英語学習は時間をかければ、初級から中級へレベルアップできます。しかし、中級から上級へのレベルアップは、初級から中級より困難な道のりです。そのため、中級から抜け出せない人も少なくありません。
ここでは、そんな中級者が上級者へレベルアップするために知っておくべき英語フレーズと学習法をご紹介します。
英語中級と上級の違いとは?
上級者が知っておくべき英語フレーズや学習法をご紹介する前に、「上級者」の具体的なレベルを「中級者」と比較しながら確認しておきましょう。
英語中級・上級の違いを「能力」「マインドセット」「学習法」の3つにわけて解説します。
能力の違い
英語中級・上級の能力の違いは、CEFR(Common European Framework of Reference for Languages=ヨーロッパ言語共通参照枠)と文部科学省が提示する『各資格・検定試験とCEFRとの対照表』を参考にまとめてみます。
ちなみに、CEFRはヨーロッパ圏で広く使用されている外国語の習得状況を示す評価基準です。どんな言語でも当てはめることができるため、国際的な外国語運用能力を判断する基準となっています。レベルは以下の通り6段階あり、中級と上級の境目はB2とC1と言えるでしょう。
C2:ネイティブレベル
C1:上級者
B2:中上級者
B1:中級者
A2:初級者
A1:初学者
<英語中級レベル>
・CEFRのB1・B2レベル
・英検2級・準1級/TOEICスコア600~850程度
・4技能(読む・書く・聞く・話す)の各レベルにばらつきがある
・日常会話だけでなく、抽象的な話題等でも理解できる
・母語話者と流暢かつ自然なやりとりが可能
<英語上級者のレベル>
・CERFのC1・C2レベル
・英検1級/TOEICスコア850以上
・大学レベルの英語力
・4技能(読む・書く・聞く・話す)の各レベルが一定している
・ほぼ全てのものを容易に理解できる準ネイティブまたはネイティブレベル
参考元:ブリティッシュ・カウンシル
参考元:文部科学省
マインドセットの違い
マインドセットとは自身が持つ思考様式や心理状態のことで、このマインドセットの持ち方が英語中級と上級では異なります。
中級者はある程度の言語運用力があるものの、4技能がアンバランスで苦手な分野に自信が持てないため、「まだ学習中」という意識があります。つまり、苦手分野では多少のストレスを感じる状態です。
一方、上級者は準ネイティブあるいはネイティブレベルであるため、4技能のバランスがいいだけでなく、苦手意識もほとんどない状態です。つまり、ストレスなく英語でのコミュニケーションが可能な上、少なからず自信も持っています。
学習法の違い
中級者は4技能にばらつきがあるため、多くの人が初級からの延長で学習を続けています。つまり、中級者は「英語を習っている」状態で、学習を通してレベルアップが望めるということです。
一方、中級者がいつまでも「英語を習っている」状態だと、なかなかレベルアップが望めません。上級者に求められる学習法は、「英語で英語を習う」こと。なぜなら、上級者は準ネイティブまたはネイティブレベルだからです。具体的な学習法は後述しますが、専門的なビジネス動画などを駆使して、英語でのコミュニケーションの幅を広げる必要があります。
上級者が知っておくべき英語フレーズ
中級から上級にレベルアップするためには、ビジネスなどの社交の場で使われる英語フレーズを知る必要があります。よりフォーマルな表現を覚えるのが上級者への第1歩です。
中級・上級で使われる英単語の比較
日常会話とビジネスや社交の場で使われる動詞の違いを見ていきましょう。
<日常会話-ビジネス・社交の場>
start:launch(開始する)
do:execute(実行する)
give:provide(提供する)
get:receive(受理する)
need:require(必要とする)
tell:explain(説明する)
talk:discuss/elaborate(話し合う/詳しく述べる)
ask:inquire(尋ねる)
say:mention/refer/ comment(述べる/言及する/コメントする)
put off:postpone(延期する)
buy:purchase(購入する)
make sure:ensure(確かめる)
上記は一部に過ぎませんが、自分自身でも異なる表現・単語を見つけて語彙を増やしていきましょう。
感情表現で使われる英単語の比較
ここでは感情表現で使われる表現を見ていきます。
喜び(Happy)
・delighted(喜んでいる)
例:
We shall be delighted to come.
