TOEICリーディングパートはリスニングパートよりもスコアが安定しないと言われています。これは事実だと思います。理由の大半は時間配分の失敗です。リスニングパートでは音声に従って問題を解いていくため、時間配分の失敗は起こりません。しかし、リーディングパートにおいては、受験者自身が時間を配分しなければなりません。そして、多くの受験者は上手く時間配分できず、時間切れという結果になってしまいます。今回は、自分の英語力以上のTOEICスコアの取り方(リーディング編)ですが、時間配分についての解説が非常に多くなっています。それだけリーディングパートでは時間配分が大切だと考えてください。
TOEICリーディングパート 理想的な時間配分(合計75分)
解答時間 | 解答順序 | |
パ-ト5 | 15分 | ① |
パ-ト6 | 5分 | ② |
パ-ト7 (SP:シングルパッセ-ジ) |
30分 | ④ |
パ-ト7 (WP:ダブルパッセ-ジ) |
25分 | ③ |
私が理想と考える時間配分です。誤差が出てしまったとしても、プラスマイナス2分程度までに抑えるべきです。この時間配分は多くの人にとって大変厳しいものだと思います。990点取得者の中でも、5分以上の時間を余らせて解答を終えることができる方はそう多くはいません。スコアが800に満たない方にとっては、この時間配分は不可能なことのように思われます。そのような時は「正答することよりも、時間配分を優先」と考えれば良いと思います。
言い換えれば、誤答してもいいので、75分間でリーディング100問解答することを目指すのです。時間配分に失敗する人は100問解ききれません。パート7では難問の中に「超」楽勝問題が散りばめられています。100問を解ききることによって、この「超」楽勝問題を落とさずにすむのです。これがスコアを安定させる最大のポイントなのです。
以下は各パート別の解き方についてです。もちろんですが、ここでも時間配分が解説の中心になります。
Part5において
(1)必死になって頑張らない。
リーディングパートにおいて、パート7「読解問題」は、テスト中に頑張れば正答率が上がります。しかし、パート5「短文穴埋め問題」は、どれだけ頑張っても正答率は上がりません。頑張ることによって時間だけがなくなってしまいます。例えば、「なぞなぞ」は問題をじっくり考えることによって答えをひらめく可能性は高まります。数学などの入試問題でも同じことが言えるでしょう。しかし、「元素記号Frは?」と聞かれた場合、知っていなければどれだけ考えても時間の無駄です(答えは「フランシウム」だそうです)。パート5とはこういうものなのです。ですので、必死になって頑張るのではなく、解ける問題だけを時間を無駄にすることなく解答していくことが大切です。
(2)一問〇〇秒という考え方はやめる。
パート5において、15分(900秒)÷40問=22.5秒/問という考え方をして、この時間を目安に解答を進めていく人がいます。残念ながら失敗します。パート5の中には一問5秒で解ける問題もあれば、30~40秒かかってしまう問題もあるのです。言うまでもありませんが、5秒で解ける問題を見逃さず、5秒で解答してしまいます。そのためにはまず選択肢を見ます。そして次に、解答に必要な箇所(下線部)だけを見ます。このテクニックは難しそうに思われますが、スコアが500程度の人であれば十分に理解し、実践できると感じていただけると思います。
(例題)
You should operate this machine as ——– as possible in order to ensure the safety of the person concerned.
(A) slow (B) slower (C) slowest (D) slowly
Part6において
空欄の前後で止まって解答せず、全文読み終えてから3問解答する。
パート6「長文穴埋め問題」では一つの長文につき3つの空欄があります。空欄のたびに止まって解答するのではなく、一つの長文を読み終えてから3つの空欄を解答することが大切です。特に最近増えてきている傾向なのですが、空欄の前後に解答根拠があるのではなく、非常に離れたところを読まなければ正答にたどり着けない問題が増えています。よって、一問一問空欄が出てくるたびに解答すると、その周辺には書かれていない解答根拠を必死になって探してしまい、いたずらに時間を浪費することになります。
Part7において
(1)DP(ダブルパッセージ)→SP(シングルパッセージ)の順序で行う。
前述のとおり、リーディングパートでスコアを安定させるための時間配分として、「パート5・15分、パート6・5分」は必須です。こうしてパート7に進みます。パート7では「SP・30分、DP・25分」が理想的な時間配分だと前述しました。しかし、この時間配分を守れるのは900点近いスコアの方だけでしょう。大切なことは、ここで諦めるのではなく、時間配分が崩れるタイミングをできるだけ遅らせることです。
パート7で時間配分が崩れてしまう最も大きな理由は、「超」難問に時間を取られてしまうためです。そして、この「超」難問は実際に解き始めて時間が奪われるまでどこに仕掛けられているかわかりません。だから、多くの方は時間配分の重要性を分かっていながらも、「超」難問の餌食になってしまうのです。ここで知っていただきたいことは、「超」難問はSPの後半部に仕掛けられていることが圧倒的に多いということです。「超」難問に引っかかり、時間配分を崩してしまうことは避けられないことかもしれません。しかし、その被害を最小限に抑えるためにもSPはWPの後に解くべきです。
(2)ベタ読みする(本文を全部よむ)。
「はじめに選択肢を読み、本文全体を読まず、設問に関係する箇所を見つけてそこだけ集中して読むと時間の節約になります」。非常に効率的な読み方だと思います。英検の二級レベルまではこの解き方は有効だと思います。しかし、TOEICではこの読み方では解けない(または、誤答に導かれる)問題が多く出題されます。そして、ベタ読みをしていないために、本文と選択肢を見比べて行ったり来たりしなければならない状況に追い込まれることも多々あります。思い当たる方も多いのではないでしょうか。
確かに、ベタ読みしなくても解ける問題も多くあります。しかし、それは解き終えてからわかることであって、読む前にどの問題がベタ読みする必要がないかを知ることはできません。だからこそ全ての問題をベタ読みしていく必要があるのです。
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