英語の少し硬い文章を読んでいるとよく見かけるのが、「,etc.」「et al.」などのことばです。一目では、何の意味か分からないですよね。これらは別のことばを省略した略語で、しかも元がラテン語だったりします。わからないのも無理はありません。読み上げるときにどう読めばいいのかわからないのも困りものですね。
実は硬い文章だけでなく、FacebookのようなSNSでも略語がたくさん使われています。「IMO」「RIP」など、見かけたことがありませんか?これ、どういう意味なのでしょうか。わからない略語があったらどうやって調べればいいのでしょうか?
今回は、そんな略語の意味と読み方を紹介していきます。
英語の略語の調べ方:「stands for」で調べよう
具体例に入る前に、略語の調べ方を紹介します。略語を自分で調べたい時には、「stands for」ということばが便利です。略語のもとになっているフレーズを探してくれます。
例えば、Mon. ということばを見かけて、意味が分からなかったとします。Mon. + stands forで検索してみると、たくさんの略語辞典がでてきます。ざっとみていくと、いちばんよく使われる「Monday(月曜日)」の意味が多くヒットするはずです。
ただし、英語はとても略称を多く使う言語ですから、関係ない例が大量にヒットすることがよくあります。「Mon.」ですと、月曜日以外に「MONitor(モニター)」や「Middle Of Nowhere(人里離れた場所)」など何十個もの単語がヒットしてしまいます。そのため、目当てのことばを見つけるのにはひと手間かかってしまうこともあります。
日常的に使う英語の略語を知ろう
まずは、日常的によく使うことばを見ていきましょう。
曜日を表わす略語英語
Mon. | Monday | 月曜日 |
Tues. | Tuesday | 火曜日 |
Wed. | Wednesday | 水曜日 |
Thur(s). | Thursday | 木曜日 |
Fri. | Friday | 金曜日 |
Sat. | Saturday | 土曜日 |
Sun. | Sunday | 日曜日 |
単語の後についている「.」は、「この単語は略語です」というマークです。フォーマルなアメリカ英語では、略語の後にこのような「.」をつけて、「この単語は略語です」と強調することもあります。
しかし、カジュアルな場面ではつけなくてもかまいません。イギリス英語では、むしろピリオドをつけないことも多いようです。必ずつける必要はありませんが、瞬時に「これは略語だ」と気づくことができるので、読み手への配慮のためにも、意識しておくといいでしょう。
月日を表わす略語英語
Jan. | January | 一月 |
Feb. | February | 二月 |
Mar. | March | 三月 |
Apr. | April | 四月 |
May | May | 五月 |
Jun. | June | 六月 |
Jul. | July | 七月 |
Aug. | August | 八月 |
Sep. | September | 九月 |
Oct. | October | 十月 |
Nov. | November | 十一月 |
Dec. | December | 十二月 |
三文字で統一すると、表を作るときなどにきれいに見えますね。Mayだけは元から三文字なので、省略されていません。なので、ピリオドは要らなくなります。
BC | Before Christ | 紀元前 |
AD | Anna Domini | 紀元 |
紀元前・紀元も、略語になっています。ADはラテン語のAnno Domini(わが主の年)の略語となっています。このように略語の中には、ラテン語から来ているものがかなり混ざっています。
家族関係を表わす略語英語
dad | daddy | お父さん |
mom | mommy | お母さん |
bro | brother | 兄弟 |
sis | sister | 姉妹 |
家族にも略語があります。ピリオドは付けても付けなくてもOKです。
長さや重さを表わす単位の略語英語
km | kilometer | キロメートル |
m | meter | メートル |
cm | centimeter | センチメートル |
mm | millimeter | ミリメートル |
yd | yard | ヤード |
ft | feet | フィート |
kg | kilogram | キロメートル |
g | gram | グラム |
lb | pound | ポンド |
oz | ounce | オンス |
cc | cubic centimeter | cc(立方センチメートル) |
日常的によく使う単位には、略称があることが多いです。キロメートルやキログラムなどは私たちにもよくなじみがありますね。一方、ヤードやフィートなど、日本で使われていない単位の場合は、戸惑ってしまうかもしれません。
面白いのは、「pound(重さの単位のポンド)」の略語が「lb」で、「ounce(オンス)」の略語が「oz」だというところです。poundはもともと、ラテン語のlibra pondo(天秤ばかり)から来ています。英語としては「pondo」部分が残りましたが、略語は「libra」の部分が残ったのですね。
「ounce(オンス)」はもともと、ラテン語のunciaから来ています。ですが、略語は古いイタリア語から借りていました。そのため、古典イタリア語の「onza」を略した「oz」が今でも使われているようです。
こうしてみると、略語にはラテン語の影響がとても大きいことがわかります。
論文などアカデミックなシーンで使われる略語英語
論文や、硬い文章を書くときによく使う略語を見てみましょう。
著者などを割愛するときの略語英語
et al. | et alii | その他の人たち(and others) |
etc. | et cetera | その他のもの(and so on) |
この2つは、硬い文章ではよく出てきます。どちらもラテン語からきたことばで、「その他」という意味です。筆者やものなどを「割愛」するときに使います。ただし、実際に読み上げるときには「エトアリー」「エトセトラ」とは読みません。ちょっと気取っている風に聴こえるからです。英語で言いかえて、「and others」「and so on」と読んだ方が、自然になります。
そのほかの略語英語
i.e. | id est | 即ち(that is) |
cf. | confer | 比較せよ(compare) |
e.g. | exempli gratia | 例えば(for example) |
硬い書きことばで使われる略語は、ラテン語から来ているものが多くなります。「これは日常会話ではなく真面目なトピックだよ!」ということをはっきりさせたいとき、英語ではラテン語を使うようです。これらも、実際に読むときには英語読みにした方がいいと言われています。
カジュアルなシーンで使われる略語英語
ラテン語の硬い略語と正反対に、カジュアルな使い方をするものもあります。ASAPや、lolなど、日本でも使われ始めたものも多く、みなさまも一度は目にしたことがあると思います。ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
SNSやメールでよく使われる略語英語
2 | to | ~に |
4 | for | ~に |
B | be | be(なる・である) |
U | you | あなた |
2U | to you | あなたに |
4U | for you | あなたへ |
ASAP | as soon as possible | できるだけ早く |
IMO | In my Opinion | 私の意見では |
LOL | Laughing out loud | 大笑いする(w) |
RIP | rest in peace | 安らかに眠れ |
TIA | Thanks in Advance | 先にありがとうを言わせていただきます |
数字の2や4は、発音が前置詞のtoやforと同じであることから、その代わりによく使われています。若者同士のチャットでは、youをUと書くことがとても多いです。
その他、日本語でも最近よく使われているASAPは、as soon as possibleの略語です。可能な限り早くという意味で使っています。
SNSでよく見かけるのはRIP(rest in peace)です。事故があったときなどに、追悼の気持ちを込めて「安らかにお眠りください」という意味で使います。
TIA(thanks in advance)は、前もってお礼をするという意味です。友達に頼みごとをするときなどによく使います。
このタイプの略語は、ネット上で主に使われています。新しいことばが出てくるのがかなり早く、うつりかわりを見ているだけでも楽しめます。
まとめ
略語の使い方は、学校や参考書ではなかなか習えません。ですが、生きた英語の中では、ごく自然に使われます。abbreviatiions.com
略語をマスターして、生きた英語を使いましょう!
参考
・abbreviatiions.com
・Academic abbreviations and acronyms
・Why is “Pound” Abbreviated as “lb”?
・50 Popular Internet Acronyms
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