(喜んでおうかがいいたします。)
・flying high(大変嬉しい)
例:
When the winter Olympics came to Japan, the whole country was flying high.
(冬季オリンピックが日本で開催され、国中が大変喜んだ。)
・pumped up(興奮している・ワクワクしている)
例:
He is pumped up for his first presentation.
(彼は初めてのプレゼンテーションで興奮している。)
・fortunate(幸せな・幸運な)
例:
You are fortunate in having such a kind husband.
(あなたはあんなに優しいご主人を持って幸せですね。)
怒り(Angry)
・in a black mood(とても憂鬱な気分・不機嫌)
例:
I’m afraid about why our boss is in a black mood today.
(今日なぜ上司が不機嫌なのか心配だ。)
・bite someone’s head off(人にくってかかる)
例:
Don’t bite his head off just because you are having a terrible day.
(ひどい1日だったからって彼にくってかかるのはやめて。)
・drive someone up the wall(人を激怒させる)
例:
He is awfully slow going anything, that drive me up the wall.
(彼は何をするにもひどく遅くてイライラする。)
・indignation(憤り・憤慨)
例:
Her face reddened with indignation.
(彼女の顔は怒りで赤くなった。)
悲しみ(Sad)
・sorrowful(悲嘆に暮れる)
例:
He looks sorrowful and forlorn.
(彼は悲嘆に暮れ寂しそうだった。)
・lamentable(嘆かわしい)
例:
That is a lamentable decision.
(それは嘆かわしい決定だ。)
・get/be down in the dumps(しょげる・憂鬱になる)
例:
Don’t get so down in the dumps.
(そんなにがっかりしないで。)
・lament for(嘆き悲しむ)
例:
We all lament for the death of a friend.
(私たちはみんな友の死を嘆き悲しんだ。)
恐れ(Scared)
・butterflies in one’s stomach(そわそわする・緊張する)
例:
I felt butterfly in my stomach yesterday because I had the meeting with new client.
(昨日、新しいクライアントと会議があったから緊張した。)
・be fearful of(恐れる・心配する)
例:
He was fearful of making a mistake.
(彼は間違えることを恐れていた。)
・afraid of one’s own shadow(自分の影におびえる・とても臆病である)
例:
She is always afraid of her own shadow.
(彼女はいつも自分の影におびえている。)
混乱(Confused)
・ambivalent about(態度を決めかねている)
例:
I’m ambivalent about leaving work.
(退職について踏ん切りがつかない。)
・puzzle over(頭を悩ませる・当惑する)
例:
We puzzled over his apparent conviction.
(私たちは彼の確信に当惑した。)
・feel out of it(場違いな感じがする)
例:
Everyone looked enjoying the party, but I felt out of it.
(みんなパーティーを楽しんでいるように見えたけど、私は場違いな感じがしていた。)
・be perplexed(困惑する・当惑する)
例:
I am very perplexed.
(私はとても困惑している。)
ビジネスや社交の場で使われる英語フレーズ
ビジネスや社交の場で使われる上級英語のフレーズはたくさんありますが、その中から使いやすいものをピックアップしてみました。
・It strikes me that ~(私には~のように思える)
strikeは「打つ」という意味の他に「考えが心に浮かぶ」という意味もあります。このフレーズは、It seems to me that ~と同様の意味です。
例:
It strikes me that he is not telling the truth.
(彼は真実を話していないような気がする。)
・bump into someone(偶然会う)
「ドンとぶつかる」とい意味の動詞bumpと前置詞intoから成る句動詞です。
例:
I bumped into my friend from school at the station.
(駅でばったり学生時代の友人に会った。)
・save face/lose face(面目を保つ・面目を失う)
例:
That would save my face.
