英語にも敬語は必要?仮定法を使って失礼のない英語を目指そう

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英語学習者につきまとう永遠の悩み、それが文法です。英語を話せるようになりたいと思っても、ぶ厚い文法の参考書を思い出すと気後れしてしまう……という方も多いと思います。

文法をまったく勉強しないわけにはいきませんが、そればかりに時間を取られるのは考え物です。

そこで今回は、英語をつかってコミュニケーションができるようになるためには、最低限どれくらいの文法が必要なのでしょうか? 東京外語大・リンガハウス研究所に勤める外国人英語教師たちの意見を参考に、日常会話に必要な文法力について考えます。

1.基本は中学英語の文法

「話す」ためには、中学レベルの文法で問題ありません。中学英語は英語の「土台」のようなもので、それだけでも十分に話せるのです。

ただし、英語を話せるようになるためには、中学英語が「わかる」だけでは難しいといわれています。

「日本の大学生に英語を教えていて感じるのは、文法の知識があっても、それを使ってはなすことができないということです」

ロシア出身の教師仲間がこう話していました。

「多くの人は、英語の基礎がわかっています。かんたんな英語なら、90%くらいは理解できています。でも、同じことを自分の口からいうことはできません。アウトプットができないんです」

文法がわかることと使えることはイコールではありません。使えるようになるには、そのための訓練が必要です。

私がおススメする勉強法は、「瞬間英作文」と「フレーズ丸暗記」です。

「瞬間英作文」は、かんたんな日本語を、見た瞬間に英語にするトレーニングです。かならず紙には書かず、口で言います。

私は毎日コーヒーを飲んでいる。

これを5秒以内に英語でいえますか?

I drink coffee every day.

英文そのものは、中学一年生レベルに見えるかもしれません。でも、これが瞬時にでてくるでしょうか?

「コーヒーを飲む」はdrink a coffeeなのか、drink the coffeeなのか、drink coffeeなのか? 「飲んでいる」はdrinkなのかdrinkingなのか?

少しでも悩むようなら、このトレーニングが必要です。英会話とは、かんたんな日本語を瞬時に翻訳することのくりかえしです。このトレーニングによって、いいたいことを英語でいえる能力が身につきます。中学レベルの教科書をつかえば、手軽にトライすることができます。

「フレーズ丸暗記」は、少し長めのフレーズをすべて暗記する勉強法です。こちらも、中学レベルの参考書を使います。かならず「口からすぐに出てくるまで」覚え込みます。

関係代名詞のような複雑なものは、あれこれ考えるより覚えてしまった方がかんたんです。

This is a house which I lived when I was a child.
(これは私が子供時代に住んだ家だ)

He is a teacher who taught me.
(彼は私を教えた先生だ)

文を丸暗記して使えるようなってから、あらためて参考書を見てみましょう。使えなかったころよりかんたんになっているはずです。フレーズ丸暗記は、文法への苦手意識をなくしてくれるのです。

2.意外に大事な仮定法

中学英語で習わないもののなかで、実はよく使われているのが仮定法です。なぜかといえば、仮定法は「敬語」だからです。

仮定法というと、「もし鳥だったら~」のような文をイメージする方も多いでしょう。

If I were a bird, I would fly to you.
(もし私が鳥だったら、あなたのところに飛んでいくのに)

このように、絶対にありえないことについて言うときに仮定法を使うと習います。ですが、実際にこのような文をいうことはほとんどありません。仮定法にはもっと大事な仕事があります。それが敬語としての使い方です。

a. Lend me a pen!
(ペンを貸せ!)

b. Please lend me a pen.
(ペンを貸しなさい)

c. Can you lend me a pen?
(ペンを貸してくれる?)

d. Could you lend me a pen?
(ペンを貸していただけませんか?)

e. If you didn’t use it, could you lend me a pen?
(もし使わないのなら、ペンを貸していただけませんか?)

f. I would appreciate it if you could lend me a pen.
(ペンを貸して下されば幸いです)

