I have a penのaってなに?10分でわかる英語の冠詞の使い方

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aとtheっていったい何なのでしょうか?

I have a penとI have the pen、いったい何が違うんでしょうか? 『吾輩は猫である』の英題は『I Am a Cat』ですが、どうして「I am cat」ではだめなのでしょうか?

実は英語には「名詞を使うための意外なルール」が隠されているのです。今回は、「冠詞」と「複数形」の意外な意味をご紹介します。

英語の冠詞ってなに?

英語の「冠詞」とは、aとtheをまとめた呼び方です。どちらも「名詞の前につける」ためだけにある単語ですよね。名詞の頭に、冠のように付ける詞(ことば)と考えるとわかりやすいですね。

英語の冠詞は名詞の前につけるマーク

英語の冠詞は、名詞の前につけます。aは「一つの」という意味を持っていて、後ろに来る名詞が一つしかないことを教えてくれます。また、aがついた名詞は「新しい情報だ」という意味があります。聞いている人が知らないものの前にはaをつけるのが英語のルールです。

・A pen
一本のペン

Theは「特定のもの」「もうわかっているもの」の前につけます。複数でも単数で使えます。

・The pen
そのペン

聴いている人が知らないもので、複数あるものにはaもtheも使えませんよね? その場合は、名詞を複数形にします。

・Pens
不特定のペンたち

冠詞を前につけることで、どんな名詞なのか教えてくれるのですね。

基本的にすべての名詞にはマークが必要

英語の名詞の前には、ほとんど必ず冠詞が必要です。名詞をそのまま使うということはできず、「冠詞と名詞がワンセット or 複数形」で初めて使えるのです。

× I have pen.

名詞になにもついていない場合は、この「pen」には意味がありません。

〇 I have a pen.
一本の・聴いている人は知らないペンを持っている。

〇I have the pen.
数は関係なく・聴いている人が知っているペンを持っている。

〇I have pens.
複数の・聴いている人も知らないペンを持っている。

英語の名詞は単独では使えません。「個数は?」「相手は知っているの?」という情報とセットで初めて使えます。そのために冠詞と複数形があるのです。

英語の冠詞が日本人にとってむずかしいのはなぜ?

どうして英語の冠詞は日本人にとってむずかしいのでしょうか? 答えはもちろん日本語にはないシステムだからです。日本語では、相手が知っているかどうかとか、個数がどうだとかは、いちいち名詞にくっつける必要がありません。

マニアックに言うと、「は」と「が」の使い分けで代用していますが、それでも一部分だけ。日本語に冠詞はありません。

英語の名詞はほぼ必ず冠詞か複数形が必要です。「個数は?」「相手は知っているの?」をくっつけなければ、名詞が使えないのです。

英語の冠詞を使わなくていいのはいつ?

先ほどは、「英語の名詞はほとんど冠詞か複数形が必須」だと紹介しました。ここでは、冠詞や複数形が必要でない例外をご紹介します。大事なのは、「例外」以外は必ず冠詞か複数形を使わなければいけないという点です。

英語の冠詞は固有名詞の前には不要

固有名詞(人名・地名など、この世に一つしかないもの)には冠詞が要りません。もともとわかり切ったものなので「新しい・古い情報」の区別がありません。一つしかないので「単数か複数か」の区別もありません。

× I live in a Japan.
○I live in Japan.

ですが、固有名詞でもtheをつけることもあります。その場に二人のJohn(ジョン)がいる場合には、どちらか一人を指してthe John(今話題になっている方のジョン)と呼ぶことがないこともありません。ただし、例外の中の例外なので、気にしなくて大丈夫です。

英語の不定冠詞aと複数形は「形のないもの」には不要

「形のないもの」には、不定冠詞も複数形も必要ありません。「数えられない」という言い方もします。もともとが複数だったり、そもそも数えようがなかったりするからです。なので、「相手が知らない情報だ」という時には、名詞を裸のまま使えます。

形のないものにはaと複数形が要らない

形のないものは数えようがないので、aも複数形も要りません。

×I drink a water.

容器に入れて数えられるようにすると、aや複数形が必要になります。

I drink a bottle of water.
一本のボトル入りの水を飲む。

集合名詞にはaと複数形が要らない

例えば、people(人々)という単語は、もともとが複数の人たちが集まっているという意味ですよね。ですから、わざわざ複数形を使わなくてもいいのです。ただし、「相手が知っている情報」の場合はtheが必要なことに気をつけましょう。

「数えられる・数えられない」ってどうやって判断するの?

「数えられる・数えられない」という区別は微妙で、ネイティブでない私たちにはわかりにくいです。例えば、culture(文化)は数えられる名詞なので、a cultureやculturesの形でしか使えません。information(情報)は形のない名詞なので、「informations」という言い方は不自然になります。vocabulary(語彙)はいかにも数えられそうですが、数えられない名詞です。

大事なのは、「名詞と冠詞(a/the)か複数形をセットにしないと使えない」というルールをまずは覚えることです。例外は一見ややこしいですが、慣れてくれば出来るようになってきます。まずは英語らしい名詞のルールを知ることが大切です。

英語の冠詞はどう使う?

具体的には、英語の冠詞はどうやって使うべきでしょうか? 複雑な例外まで含めて、全部を覚えなければいけないのでしょうか。私は「60点でいい」と思っています。

英語の冠詞は「わからなくても困らないもの」でもある

冠詞がまちがっていても、英語は通じます。「複数かどうか」は会話の流れにほとんど影響しませんし、「新しい情報かどうか」は文脈で何となくわかると思いませんか?

そう、冠詞や複数形の間違いは、会話の中で大きな問題になりにくいのです。言語習得論では「ローカルエラー」と呼ばれている間違いで、違和感はあっても伝わります。冠詞がない日本語でも、普通に会話ができますよね? 乱暴な言い方ですが、冠詞はなくても困らないものなのです。

ノンネイティブには100点が取れないのが英語の冠詞

しっかりとした文章を書く時は、冠詞の間違いにも気をつけなければいけません。ですが、しっかりした文章を書く場合にはネイティブのチェックが入りますから、気にしすぎなくても大丈夫です。

英語教育者も、言語習得学者も、「冠詞はむずかしいから100%マスターするのは無理」と考えています。英語の名詞の使い方ルールを理解するのは大切ですが、気にしすぎる必要はありません。

まとめ

冠詞と複数形は、英語の名詞の使い方のもっとも大事な部分です。「冠詞or複数形とセットにしないと名詞が使えない」というルールを理解しさえすれば、英語らしい名詞の使い方が出来るようになります。

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