みんながよく使う「How are you?」に加えたいちょっとした工夫

日本ではおなじみの「How are you?」は少し古い表現で、現在はあまり使われない表現のように言われることもあります。しかし、実際にはそういうことはありません。ただ、ネイティブは「How are you?」にちょっとした工夫を加えて用いることが多いのです。今回は「How are you?」を少しアレンジした、ネイティブがよく使う表現を紹介します。

「How are you?」の持つイメージ

まず「How are you?」というフレーズについてですが、やはり少し古いイメージを帯びた表現であることは否めません。それゆえ、程度の差こそありますが、相手との距離を作り出してしまいがちです。このため、友人同士などの日常会話レベルではあまり用いられなくなり、それらがさらに古いというイメージを作り出しているのかもしれません。しかし、「How are you?」と挨拶しても理解されないということはどこの国であってもありえません。

国や地域において違いもありますが、日本で「How are you?」が用いられるような状況では、「What’s up?」や「How is it going?」などが用いられることが圧倒的に多いと言えます。また、「How are you?」はネイティブにしてみれば、「社交辞令として言っただけ」というイメージを与えてしまいがちです。ここでは、その「How are you?」に加えてみたい工夫をいくつか紹介します。

「How are you?」へ加えてみたい初歩的な工夫

まず、「How are you doing?」と「doing」を加えるだけで相手へ与える印象はガラリと変わります。

次に、「How are you doing?」の前に、ちょっとした呼びかけを加えてみましょう。「Hi」「Hello」なんでも構いません。オフィスや学校などで日常的に顔を合わす人には「Hi」「Hello」にプラスして相手の名前を加えてみるのもよいでしょう。「Hi,〇〇(相手の名前), how are you doing?」とするのです。たったこれだけで相手は顔を上げてこちらを見てくれ、その後の会話もより弾むことでしょう。

一日に何度も顔を合わせる人への工夫

日本語でも、ちょっと前に顔を合わせた人に「こんにちは」と挨拶をして、また顔を合わせた時にもう一度「こんにちは」と挨拶すべきか迷うときがあります。日本語の「こんにちは」と同じように、「How are you doing?」も一日何回用いてもおかしくはありません。しかし、同じ人に何度も「こんにちは」と挨拶することをためらってしまうように、「How are you doing?」と何度も挨拶することをためらってしまうのなら、「How’s your day going?」としてアレンジしてみましょう。こうすることで、さっきは「How are you doing?」と聞いて〇〇と言っていたけど、「それからも変わりない？」というニュアンスを出すことができます。

また、「How’s your day going?」は「今日、一日どうだった？」というニュアンスも含むため、学校での午後のレッスン後やオフィスでの終業時間前に用いられることが多いと言えます。

久しぶりに会う人へのアレンジ

「How are you doing?」は日常的に用いられる表現だと説明してきました。しかし、感覚的にですが、半年以上会っていない人に使うと少し「・・・？」となります。私も数年ぶりに合うネイティブに「How are you doing?」と聞かれれば、「あれ、いつか会ったかな・・・？」となります。しばらく会っていない人には「How are you ?」のいわゆる現在完了形である「How have you been?」を用いるとよいでしょう。逆に、これは初対面の人や日常的に顔を合わしている人に用いてはいけません。初めて会う人にこの表現を使うと、その人は「いつ、どこで会ったのだろう・・・？」となってしまいます。

挨拶のアレンジより大切なこと

今回は「How are you?」の持つイメージとその工夫の仕方について述べてきました。しかし、一番大切なことはこちらから積極的に話しかけるということです。とくにネイティブの人は、「日本人は黙々と勉強や仕事をするのが好き」「一人で行動しがち」などといったイメージを持っています。このようなイメージから「そっとしてあげよう」という気持ちになるネイティブも多いようです。だからこそ、日本人側から積極的に声をかける意識が大切なのです。