アメリカのバレンタイン、1番のマーケット

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バレンタインデーは完全に商業ベースにのせられているとの不満を、多くの人が口にしています。「お祝い」としてではなく、チョコレートやプレゼントを買わせるための、お店の戦略にすぎないというのです。確かに、バレンタインの「愛」をもっとも受け取っているのは、小売業者かもしれません。
多くの人はそう感じていながらも、なおバレンタインデーがもたらしてくれる、愛や感謝に満ちたロマンチックな雰囲気を楽しんでいます。それに、もしラッキーなら、豪華なディナーやデートがついてくるかもしれません。

日本では、バレンタインは女性が男性にチョコレートを贈る機会となっています。そしてアメリカにはない男性からの「お返し」の日であるホワイトデーも控えています(ホワイトデーはさらに商業的ですよね)。バレンタインデーや日本独特のホワイトデーは、プレゼントを交換する日本の習慣に上手くなじんだのかもしれません。プレゼントを送る。1カ月後にプレゼントがもらえる。プレゼントを送ったりもらったりする「バランス」は、2人の間の関係を維持する上で重要な役割を果たしているのです。

実は、韓国や台湾にもホワイトデーがあるのです。日本からの影響でしょうか。韓国には4月14日に「ブラックデー」なるものがあるようで、これはバレンタインデーにも、ホワイトデーにもプレゼントをもらえなかった人の日だそうです。ユニークですよね。次につくられるのは、例えば失恋の日「パープルデイ」でしょうか!?

愛を示す特別な日

英語の面で言えば、バレンタインはそこで使われるフレーズよりも、習慣そのものとして浸透しています。 “Happy Valentine’s Day.”というフレーズはあるにはあるのですが、あまり使われていません。もし、バレンタインの日にお祝いしたい特別な人がいる場合は、その人があなたの「バレンタイン」というように表現されます。大抵の場合恋人ですが、子供や親という場合もあります。

バレンタインはつまり、愛情を示す日なのです。花を贈ったり、ギフトを贈ったりすることもあります。言葉だけを切り取ってみて見ると、書き言葉に特徴があります。ロマンチックな祝日を過ごす人々は、ラブレターや詩を、愛する人に贈るからです。

バレンタインは子供が主役

アメリカでもこの日は恋人達の日という認識はあるのですが、商業ベースでいえば1番のマーケットは子供達です。小学生から高校生まで、この日は特別な日です。愛や感謝—そしてキャンディー—を家族や友人、クラスメイト、先生に贈る日だからです。

私が子供の頃も同じでした。大人になった今より、子供のときのほうがバレンタインは大きな意味がありました。子供は親に感謝の気持ちを示すために、手作りのギフトを贈ります。そして親は何らかのお返しをしてくれるのです。私の両親は2人の姉と私に、カードとチョコレートをくれたものです。バレンタインに両親がプレゼントをくれたのは、もう随分前のことになりますが、この習慣は今でも変わりません。バレンタインといえば、手作りのギフト、手書きのカード、甘いお菓子、というイメージなのです。

小学校では毎年、クラスの全員に小さなカードを書き、バレンタインデーに交換をします。皆にカードを贈り、皆からもらえるわけです。最近では、お菓子の交換を禁止している学校も多いのですが、まだそれが許されている学校では、私の子供の頃のようにキャンディーの交換も行われているようです。クラス全員に手作りのブラウニーやクッキー、デザートをもっていくのです。

子供が交換するカードには、次のような言葉が印刷されています。

Be my valentine.
私のバレンタインになってね。

Won’t you be my valentine?
私のバレンタインになってくれませんか。

Roses are red, violets are blue, sugar is sweet, and so are you!
バラは赤い、すみれは青い、お砂糖は甘い、あなたも同じように素敵!

もし好きな人がいれば、ちょっと勇気を出すチャンスにはなるかもしれませんが、多くの子供達にとって、この日は友情をクラスメイトと確かめるための日なのです。

子供は、バレンタインの日に先生に手書きのカードや手作りのプレゼントを贈ります。チョコレートを贈る場合もあります。親にとっても先生の毎日の頑張りに感謝する良い機会なのです。もしお子さんが英会話を習っているのであれば、先生にかわいい手作りカードにやさしいメッセージをつけて贈れば、ちょっとしたうれしいサプライズになることでしょう。

byカリン・シールズ

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