「一石二鳥」や「日常茶飯事」など、私達が普段生活をする中で、無意識のうちに口にしていることわざがいくつかありますよね。しかしそういった日本語のことわざは、英語だとどう表現するのでしょうか。今回は教養としての英語のことわざではなく、会話の中で使い勝手のよいことわざの英語表現をご紹介したいと思います。
日常で使えることわざBEST20
「知らぬが仏」や「笑う角には福来たる」など一度は口にした事があることわざ。しかし英語に置き換えると何と言えばいいのかわからないという方も多いと思います。今回はよく使われる日本のことわざ20個とその英語表現も合わせてご紹介したいと思います。
BEST1:ちりも積もれば山となる
ことわざの意味:ごく僅かなものでも、数多く積み重なれば高大なものになるということのたとえ。小事をおろそかにするなという戒めの意味を込めても使う。
Many drops make a shower.
(沢山の水滴が集まればシャワーになる)
解説:「塵も積もれば山となる」に当たる英語のことわざはいくつかあります。ご紹介したのは「ちり」の代わりに「水滴」、「山」の代わりに「シャワー」となっていて、ことわざの構造もよく似ていますね。他に「Many a little makes a mickle.(小さいもの(=a little)が沢山(=Many)集まれば、大量(=mickle)になる)」などもありますよ。
BEST2: 棚からぼた餅
ことわざの意味: 思いも掛けない幸運。労せずに幸運を得ることの喩え。
Pennies from heaven
(天国から降ってきたペニー硬貨)
解説: Pennyとは1セント硬貨の事で、penniesは少額のお金のこと。天からちょっとした幸せが降ってきたという意味です。他にも「棚ぼた」とも訳される「windfall」という言葉があり、これは「風が吹いて木から落ちてきた果実」のこと。思いがけない収入や幸運を指す言葉です。
BEST3:一石二鳥
ことわざの意味:石を一つ投げて二羽の鳥を得ること。一つの行為で二つの利益を得ることをいう。
Killing two birds with one stone.
(一つの石で2羽の鳥を殺す)
解説: 「一石二鳥」は英語でも全く同じだと驚かれるかもしれませんね。実はこの一石二鳥は元々イギリスで17世紀から使われていたことわざを日本語に訳したもの。四字熟語なので漢文から来た言葉だと思われがちですが、実はイギリス発祥なのです。
BEST4: 二度あることは三度ある
ことわざの意味:物事は繰り返し起こる傾向があるので失敗を重ねないようにという戒め。
What happens twice will happen three times.
(二度あることは三度ある)
解説:構造としては「What happens twice」が「二度あること」、「will happen three times」が「三度目も起こるだろう」となっています。似た表現でブラジル人作家の有名なフレーズ、「Everything that happens twice will surely happen a third time(二度あることはすべて三度目もある)」というものもあります。
BEST5: 日常茶飯事
ことわざの意味:毎日の食事の意から、日々のありふれたこと。いつものことで特に取り上げるまでもないこと。
Nothing out of the ordinary.
(並外れているものは何もない)
解説:「out of 〜」は「〜から抜け出た」という意味で、「Ordinary(普通なこと)」から抜け出たものは「Nothing(何もない)」、つまり「いつも通りだ」という意味です。ちなみにネット上でこの表現は「NOOTO」と略されたりします。
BEST6: 猫の手も借りたい
ことわざの意味:非常に忙しく、ネズミを捕る以外や役に立たない猫の手すら借りたいという意味から、働き手が不足している様子の喩え。
I’ll take all the help I can get.
(得られる助けは全て受ける)
解説:これと似た表現で「I need every little help I can get.(得られる少しの助けも全て必要だ)」などもあります。また「I could use a hand.」という表現もよく使われますが、これは仮定法で「もし手助け(a hand)があるならそれを使えるのだが」というのが直訳です。
BEST7: 早起きは三文の徳
ことわざの意味: 早起きは健康に良い。また、早起きするとその分、何か良いことがあるものだということ。
The early bird catches the worm.
(早起きの鳥は虫を捕まえる)
解説:この表現は「早起き」をすれば良いことがあるというだけでなく、「行動を誰よりも早く起こすと良いことがある」という意味としても使われます。つまり、「the worm」が「その(唯一の)虫」であることから、「競争相手の少ない段階から行動を起こす人こそ、唯一の勝利をおさめることができる」という意味にも捉えられるわけです。もちろん「早起き」という意味でも現代では使われており、早起きが得意な人に対して「You are an early bird!(あなた早起きだね!)」と褒めたりする事もありますよ。
BEST8: 笑う門には福来たる
ことわざの意味:いつも笑い声が満ち、和気藹々(あいあい)とした家には、自然と幸福が巡ってくるものであるということ。
Fortune comes in at the merry gate.
(幸運は陽気な門にやってくる)
解説: 「Fortune comes in by a merry gate.」とも言います。この表現は「笑う門には福来たる」の英訳です。「Merry」は「陽気な」「愉快な」という意味で、「Merry Christmas!(メリークリスマス!)」の表現でも使われますよね。
BEST9: 残り物には福がある
ことわざの意味: 人が取り残して最後に残った物には、思わぬ利得がある。人に先を譲れば、却(かえ)って、自分に福徳があるものであるということ。
Sometimes the lees are better than the wine.
