現役高校教師が教える英語力が伸びる人・伸びない人の共通点(リーディング編)

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私はこれまで20年以上にわたり、高校生から社会人まで幅広い年齢層の人たちに英語を教えてきました。その中で、短期間で飛躍的に英語力を伸ばす人がいる一方で、同じように努力しているにもかかわらず、なかなか英語力が伸びない人もいることは事実です。

今回は英語力が伸びる人と伸びない人の共通点をリーディングに絞って紹介します。

伸びる人:単語をカタマリで覚える
伸びない人:単語を一語ずつ覚える

始めた頃は一語ずつでもOK

みなさんが中学校で英語を学び始めたとき、英単語帳を作った経験がある方も多いと思います。あるいはノートの左側に英単語を、その右側に英単語の意味を書くよう習った人もいるかもしれません。

一つの英語につき、一つの日本語訳を覚えていく学習法を否定するわけではありません。ましてや、英語学習初期の段階では非常に大切な学習法です。初歩の段階では英単語力と英語力の相関関係は非常に強いからです

初級者が学習する英文は、独立した短文の場合が多いため、単語の意味さえわかれば学習内容が理解できます。

例えば、Where is my stapler? という文章であれば、下線部「stapler=ホッチキス」という単語の理解が大切であり、試験問題などにおいても語彙を試す問題が大半です。

しかし、高校や大学で学ぶ英語は一文一文の理解よりも大量の文章を読んで文章全体の理解が求められるのです。そこで必要になるのが”カタマリで読む能力”です。

高度な英文に求められる”カタマリ”で読む能力

文章全体を理解し、内容に関する問題を解答する上で必要とされるのが「速読力」です。問題文を速く読み終え、解答に時間をかける方が得策であることは言うまでもありません。そして、速読するためには、一語ずつ英語にしていくよりも、数語のカタマリ単位で英語にしていくことが大切なのです。

例えば、accessという単語があります。「利用、接近」などという意味です。accessという語は、頻繁に使用される形であるhave access to ~「~を利用できる」というカタマリで覚えておくことにより、have「ある」、access「利用」、to「~を」と一語ずつ解釈するよりも断然処理能力が速くなるのです。

このようにして、「単語をカタマリで覚える」ことがリーディング力向上には欠かせないのです。

伸びる人:精読中心の学習
伸びない人:多読中心の学習

Young girl reading an open old book. Knowledge,

まず、日本語でも英語でも多読はとても大切なことです。多読は英語学習者に様々なものをもたらしてくれます。英語のリズムが身につきますし、英語を英語で理解する能力が高まり自然と速読力も上がります。また、ボキャブラリーの増強にもつながります。

しかし、私が知っている限り、社会人の方にとっては多読の時間がない方がほとんどではないでしょうか。具体的な数値で表すことは難しいですが、多読でリーディング力を向上させるには、少なくとも毎日1時間のリーディングを3カ月程度は続けることが必要ではないでしょうか。

また、学習初期段階の方が多読をすると、ただ単に読み流してしまう傾向にあります。以前からお伝えしているように、「読み流し、聞き流し」では絶対に英語力の向上は見込まれません

このような観点からも、英語学習におけるリーディングは精読中心に行うべきです。内容を「感覚」ではなく「理屈(文法)」で理解していくのです。このようにした精読する意識がリーディング力向上を促し、精読と多読を両立できる能力につながるのです。

伸びる人:音読をしている
伸びない人:黙読をしている

ここでは少し極端な表現になってしまいましたが、全てのリーディング学習を音読で行うという意味ではありません。日々の英語学習の中に10分程度でも音読を取り入れるべきだということです。

音読学習の効用については、一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。しかし、その一方で、実際に行動に移されている方は少数だと思われます。音読学習が取り入れられない理由はその効果が顕在化するまでに時間がかかってしまう点にあると思います。しかし、実際に実感するまでに時間がかかってしまいますが、目に見えない(実感できない)部分で英語力の向上に大きく関わっています。

音読学習の最大の恩恵は、英語の語順で読む習慣が身につくことです。例えば以下のような英文です。

I bought a book which was written by Mr. Murakami.
「私は買った。本を。書かれた。村上氏に。」

英語の語順通りに処理する能力を高めるには、英語のリズムを意識しながら読むことが大切。繰り返すことで、英語を英語で理解し、速度で読むことが可能になるのです。

まとめ

以上、リーディングが伸びる人・伸びない人の共通点をご紹介しました。「なかなかリーディング力が伸びない」や「TOEICの長文問題が苦手」という方は、ぜひ伸びる人の習慣を学習の中で意識してみてください。みなさんが少しでも早く伸びを実感でき、英語を読む楽しさを感じられるよう願っています!

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