在日外国人にきいた日本人のだめ英語―英語の発音はLやRよりもアクセントが重要だった!

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英語を勉強する人にとって、ハードルが高いのが発音の練習です。外国の方に通じる英語を習得するために、カタカナ英語からステップアップしようと思っても、なかなかよい勉強方法が思いつきません。

英語の発音が大事だ、とはわかっていても、具体的になにをどれくらい勉強すればいいのかは絞り込みづらいものです。

そこで今回は、日本で暮らす現役の外国人英語教師へのインタビューをもとに、英語の発音はどこから手をつければいいのか・どれくらい上手くなればいいのかについてお話します!

1.日本人の発音、問題点はどこ?

ジャパニーズイングリッシュというと、「l」と「r」の区別ができない、巻き舌ができないといったイメージが浮かんでくる方も多いと思います。でも、日本で英語教師をしている多くの外国人は、そうではないと考えているようです。

「子音を子音だけで発音できないのが問題です」

この答えが、多くの外国人から返ってきます。いったいどういうことでしょうか?

「日本語では、あ・か・さ・た・な・は・ま・や・ら・わ……といった感じで、全部の音に母音(あいうえお)がついていますよね? でも、英語はそうではありません。子音は子音のままで読まなければ、通じないんです」

イングランド出身の英語教師はこう指摘します。

例えば、「ベッド」ということばはよく使われています。英語の「bed」をカタカナ英語にしたものです。日本人にとっては、「bed」を「ベッド」と読むのはあたりまえのことのように感じられます。

ですが、外国人は「ベッド」という音をきいても「bed」のことだとはわかりません。なぜなら、最後の「d」の文字に、「ウ」というよけいな音がくっついていて、全体のリズムがおかしくなっているからです。

「よけいな母音がついている音は、英語であるかどうかもわかりません。日本語に聞こえてしまいます」

なんと、よけいな母音をつけてしまうと、英語だと認識してもらうこともできないのです。

1.1 「子音だけ」を発音する方法

子音だけを発音するなんて無理……と思っている方もいるかもしれません。しかし心配はいりません。子音だけで発音するのは、それほどむずかしくはないからです。というより、そもそもネイティブは子音だけを発音しているわけではありません。小さい「ゥ」をつけて、軽く読んでいるのです。

さきほどの例に戻ります。英語ネイティブはどうやって「bed」を発音するのでしょうか。答えは「ベドゥ」です。

「d」をそれだけで読むというより、小さい「ゥ」の音をつけて、軽く発音するのです。

「book」→「ブウクゥ」

「light」→「ライトゥ」

これだけで、伝わり方が大きく変わります。

2.あわせて攻略「アクセント」

「bed」の例をもういちど見てみてください。

「ベッド」→「ベドゥ」

注意深い読者の方はお気づきかもしれません。そう、「ッ」が消えてしまっているのです。なぜでしょうか?

「日本の方の英語は、アクセントがおかしいことが多いと思います。強い音を強く・弱い音を弱く読むことができない方が多いです」

インドネシアの英語教師はこういって、アクセント練習の必要性を教えてくれました。

アクセントという言葉はよくききますが、具体的にどういうもののことをいうのでしょうか?

2.1 アクセントとは?

実は、日本語にもアクセントといわれるものがあります。

は↓し↑ =橋
は↑し↓ =箸

あ↓め↑ =飴
あ↑め↓ =雨

このように、日本語では、前の音にくらべて高いか低いかで、単語を区別しています。「近くで箸をかけているらしいよ」「飴が降ってるね」といわれたら、多くの方が理解しづらいのではないでしょうか。アクセントがおかしい日本人の英語も、このように受け取られているのです。

「英語の基礎の基礎であるアクセントについて、日本の教科書はどれもオマケのように扱っています。これでは、通じる英語が話せるはずはありません」

日本の英語教科書事情に詳しい中国出身の英語教師は、日本の教科書にこう苦言を呈しています。

2.2 英語のアクセント

日本語は「高い・低い」で単語を区別しています。英語の場合は、「強い・弱い」が目印です。

辞書で「bed」を引いてみると、「/béd/」という発音記号がかいてあります。この「´」のマークがついているところが、アクセントのある場所=強くよむところです。「bed」は「e」の音の上に記号があるので、ここを長めに、のどに力を入れて発音します。

be-d 「ドゥ」

他にも見てみましょう

boo-k 「クゥ」

cu-t 「トゥ」

このように、強い部分と弱い部分をくみあわせることで、はじめて1つの英単語になるのです。

3.発音練習こそ最高のリスニング訓練!

発音を勉強すると、見違えるほどに英語が上手くなります。英語らしい発音ができるというだけではありません。英語の音を体でおぼえることで、リスニングが一気に上達します。

筆者がはじめてTOEICテストを受験したとき、リスニングテストは200点台でした。しかし、発音をマスターしてからは毎回9割を超えるようになりました。

英語を教えるようになってから、発音の大事さをより痛感するようになりました。発音の訓練をうけてもらっただけで、多くの方の英語力がグッと向上します。TOEICのリスニングスコアが100点以上アップするのもめずらしくありません。英会話でも、自信をもってハキハキとはなせるようになります。カタカナ英語しか使えなくて、ややオドオドしていた方でもです。

学校では発音を教えてもらえません。発音の重要性に気づいていない方がとても多いのが現状です。つまり、発音を身につければ、周りのライバルに大きく差をつけることができるのです。ぜひトライしてみて下さい。

4.発音練習のゴールはどこ?

「どれくらいの発音ができればいいの?」

このような質問をよくいただきます。

基本的には、完ぺきをめざす必要はありません。英語はツールなので、コミュニケーションという目的を果たせればそれでOKです。

今回ご紹介した「子音だけで読む」「アクセント」の2つはマストです。これができれば、英語でのコミュニケーションがとてもスムーズになります。

「L」と「R」や、「S」と「Th」の違いは、コミュニケーションのときにはそれほど問題になりません。できるに越したことはないですが、絶対に発音できなければいけないというほどではありません。

「私自身、”s”と”z”を間違えたりすることが多々あります。聞いて理解できれば、自分の口から言えなくてもそこまで問題になりません」

ロシアの教師仲間は、そこまで細かい発音にこだわる必要はないと指摘しました。

「ロシア人は”th”と”f”を間違えたり、”r”をロシア語のようなすごい巻き舌で読んでしまったり、日本人以上に発音が苦手です。でも、それで通じないということはそこまで多くありません」

私自身、コミュニケーションの中では、細かい発音の違いはそれほど重要ではないと思います。こういう発音を勉強する最大のメリットは、リスニングテストのスコアアップです。

He is turning right.
(彼は右に曲がろうとしている)

この言葉がきこえたとき、「L」「R」の区別がつかなければどうでしょうか? 「もしかして明かり(light)をつけようとしてるのかな」と思ってしまうかもしれません。集中力との戦いになるリスニングテストでは、こういう迷いが命取りになります。反射的に単語を区別できるようになるには、音を体に叩き込むのが一番です。

「子音だけで発音できる」「アクセントがわかる」「子音が区別できる」この3つが、最低限必要な発音能力だと筆者は考えています。これをマスターすれば、まずはゴールだと思って大丈夫です。

5.まとめ

発音を独学するのは大変ですが、マスターすれば会話でもテストでも本当に役に立ちます。自信をもって英語をはなすために、少しずつ努力していきましょう!

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