(ワインよりもワインかすのほうがよいこともある)
解説: イタリアの古いことわざ。ワインの底に沈殿する「ワインかす(澱)」を「the lees」といいます。他にもよくスピーチなどで使われる「Last but not least.(最後だけれど重要なこと)」なども「残り物には福がある」と訳されたりしますよ。
BEST10: 出る杭は打たれる
ことわざの意味: 頭角を現す者は、兎角(とかく)他人から憎まれ、妨げられるものである。また、出過ぎた振る舞いをする者は、人から責められ制裁を受けるという意味でも使われる。
The nail that sticks out will be hammered down.
(突き出た釘はハンマーで打たれる)
解説: このことわざは非常に日本語的な発想のものの為、それに相当する英語のことわざはありません。ご紹介したのは日本語の「出る杭は打たれる」を英語に訳したもの。「Nail」はここでは「爪」ではなく「釘」の意味。「Stick out」は「突き出た」、「hammer down」は「ハンマーで釘などを打ち付ける」という意味です。
BEST11: 知らぬが仏
ことわざの意味: 知れば腹も立ち、苦悩や面倒も起こるが、知らないから腹も立たず、仏のように済ました顔でいられる。転じて、当人だけが知らないで平気でいることを嘲っていう。
Ignorance is bliss.
(無知は至福)
解説:「聞かなくてもいいことを知らないままにしておけばトラブルにも巻き込まれない」という英語のことわざ。「ignorance」は「無知」「無学」という意味。「bliss」は「無上の喜び」という意味です。
BEST12: 親の光は七光り
ことわざの意味: 親の社会的地位や名声が子の出世に大いに役立つこと。親の名声の恩恵を大いに受けること。
One’s parent’s coattails
(親の上着の後ろ裾)
解説:「coattails」は「上着の後ろ裾」のこと。「She rides on her parent’s coattails.(彼女は親の七光りだ)」のように用いられます。この時の上着は燕尾服のように背の裾が二つに分かれている部分を指すので「coattails」と複数形になっていますよ。
BEST13: 九死に一生を得る
ことわざの意味: 殆ど死ぬかと思われたような危険な状態を脱して、辛うじて命が助かる。奇跡的に生き伸びる。
Have a narrow escape
(かろうじて逃げる)
解説:「narrow」は「かろうじて」の意味。似た表現で「have a hairbreadth escape」という表現もあります。「hairbreadth」とは「髪の毛一本程の幅」という意味で、それほど間一髪で逃げ出したということになります。
BEST14: 渡る世間に鬼はない
ことわざの意味: この世の中には、無慈悲な者ばかりではなく、人情に厚い人がどこにも必ずいるということ。
There is kindness to be found everywhere.
(親切はいたるところにある)
解説:「to be found(見つけられる)」ような「kindness(親切)」は「everywhere(どこにでもある)」だということですね。「All people aren’t evil.(全ての人が邪悪なわけではない)」という表現もありますよ。
BEST15: 百聞は一見に如かず
ことわざの意味: 100回聞くより、1回見る方が良く分かる。何度繰り返し聞いても、一度実際に見ることに及ばない。
A picture is worth a thousand words.
(一枚の絵は千もの言葉に匹敵する)
解説:「a picture」とは「一枚の絵」のこと。一枚の写真は「a thousand words(千もの言葉)」に「be worth(値する)」という意味から、「百聞は一見に如かず」という訳になります。
BEST16: 明日は明日の風が吹く
ことわざの意味: 明日が来れば今日とは違う風が吹くものだから、くよくよ考えても取り越し苦労になる。物事はなるようになるのだという開き直りや、不遇の身を慰める意で使う。
Tomorrow is another day.
(明日はまた別の日)
解説:これは有名な表現ですね。「Gone with the wind(風と共に去りぬ)」という映画で主人公のスカーレットが絶望の淵で放ったラストシーンの言葉「After all, tomorrow is another day.(結局明日はまた別の日なのよ。)」から来た格言です。座右の銘にされている方も多いのでは。
BEST17: 負けるが勝ち
ことわざの意味: 場合によっては争わないで相手に価値を譲ったほうが自分にとって有利な結果になり、自分の勝ちにつながるということ。
Sometimes you have to lose to win.
(時には勝つために負けなければならない)
解説:いつも負けてばかりいるとそれも困り物。「Sometimes(ときには)」をつけて表現しています。単に「To lose is to win(負けることは勝つこと)」と表現することもあります。
BEST18: 花より団子
ことわざの意味: 風流よりも実益、外観よりも実質を重んじることのたとえ。また、風流を解さない人を批判する時の言葉。
Bread is better than the songs of birds.
(鳥のさえずりよりパンのほうがよい)
解説: かなり花より団子に近いイメージですよね。鳥のさえずりが花、パンが団子に対比しています。「better than〜」は「〜より良い」という意味。
BEST19: 思い立ったが吉日
ことわざの意味: 何か物事を始めようと思ったら、日を選ばずにただちに着手するのが良いという教え。
There is no time like the present.
(今のような時はない)
解説: 直訳すると「今(the present)のような時はない」となりますが、つまりは「今が最高の時」ということになります。「今でしょ!」ということですね。
BEST20: 一期一会
ことわざの意味: 一生に一度だけの機会。生涯に一回しかないと考えてそのことに専念する意。
Once-in-a-lifetime chance
(一生に一度だけの機会)
解説: 「Once-in-a-lifetime」は「lifetime(一生)」のうちに「Once(一度かぎり)」ということ。一生に一度の出会いを大切にしたいものですよね。
まとめ
今回は日本語の会話の中に潜む使いやすいことわざを英語でご紹介しました。海外でも似たことわざがあるものから、日本の精神独特のものまで様々ですが、ぜひ英語での会話でも積極的に使って会話を盛り上げて見てくださいね。
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