設計書や検証って英語でいえる?ITエンジニアが身につけるべき必須英語表現30選

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グローバル化の進行が著しいIT業界。オフショア開発でプロジェクトを進める場合は現地チームとのやり取りに英語が必須となるばかりか、「プログラミング言語がわかれば日本語が分からずとも良い」といった理由から、職場にも外国人が増えつつあります。

そんな状況がありながら、進捗確認や、「細かな報連相のためのコミュニケーションを取るための英語フレーズがわからない!」そんな悩みをお持ちのあなた!

この記事では、「社内の公用語は英語」という某大手ネット企業で働くNさんの監修のもと、ITエンジニアがまず身につけるべき英語表現を5つの場面に分けながら合計30個紹介いたします。

Scene1:「依頼」編

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エンジニアの頭痛のタネといえば、慢性的な人手不足。新規事業の開発を進めるにあたって、社外のエンジニアチームに依頼を投げる局面も少なくありませんが、アジアの海外事業者にシステム開発や運営を委託するオフショア開発も、今では珍しくありません。

そんな時、正しい英語でコミュニケーションが取れるか否かによってその後のプロジェクトの進捗が大きく左右されるのは皆さんも日々体感されている通り。以下では、そんな「依頼」の場面で用いる基本的な英語表現をおさらいしましょう。

1. 今回のプロジェクトの目的(ゴール)は○○○というものです。

The purpose of this project is to 〜.

まずはプロジェクトゴールの説明から。キックオフの際にアサインされたメンバーとプロジェクト概要やKPIの確認をとる際には、設定された目標を「〜すること」と「to 不定詞」を用いて表現するのが一番シンプルながら効果的です。

例)このプロジェクトの目的は購入達成に至るコンバージョン率を10%向上させることです。
The purpose of this project is to improve the conversion rate among consumers by 10%.

2. あなたが担当となるのは、○○の分野です。

You’re in charge of 〜.

前述のキックオフミーティングのタイミングの際には、各メンバーがどの分野を担当するのかの割り振りが通達されることが多いですが、その際にはコーディング、テスト、ドキュメント作成など、業務内容を個別具体的に表しましょう。そのためにも、上のような汎用性の高いフレーズを身につけておくことが必要です。

3. ユーザー情報の登録機能を持ったプログラムを作成してもらえますか?

Could you write a program that enables to register the user information?

一口に「作成する」と表されることであっても、設計段階であれば「design」、コーディングの場合は「write」など、フェーズ毎に用いられる動詞が変化します。この「register」という動詞を名詞だと誤認識して「regist」と書いてしまうエンジニアが散見されるので、正しい用法を押さえておきたいですね。

4. 詳細は本メールに添付したドキュメントを参照してください。

For further information, please refer to the document attached to this email.

海外メンバーとのやり取りでは「言った/聞いてない」のトラブルがことさら起こりがち。メールでやり取りをする場合は、必ず依頼事項の詳細について添付資料を確認してもらうように促しましょう。

5. 期限は○○日までにお願いします。

The deadline is 〜.

期限を表す「the deadline」の後に「to 不定詞」を形容詞的に連続させることによって、「どんなアクションに対する期限なのか」を具体的に明示することができます。

例)これらの書類の提出期限は6月30日です。
The deadline to submit these documents is June 30.

6. 不明点がある場合には、○○さんに確認を取ってください。

If you have any questions, please contact 〜.

口下手な性格のため、会議中に疑問点を聞き出すことが苦手なエンジニアも多いもの。そのため事後的に不明点を確認することを促すためにも上のようなフレーズを仕事で用いるようにするといいでしょう。また、ビジネスパートナーに対して「何なりと(自分に)お申し付けください」と表現したい時のために、“please don’t hesitate to contact me”という、より丁寧な表現も合わせて覚えておきましょう。

7. よろしくお願いします。

Best regards.

日本語でもメール文の締めくくりに「よろしくお願いいたします」が多用されるように、ビジネスメールに対する結びの表現として用いられるのが、この「Best regards」。メールが主体となった表現ですが、チャットやSlackを利用する際にも、相手が目上の相手である場合にはこの一言を添えるといいかもしれません。

8. 日本語は、英語の後に記載しています。

Japanese follows English.

日本人+外国人の多国籍チームで働く場合、そのメール冒頭に付記しておきたいのがこちらのフレーズ。プライベートな場面でも、Facebookで結婚、出産、転職などの報告をする際に、日本人・外国人いずれの友人にも伝えたい!というような局面で使用されることも増えつつあります。

Scene2:「進捗確認」編

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依頼まではスムーズにいったものの、プロジェクトを進める中で「約束の期日までに成果物が上がってこない……」そんなもどかしさに直面することもあるでしょう。しかし、事前にコミュニケーションエラーを撤廃しておけば、スケジュール管理に生じる狂いを低減することができます。

「報連相」をこまめに取るためにも、英語で進捗確認を取れるようになりましょう。

9. 進捗状況を教えてください

Please inform us about the current progress.