(そうすると私の顔も立つ)
If you quit the company now, your father will lose face.
(あなたがいま会社を辞めたら、お父さんの顔が丸つぶれだ。)
・miss the boat(好機を逃す)
行動が遅いことで、チャンスを活かせなかったときに使います。
例:
He missed the boat when he did not apply for the job in time.
(彼は期限内に仕事に応募せず、チャンスを逃した。)
・money is no object(金に糸目をつけない)
金額を問わないときに使います。
例:
Send my wife the largest bouquet you can find. Money is no object.
(君が見つけた最大の花束を妻に送ってくれ。金に糸目はつけないよ。)
・ride on(~次第である)
例:
My whole future is riding on this interview.
(私の将来はこのインタビュー次第だ。)
・sleep on it(一晩考える・よく考える)
例:
Your idea sounds good but let me sleep on it.
(あなたの考えは良さそうだが、一晩考えさせてくれ。)
・ring a bell(以前に聞いたことがある)
例:
This name rings a bell.
(この名前は聞き覚えがある。)
・test the waters(下調べする・動向をうかがう)
行動を起こす前に、人々の気持ちや意見を判断するときに使います。
例:
Let’s test the waters before putting it on the market.
(それを市場に出す前に動向をうかがってみましょう。)
・put all your eggs in one basket(一つのことに全てを賭ける)
例:
Don’t put all your eggs in one basket.
(一つのことに全てを賭けるな。)
・up to the minute(最新の)
例:
Is that news up to the minute?
(そのニュースは最新ですか?)
上級者へレベルアップする学習法
前述した通り、中級者と上級者では学習に対するアプローチを変えなければなりません。ここでは具体的な学習法を解説します。
英語で英語を学習する
中級から上級への移行には、当然のことながら「学習」が必要です。上級英語は英語で「Advanced English」と言うので、英語で上級英語のフレーズを検索してみましょう。そして、その意味を英語で理解し、実際の場面で使用していきます。もちろんネイティブと話す機会を増やして、英語環境でのストレスを減らしていくのも効果的です。
大切なことは、いちいち日本語に訳さずに英語で考えること。つまり、英語のまま理解できる「英語脳」をしっかり作ることです。英語で夢を見るようになれば、いいサインと言えるでしょう。
具体的には、英単語を英語で学習する、映画や動画などの視聴の際には英語の字幕を消すなど、工夫次第で自分に合った学習法が見つかるでしょう。
苦手分野を強化する
上級者は4技能のバランスがいいので、苦手分野の強化もしなければなりません。リスニングが苦手な人は、英語のニュースやポッドキャストなどを活用するといいでしょう。
もちろん、音楽が好きなら英語の歌でもいいでしょう。歌詞をダウンロードして、歌詞の中からフレーズなどを抜き取っていくのも面白いかもしれません。その他には、オーディオブックもおすすめです。どんな方法を用いるにしても、「英語で英語を習う」というスタンスは崩さないようにします。
リーディングが苦手な人は、『TIME』や『Forbes』などの経済雑誌や英語ニュースを読むのを日課にしてもいいでしょう。言うまでもありませんが、小説などの英語の本もリーディングのスキルアップに適しています。
インプット7:アウトプット3
上級者を目指す中上級者は、すでにある程度アウトプットとなるスピーキングやライティングが可能なため、リスニングやリーディングで新たな知識をインプットすることが重要です。語彙・フレーズ・正確な発音を増やすことに7割程度時間をかけるようにしましょう。
新たな知識が構築できたら、その知識をスピーキングやライティングで使って自分のものにしていきます。もちろんインプットとアウトプットのバランスは、自分の苦手分野を視野に入れて自由に変えてください。
まとめ
英語中級者と上級者の違いは、英語の知識だけでなくマインドセットや学習法も含まれます。レベルアップは容易ではありませんが、成功への近道は「継続」することです。英語で話したり聞いたりすることが当たり前になるような環境を作ることから始めてみましょう。道のりは長いかもしれませんが、決して達成できないものではありません。
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