これらのフレーズは、上にいくほど失礼で、下にいくほど礼儀正しい表現なのですが、礼儀正しいd~fは仮定法を使っているのがわかりますでしょうか。「このことはまだ現実になっていません。あなたが決めて下さって大丈夫ですよ」というニュアンスにしたい場合は、このように仮定法を使ってみましょう。

インドネシア出身の英語講師は、日本人の英語はどうも失礼に感じるときがあるといっています。

「Please open the door.(ドアを開けなさい)と言われたりすると、ちょっとイラっと来ることもあります。なぜ命令口調なのですか?と感じるのです。日本語はとても敬語に厳しく、日本語で話す時は誰もがとてもていねいに話します。なのに、英語のていねいさにはなぜあそこまで無頓着なのかな、私が外国人だからかなと思ってしまうのです」

答えは単純で、仮定法が敬語になると知らないからです。「英語ではなんでも直接的に言えばOK」と習ってきた私たちですが、実は英語にも敬語はあるのです。

学校英語ではあまり仮定法を教えてくれませんが、仮定法なしで英語を話すのは、いつもタメ口で話しているのと同じこと。フォーマルな場面では、相手に悪い印象を与えてしまうので、仮定法を知らないという人は勉強しておくと必ず役に立ちますよ。

3.無視していい文法

英語の中には、こだわらずに無視した方がいい文法もあります。

3.1 三単現のS

「三単現のS」にこだわっている英語ネイティブには会ったことがありません。ネイティブと話していると、彼らもしょっちゅうつけ忘れています。

「三単現のS」とは、「名詞が三人称で単数・時制が現在のとき、動詞にSをつける」というルールです。

The support for English learners have worked.
(その英語を勉強している人へのサポートは上手く行っている)

この文はどこが間違っているかわかりますか? 文の主語はthe supportなので、haveではなくhasにしなければいけないんです。

でもこんなことをいちいち気にしていたら、英語をはなすのが苦痛になってしまいます。私は、話すのをためらうくらいなら堂々と間違えた方がいいと考えて、ほとんど気にしていません。それでコミュニケーションに問題が起きたこともありません。周りのノンネイティブもそうしています。

多くの英語ネイティブが、このSはあってもなくても大丈夫だといっています。英会話のときは、あまり気にしなくても問題ありません。

3.2 aとtheのちがい

aとtheの違いはとてもむずかしいですが、話すときには気にする必要はありません。コミュニケーションの中では問題になりにくいからです。

aやtheは、名詞が数えられるかどうかによって使い方が決まります。英語では、数えられる名詞と数えられない名詞が決まっています。そして、数えられる方の名詞は、aかtheといっしょでなければ使えません。

ですが、なにが数えられて(aとtheが必要)、何が数えられない(aもtheも不要なときがある)のかは、結構いいかげんに決められたものです。

「culture(文化)は数えられる、experience(経験)も数えられる。でも、information(情報)は数えられない。どうして? an informationと言われたら理解できない?」

教師仲間のイギリス人と話したときに聞いてみると

「特に理由はないと思う。an informationといわれても、ん?とは思うけど、普通にわかるよ」

と答えてくれました。

多くのネイティブは、こういう間違いに慣れています。だから、相手のいいたいことを推測して、自分の頭の中で訂正してくれるのです。コミュニケーションの中では大きな問題にはなりません。相手が英語ノンネイティブならなおさらで、自分が間違えたかどうか、相手はわかりません。aとtheの使い分けは気にしなくてOKです。

4.まとめ

コミュニケーションに最低限必要なのは「中学英語+仮定法」です。これが自分の口ですぐにいえるようになれば、すぐにでもコミュニケーションをすることができます。

会話では、細かいミスは気にしなくてもまったく問題ありません。ネイティブはおかしな英語なんて聞きなれています。ノンネイティブは相手の英語が間違っていてもわかりません。おそれることなく、積極的に世界とコミュニケーションしましょう!

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