「進捗」という言葉は英語で「the current progress」、もしくは「the current status」と表します。もっとカジュアルに、「プロジェクトはどんな進み具合ですか?」と聞きたければ、「How’s the project coming along?」といったフレーズを用いてもいいでしょう。

10. スケジュール通りに進んでいます

We are making progress on schedule.

「スケジュール通り」を表すフレーズ、「on schedule」は副詞としても形容詞としても利用することができます。これを応用して「全てスケジュール通りです」と言い表したい場合には、「Everything is on schedule」と表現しましょう。

11. スケジュールが少し遅延しています。

We’re a little behind schedule.

「on schedule」の逆、「遅延している」状況を伝える場合には、「behind schedule」を用います。より具体的に「◯日遅延している」「△時間遅延している」と伝えたい時には、「◯ days/△ hours behind schedule」と発生している遅延時間をその前に付記して表現すればOKです。

12. プロジェクトの進捗が遅延している理由を説明してください。

Please explain why the project is running late.

「遅れている」旨を表す動詞表現として便利なのが「run late」。この場合、runは「進行する」を表す動詞なので、「run behind schedule」という表現を代わりに用いてもOKです。

13. その原因は○○○だからです。

Because + センテンス/ due to + 名詞句.

遅延などのイレギュラーが生じたら、その原因を報告するのは当然のことです。もちろんその際には「because節」を用いて原因説明することができますが、その他にも「due to + 名詞句」を用いることで原因をピンポイントに説明することが可能です。

例)負荷試験の結果のため(負荷試験の結果が要件に達していなかったため)、プロジェクトの進行を一週間遅らせなくてはいけませんでした。
We had to delay the project for a week due to the result of stress test (because the result of stress test didn’t reach the requirement).

14. リスケジュールする必要がありますか?

Do we need to reschedule it?

日本語でも「リスケする」という表現を用いる場面が増えつつありますが、英語でも「reschedule」という他動詞を用いて表現します。ちなみに、「(〜に遅延が生じたため)一旦ペンディングでお願いします」と伝える場合には、「pend」という動詞が自動詞にあたるため「Please suspend the ongoing task (due to the delay of〜)」など、他動詞「suspend」を用いるのが正確です。

15. アサインする人を増やす必要がありますか?

Do we need to assign more personnel on this project?

「アサインする」という表現もまた日常的に用いられるようになりましたが、「assign personnel」で「人員を配置する」という意味になります。

Scene3:「管理/報告」編

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英語を用いてプロジェクト・マネージメントをしようとすれば、必須となる英語フレーズは10や20では足りないくらい!ここでは、特に使用頻度が多いであろうフレーズを厳選しました。

16. 検討した結果、この案を(代替策として)採用することにしました。

After consideration, we decided to adopt this proposal (as an alternative).

プロジェクトマーネジメントの場において頻発するのが、プロジェクト全体の方向性定義のためのアイデア出し。過去のミーティングで提案されたアイデアが不採用となった場合には、その代替案を提示するという意味で「as an alternative」という表現を付記すればより自然です。

17. この案を採用した理由は、〜という点で優れていたからです。

The main reason for adopting this is that it is superior in the area of ~.

プロマネであれば、新たな技術やサービス導入の稟議を通すために奮闘されることも多いでしょう。そんな時に、端的にその採用メリットを伝えようと思ったら、上記のフレーズを利用してみてください。

ちなみに、自社開発の技術ではないからといって採用しない、過度の自前主義のことを「NIH(not-invented-here) syndrome」と言います。稟議書を通す際にはご用心を。

18. ○○のテスト中にバグを発見しました。詳細は△△に記載しています。

We found a bug while testing ○○, as described in detail in △△.

バグの報告など、相手にスピーディーな対応をお願いしたい場合は、文面もなるべく簡潔に。「詳細は別途、報告書/チケットの説明文(report/ticket description)に記載しています」といった形で伝えるのが賢明です。

19. 来月、○○さんにこのチームに参加してもらうことになりました。

We’ll have ○○ join this team next month.

プロジェクト単位でアサインされるメンバーが変動するIT業界では、人の出入りが頻繁にあるものです。その都度、誰が加わり、誰が出て行くのか、チームに共有するフレーズを身につけておきましょう。ちなみに、逆パターンとして「来月、◯◯さんがこのチームを離れることになりました」と伝える場合には「〇〇 will leave this team next month.」といった簡潔な表現でOK。

20. ○○さんは、□□さんのもとでOJTを受けてもらいます。

○○ will start OJT with □□.

プロジェクト毎、現場毎によって使用プログラミング言語や開発のフレームワークが異なるITの現場では、ジョインしてすぐ文化に適応するのは困難なもの。そのため、OJTによってチームの文化を学ぶんでもらうケースも生じますが、そんな時に使用したいのが上のフレーズです。「OJT」が「on-the-job training」の略記であることは皆さんもご存知の通りですが、もちろん略記のままでも通じます。

Scene4:「意見交換」編

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多くの人が関わるIT業界では、企業単位でノウハウやメソッドに大きな隔たりがあることだって当然の事態ですから、国単位ではその隔たりがより大きいのは当たり前のこと。

裏を返せば、「隔たり」を抱えているということはそれだけ多様なアイデアが集まっているということですから、意見交換を活発にすることによってチーム力を最大限引き出すようなコミュニケーションを心がけたいですよね。

以下では、【ドキュメント】【プログラム】【テスト】などのカテゴリーにタスクを分類した上で、個々のタスクの進行を円滑にするフレーズをご紹介します。

【ドキュメント編】

21. ○○の仕様に関する説明を△△[ドキュメント名]に記載してもらえますか?

