駅は道の反対側にあります。)
oppositeは「オポジット」というように発音します。
〜の斜め前:diagonally in front of
His seat is diagonally in front of mine.
(彼の席は私の斜め前です。)
「対角線上に」という意味の「diagonally」。「ダイアグナリー」と発音します。「斜め後ろ」なら「diagonally behind」ですよ。
右斜め前に:diagonally forward right
Please take the seat diagonally forward right.
(右斜め前の席に座ってください。)
「左斜め前」なら「diagonally forward left」となります。
右斜め後ろに:diagonally backward right
Please look at the person diagonally backward right.
(右斜め後ろの人を見てください。)
「左斜め後ろに」なら「diagonally backward left」となります。
左から2番目:the second from the left
The second one from the left is my child.
(左から2番目が私の子どもです。)
「2番目」を「3番目」に変える場合は「the second」の部分が「the third」となります。このように「〜番目」の部分は「the」のうしろが序数になりますので注意しましょう。また「右から」なら「from the right」に変えましょう。
前から3番目:the third from the front
Please take the third seat from the front.
(前から3番目の席に座ってください。)
応用で例えば「後ろから4番目」なら「the fourth from the back」となります。これも「the」の後ろが序数となる点に注意してください。
上から5番目:the fifth from the top
Could you put this back on the fifth shelf from the top?
(上から5番目の棚にこれを戻してくださいますか?)
同様に「下から3番目」などと言いたい場合は「the third from the bottom」となります。「put 〜 back」は「〜を元の場所に戻す」の意味です。
後ろから2列目:the second row from the back
Could you pass me a bottle in the second row from the back?
(後ろから2列目の瓶を取ってもらえますか?)
こちらも「前から」なら「from the front」に言い換えましょう。「row」は「列」という意味です。
~メートル先:〜meters ahead
My house is about a hundred meters ahead from here.
(私の家はここから100メートルくらい先にあります。)
aheadは「先に」「前に」という意味。道案内などでよく使われる表現です。
TOEICにもよく出る!位置関係を表すのに便利な英語表現
TOEICのPart1の写真描写問題では、位置関係を表現した描写がよく使われます。知らなければ解けない問題ですのでこれを機によく出る表現をいくつかマスターしておきましょう。
at the top of:〜の一番上に
They’re sitting at the top of the stairs.
(彼らは階段の最上段に座っています。)
「最上階に」や「一番上に」を表す「at the top of〜」はよく出てくる表現の一つですよ。人が座っているだけでなく、「物が棚の一番上に置いてある」などの表現としても登場します。
around:〜を囲んで
They’re talking together around the table.
(彼らはテーブルを囲んで話しています。)
また「around」の登場です。オフィスなどで大勢の人が写っている写真で、「〜を囲んで話している」などの描写は非常によく出題されます。
across from:〜の向かいに
The front desk is located across from the concierge.
(フロントデスクはコンシェルジュの向かいにあります。)
「〜の向かいに」も頻出の表現で、「AはBの向かいにある」というような写真描写表現として使われます。「located(〜に位置する)」という動詞も同時によく使われますよ。
parallel to:〜と平行して
Some cars were parked parallel to the side of the street.
(数台の車が沿道と平行して駐車されていました。)
物がどのように置かれているかを表す描写として「parallel to〜(〜と平行して)」はよく見かける熟語です。
at angles:様々な向きに
Cars have been parked at angles.
(車が様々な向きに駐車されています。)
向きが揃っておらず、バラバラである際に用いられる「at angles」。ちなみに似た表現で「at right angles」は「直角に」という意味になります。
まとめ
位置を表す表現は多種多様です。同じ意味でも数種類の表現がある場合もあるので、初めて出会った表現はその都度覚えていくようにしましょう。今回出てきた表現は頻出のものばかりですので、ぜひこの機会に覚えてくださいね。日常会話がぐっと理解しやすくなりますよ。
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