英語の「使役動詞」は、「○○させる」という意味で使います。make, let, get, haveなど、いろいろな種類があって困るときもありますよね。どうやって使い分けたらいいのでしょうか?
今回は、使役動詞の使い方と使い分けについてご紹介します。
英語の使役動詞をニュアンスで分ける
まずは、使役動詞についてかんたんに復習しましょう。英語の使役動詞は、基本的に、
主語 使役動詞 人/物 してもらう動作
という形で使います。
I make him go.
私は彼に行かせる。
使役動詞も動詞なので、命令形の時は主語を省略します。
Make him go.
彼に行かせなさい。
使役動詞の代表的なものには、make, let, get, haveがあります。
英語の使役動詞:させる系
基本的に、使役動詞には「強制的に何かをさせる」ようなニュアンスがあります。make, getは、上から下に言うようなニュアンスがあるのですね。
まずはmakeから見てみましょう。makeは使役動詞の中でもいちばんよく使われる動詞で、強制するニュアンスがあります。
I’ll make him go.
私は彼に行かせるつもりだ。
私は彼よりも上の立場で、強制的に行かせていると考えられます。
getも同じで、強制的に何かをさせる場合に使います。
Get him to clean the room occasionally.
彼に時々、部屋を掃除させなさい。
出典:研究社『アルファ英文法』p384.
彼に強制的に掃除をさせよう、というニュアンスです。getもmakeと同じように、強制のニュアンスがあることがわかります。(getとmakeの違いについては次の章で紹介します)
make, getは、強制のニュアンスがあることがわかりますね。
英語の使役動詞:させてあげる・してもらう系
letには「させてあげる」, haveには「してもらう」というニュアンスがあります。強制的にやらせるmakeやgetと比べると、ニュアンスが柔らかいですね。
Let children enter the room.
子供たちを部屋に入れてあげてください。
Letを使うと、「入れてあげる」という許可を出すニュアンスになります。
Let’s goのlet’sは、let usをつなげたものです。直訳すると「私たちを行かせてあげてください」になりますね。実は、let’s goは許可を出してもらうフレーズだったんですね。
haveには「してもらう」というニュアンスがあります。
I have my sister press my pants.
姉にズボンのアイロンがけを頼む。
出典:研究社『アルファ英文法』p382.
(説明のわかりやすさのためにhadをhaveに変えています。)
本の中では、「アイロンがけを頼む」と訳されています。haveにはしてもらうというニュアンスがあることがわかりますね。
let, haveには強制的なニュアンスがないことが特徴です。
英語の使役動詞を文法で分ける
英語の使役動詞には、意味以外にも違いがあります。実際に使う時に、文の形が変わるのです。今回は、使役動詞の後の動詞(実際にしてもらう動作)の形をキーワードにして比べてみましょう。
英語の使役動詞:使役動詞+人+動詞 パターン
make, letは、後ろの動詞が動詞の原形になります。
Make her [give] it back.
彼女にそれを返させる。
出典:Merriam-Webster
makeの後ろに来ている動詞はgiveです。このgiveは、動詞の原形(特に変化していない形)のままになっています。これがmakeを使う時のルールです。
letも同じで、後ろの動詞が原型になります。
Please let me [know].
教えてください。
letの後ろに来ている動詞はknowです。このknowの形は変えてはいけません。
make, letは後ろに来る動詞の形を変えてはいけないルールがあるのです。
英語の使役動詞:haveとgetは後ろの形が自由
haveも基本的には同じで、後ろには原形が来ることができます。ですが、haveの場合はing形や過去分詞が来ることもあります。
I had him [laughing].
私は彼を笑わせた。
出典:研究社『アルファ英文法』p382.
ing形は状態を表すので、have + 人(物) + ing形で、「状態を変えた」というニュアンスになります。笑っていない状態から、笑っている状態に変えたということです。
getにも同じ使い方があります。
I can’t get this PC [working].
私にはこのパソコンをうまく動かせない。
パソコンが動いていない状態→動いた状態にすることができない、というニュアンスを持っています。
makeやletが後ろに動詞の原形しか来られないのに比べて、haveやgetは自由ですね。
英語の使役動詞:使役動詞+人+to不定詞 パターン
Get him [to clean] the room occasionally.
彼に時々、部屋を掃除させなさい。
出典:研究社『アルファ英文法』p384.
最初に紹介したgetの例文ですが、makeを使って書き直すとこうなります。
Make him [clean] the room occasionally.
彼に時々、部屋を掃除させなさい。
getを使役動詞として使う時には、後ろに原形の動詞は来られません。動詞の前にtoを付けます。意味はmakeでもgetでも変わりません。
会話の中ではほとんど気にしなくてOKですが、作文などでは一応気を付けておくとよいでしょう。
英語の使役動詞と日本語の違い
使役動詞には「○○させる」という意味があります。ところで、日本語には「させる」の使い方に細かい変化がありますよね。「してもらう」「させてもらう」など、それぞれ微妙にニュアンスが違います。
会話の中では、こういうニュアンスこそ大切にしたいもの。英語ではどう訳し分ければいいのでしょうか?
英語と日本語の使役:「してもらう」はどう訳す?
「してもらう」は、基本的にhaveを使っておけば大丈夫です。
You should [have] a mechanic look at this car before you buy it.
君はこの車を買う前に自動車工に見て[もらう]べきだ。
出典:ジーニアス英和辞典
ですが、「してもらえませんか?」とお願いする場面では、haveを使うとかなりおかしな英語になってしまいます。
× Can I have you check my English?
あなたに私の英語を見させてもらってもいいですか?
お願いをするときは、助動詞のcouldを使うほうが自然になります。
Could you please check my English?
英語を見てもらっていいですか?
haveは「してもらう」に近いニュアンスがありますが、実際の会話ではcould you?を使うことが多いです。
英語と日本語の使役:「させてもらう」はどう訳す?
日本語で「やります!」と丁寧に言いたいときに使う「させてもらう」は英語ではどう言うでしょうか。
これも、使役動詞を使うとかなり無理やりな英語になってしまいます。
× Can you have me let me do the work?
私にその仕事をさせてもらってあげてもいいですか?
「させてもらいます」は、やりたいですという気持ちを伝えるために使っていますよね。だからシンプルにwillを使います。willは気持ちを伝える助動詞だからです。
I will do the work!
私にその仕事をさせてもらいたいです!
使役については、私たちはどうしてもむずかしく考えがちです。でも、日本語で「させる」を使うからと言って、必ずしも使役動詞を使わなくてもOKです。大事なのはニュアンスをしっかり伝えることですね。
使役動詞を理解できた次は…
使役動詞について「なるほど納得した!」と理解できたなら、今度は英語を「使う」ことにもチャレンジしてみましょう。
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