英語先進国「韓国」と英語後進国「日本」という結果を招いた3つの違い

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10年ほど前までは、日本も韓国も「英語のできない国」として世界中の人たちに知られていました。実際に、当時の韓国では国民の低い英語力は大きな問題でした。しかし、韓国はこの10年間に国民の英語力を急速に向上させたことで知られています。
TOEICテストを作成しているETSの報告書によると、2013年のTOEICの平均スコアは、「韓国632点」に対して「日本512点」と100点以上の大差をつけられています。日本でもこの10年間はあらゆる場所で英語の重要性が話題にされ、様々な改革がなされてきました。英語学習がブーム化しているとも言えるでしょう。それではなぜ、韓国と日本の英語力の差はここまで大きく開いてしまったのでしょうか?

1.英語がなければ生き残れない状況の「韓国」

韓国は貿易依存率がおよそ95%と非常に高い国です。日本やアメリカの20%台、中国の30%台と比べてみれば、この経済面における韓国の海外への依存率はかなり高いことが分かるはずです。つまり、韓国経済は海外(企業)との関係に大きく左右されているのです。韓国は1990年台後半に通貨危機に陥ります。すなわち、国家破たん同然の状態になってしまったのです。ここから、韓国政府や企業は、国民の英語力を向上させることにより、海外との関係を改善していく必要性を強く感じたと言われています。

大韓航空の「ナッツ姫」で話題になったように、韓国では少数の財閥が国内経済に大きな影響力を持っています。特に、そのような財閥企業が中心になって通貨危機直後に一斉に英語の必要性を謳い始めました。そのような動きが瞬く間に教育界にも広がって行きました。韓国の大学生における財閥企業への入社願望は非常に高いものがあります。当然、企業側も志願者には高い英語力を求めます。あるデータによれば、韓国の約8割の企業が、就職時の志願者に一定水準の英語能力を求めるということです。まさに、韓国人にとっての英語は、なければ生き残ることができないものなのです。

2.インプット能力を重視した「日本」、アウトプット能力も重視した「韓国」

韓国の英語教育はインプット能力だけではなく、アウトプット能力にも目が向けられています。日本でも最近になってアウトプット能力に目が向けられ始めましたが、例えば、TOEIC・SW(スピーキング・ライティング)テストの受験者数は日本の約2万人に対し、韓国では約30万人です。韓国でも以前は暗記型の英語教育を行っていましたが、1990年台後半の通貨危機後に教育改革が実施され、スピーキングやライティングを中心としたアウトプット能力重視の教育に移行しました。

特に私の印象に残っているのは、教科書や問題集が、日本のもののように一問一答形式ではなく、自分の意見を述べる形式などの記述形式になっているものが多いということでした。つまり、小中学校における英語の授業からアウトプット能力育成に主眼が置かれているわけなのです。この学習スタイルがそのまま高校・大学・社会人へとつながっていくのです。また、韓国では前述したTOEIC・SWテストやTOEFLの学生の受験者も非常に多いというデータがあります。

一方の日本では、市販されている高校生向けの大半の問題集が一問一答形式です。大学進学希望者の大半が受験する大学入試センター試験は全てがマーク形式で、リーディング200点・リスニング50点・スピーキング0点・ライティング0点という構成です。つまり、日本ではインプットのみの英語学習で大半のテストがクリアできる状況なのです。このような学生時代における英語学習のスタイルが国民の英語力に大きく影響していることは間違いありません。

3.受験競争が過熱する「韓国」社会

韓国の教育は6・3・3制システムで、高校進学率も99%以上と日本とほとんど同じです。しかし、韓国は日本とは比べることができないほどの極端な学歴社会で、その過熱ぶりには驚かされます。最終的な目標となる大学受験を目指して小学生の頃から自由時間を犠牲にして、夜遅くまで塾に通うのは当然とされています。

また、韓国の保護者が子供にかける教育費はOECD加盟国の中でトップだそうです。何よりも受験競争を優先する意識は国民に浸透しており、入試会場に遅刻しそうな生徒は警察が白バイで送ってくれます。離島に住む生徒には陸軍がヘリを使って送迎してくれることもあります。

このような過熱しすぎる受験競争には否定的な声もあります。韓国政府が独自に行った調査では、韓国人児童・生徒の生活満足度は世界でもかなり低いレベルにあるそうです。
しかし、なりふり構わず受験競争に向かう韓国人の学習姿勢が、このわずか10年間で国民の英語力を急速に押し上げたことに関係していることは間違いないでしょう。そして、英語力向上を目指す日本人たちが学ぶべきものも、この受験競争が加熱する「韓国」社会の中にあるはずです。

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