Could you add some description about the specification of ○○ in △△?

「設計書」や「要件定義書」など、エンジニアの実務の中には書類作りが多数盛り込まれています。しっかりと文面に落とし込まないと共有できない知識も多いため、上記のようなやり取りを綿密に。

【プログラム編】

22. このプログラムの設計には○○[設計パターン名など]を用いたがいいと思います。

I guess it would be better to design the program with ◯◯.

ITエンジニアの職場は「集合知」がモノを言う世界。改善のためのアイデア出しを促すためにも、その提案の仕方を覚えておくことが必要でしょう。

23. ○○という(ソースコードの)書き方にすると、パフォーマンスがより良くなると思います。

I think the performance will be improved by changing the coding style to ○○.

ひとつの処理を実現するために選択できるコードの書き方が多岐にわたる場合、もっとも効率的なソースコードの書き方を伝えるために上記の表現を用いましょう。

24. このロジックを検証するためのテストコードを書いてもらえますか?

Would you mind adding some test code for this logic?

他メンバーの書いたソースコードに対して、それを検証するためのテストコードを書いてもらうよう指示するのもエンジニアの仕事。テストケースが不足している場合には、上のようにコミュニケーションをとると良いでしょう。

【テスト編】

25. このテストのエビデンスは残っていますか?

Is there any evidence for this test?

テストが正しく実施されたかどうか証明するために作成されるのがテストエビデンスです。システムの開発担当と出資者が別々であることも多いITの分野では、出資者から不意打ち的に特定のテストのエビデンスが残っているかどうかの共有を求められることも起こりえます。あたふたする前に、上のフレーズでメンバーに確認を取ってみては?

26. (負荷試験を実施するさいに)どのくらいの負荷をかけてテストしましたか?

How much stress did you put on the system when you performed the stress test?

「put stress on〜」で「〜に負荷をかける」の意味になります。システムが高負荷となった際にサービスが停止することを避けるために実施されるのが負荷試験。この試験において重要なのが、具体的にどれだけの負荷をかけて試験を実施したかということ。そのため、テストを実施したメンバーに詳細を尋ねたい場合は上のフレーズを用いてみてください。

Scene5:「トラブル対応」編

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バグやサーバー障害が生じた場合、インフラ周りやサーバー運用を担当しているメンバーとのやり取りが発生します。日本人相手ならツーカーで通じていたことも、いざ外国人が相手となった時に言葉が出てこない……そんなことがないように、以下のフレーズを参考にしてみてください。

27. ○○が原因で、サーバーの処理が重たくなっています。

The server is lagging due to ○○.

アクセス過多(heavy traffic)などの理由でサーバー処理が重たくなった場合に用いられる動詞が「lag」です。エンジニアによくありがちな間違いとして、「重たくなる」という日本語に引っ張られて「heavy」という表現を用いてしまいがちですが、英語では通じないということを覚えておいてください。

28. ユーザーからの問い合わせがあったため、本障害が発覚しました。

We received an inquiry from a user and found this error.

サーバー障害などが発生した際に、その元情報とともに情報を共有する際には上のような表現を参考にしてみてください。また、「◯◯ users were affected by this error. (本障害で影響の出たユーザーは◯◯人です)」など、その影響範囲を明示するようなフレーズも合わせて覚えておきましょう。

29. ○月△日にリリースしたモジュールに、デグレードが発生していました。

A degradation has been identified in the the module we released on △(dd) ○(mm).

予期せぬデグレードが発生して顔面蒼白!そんな時にはひとまず心を落ち着かせながら、上記のようにやり取りをしましょう。

30. ○○のサーバーにあるモジュールのバージョンをロールバックします。

We will rollback the version of the module on the ○○ server.

発生したエラーに対してどのようなアクションを取るのか、上のようなフレーズの他にも「We will reboot the ◯◯ server. (◯◯のサーバーを再起動します)」などの具体的なフレーズを一つでも多く身につけましょう。

まとめ:報連相は英語でも端的に!

日本語でもそうであるように、英語でもビジネスシーンでのやり取りはスムーズに行うことが理想的。

とりわけ、スピード感と情報の正確さが何よりも重要視されるITの現場では、上司や他のメンバーの反応を気にして難しいフレーズをあれこれ考えるより、ピンポイントで情報を共有するほうが好印象ということも理解しておく必要があるでしょう。

今回ご紹介したフレーズはどれもコピペで用いることのできる簡潔な表現ばかり。このフレーズ集をベースにさらなる上達を目指したいという方は、より実践的な練習の機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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