ビール缶に点字!日本のユニバーサルデザインを英語で語ろう

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年齢や性別、また障害の有無にかかわらず、誰にとっても使いやすいデザインを、universal design(ユニバーサルデザイン)と呼びます。例えば、駅のホームなどにある黄色いブロックは、目が不自由な人のために置かれている、日本で生まれた工夫です。ユニークな日本のユニバーサルデザインを、英語で海外の人に紹介してあげましょう。

universalやbarrierに関連した、基本的な英単語

universal design(ユニバーサルデザイン)やbarrier free(バリアフリー)といった語は、普段なんとなく耳にしたことがあるかもしれませんが、英語でどんな意味を表しているのか、考えてみたことはあるでしょうか。基本的な意味を見直してみましょう。

universalってどんな意味?

Universal Studio(ユニバーサル・スタジオ)というテーマパークがあるように、universalという語は「全世界の」「宇宙の」という意味でよく使われます。しかし、そもそもは「普遍的な」「誰にでも当てはまる」といった意味合いを持つ語で、universal designとは、「誰にとっても共通のデザイン」ということになります。

universal designに近い意味で使われているのが、barrier free(バリアフリー)。barrierは「障害」「障壁」で、freeはここでは「~がない」ということ。つまり、「障害・障壁がなく、誰にとっても利用しやすい」ということになります。

ユニバーサル・デザインに関連した英単語

日本語で「老人」ではなく「高齢者」と呼ぶように、英語でも年を取った人のことを”old”という語を使わずに呼びます。ユニバーサルデザインに関連した英単語を整理しておきましょう。

elderly(高齢の)
the elderly(高齢者)
handicap(障害)
the handicapped(障害者)
visually impaired(視覚障害のある)
hearing impaired(聴覚障害のある)
impairedは「損なわれた」「害された」といった意味。
wheelchair(車イス)
braille(点字)
読み方は「ブレイル」。
step(段差)
handrail(手すり)
sign language(手話)
signとは「身振り・手振り」のこと。英語には英語の手話があります。
cane(つえ)
welfare(福祉)
care(介護)

街中で見るこんな工夫を英語で表現

「東京の街は、車いすの人には移動しづらい」などと言われますが、実は日本には、日本で生まれた独自のユニバーサルデザインがあります。身近なところにある工夫を見直して、英語で外国人に説明してあげましょう。

tactile paving(視覚障害者誘導用ブロック)

駅のホームや通路にある黄色いブロックは「視覚障害者誘導用ブロック」という名前で、英語でtactile pavingと言います。tactileは「触角の」、pavingは「舗装」という意味。blister(点状の)ものと、線状のdirectional(方向を示す)ものとがあります。元々日本の発明家が考案し、海外に広まったもの。現在では、アメリカ、カナダ、中国、オーストラリア、イギリスなど、世界各国で採用されつつあります。

The tactile pavings are widely installed in Japan.
(視聴覚障害者用誘導ブロックは、日本で広く設置されています。)

stair lift(階段昇降機)

駅の階段では、係員に頼んでstair lift(階段昇降機)を使わせてもらうことができます。stairは「階段」、liftは「持ち上げるもの」。海外にも、室内の階段で使用するstair liftがありますが、駅に設定されているものは、それほど多くはないようです。

Ask station staff for assistance on the stair lift.
(階段昇降機の補助をしてくれるよう、駅の係員に頼んでください)

platform screen doors(ホームドア)

多くの駅で設置されている、電車とホームの間の仕切り。駅の「ホーム」は英語でplatform、「ホームドア」はplatform screen doorsで、screenは「仕切り」「さえぎるもの」ということ。これは海外で生まれたもので、外国の地下鉄ではよく、天井までピッタリ覆う壁のようになったfull height platform screen doors(フルハイトホームドア)を見かけます。

The platform screen doors prevent accidents.
(ホームドアは事故を防ぎます)

acoustic traffic signal(音響信号機)

「青」の間は音が鳴るようになっている信号。acousticは「音響の」、traffic signalは「信号」です。青になると自動的に鳴り出すものと、信号のところにあるボタンを押すと鳴るようになっているものとがあります。海外にも存在しますが、あまり一般的ではないようです。ちなみに、信号の「青」は英語ではgreen。

If you push the button, the music starts when the signal turns green.
(ボタンを押すと、信号が青に変わると音楽が始まります)

multipurpose toilet(多目的トイレ)

multipurposeは「多目的の」。「トイレ」は口語でbathroomと言うので、multipurpose bathroomと言ってもいいでしょう。部屋の中にdiaper changing table(オムツ替えのテーブル)、multipurpose bed(多目的ベッド)、ostomate sink(人工肛門・人工膀胱を使用している人のための洗面台)などが備わっています。海外ではあまり見かけることがありません。

多目的ではない普通のpublic bathroom(公衆トイレ)でも、便器の横にbaby chair(ベビーチェア)があることに、外国人はビックリするようです。

If you have small children, you should find multipurpose toilets.
(小さい子ども連れであれば、多目的トイレを見つけるといいですよ)

braille on beer cans(ビール缶の点字)

ビールなどのアルコール飲料の缶には、間違って飲んでしまわないよう、点字で「お酒」と書かれています。これは日本ならではの工夫で、外国人の間でよくBrilliant idea!(素晴らしいアイデア!)と、話題になっています。

The braille on beer cans say, “alcohol” to avoid accidentally drinking it.
(うっかり飲んでしまわないよう、ビール缶には点字で「お酒」と書かれています)

まとめ

国連が発表する「世界幸福度報告」では、フィンランド、ノルウェー、デンマークといった北欧の国が上位に並び、日本はなんと156カ国中54位。「ひょっとして暮らしにくい国?」と思われてしまいそうですが、ここにご紹介したように、日本人にとっても外国人にとっても過ごしやすい国になるよう、さまざまな工夫が行われています。ぜひ外国人に、日本のいいところを英語で教えてあげてください。

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