英語のリスニングを苦手としている方はとても多いと思います。途中までなんとか聞き取れても、何を言っているのかさっぱり聞き取れなかったり、聞き取れたとしてわからない単語が出てきた途端、その後の話が耳に入ってこなくなったり。
一晩英語を聞き流していたら翌日には全てを理解できるようになっていた!となったらいいのですが、そんなことはあるはずもなく。語学はひたすら「地道に努力」。これしかありません。
そうは言っても、正しい方法で学習しないと時間の無駄になります。今回は「一晩でリスニングが完璧になるような夢のメソッドではないけれど、ちゃんとリスニング力が伸びる方法」をお伝えします。
あくまで個人の見解ですので「確実に…」と言い切れないところもありますが、わたしはこの方法でリスニング力を強化できたので、ぜひ参考に試してみてもらえるとうれしいです。
リスニングが伸びない理由
リスニングに苦手意識があり勉強を重ねているのに、リスニングが全くできないと感じている人もいるでしょう。そのような場合は、リスニングに効果が薄い学習方法を選んでしまっているかもしれません。
どのような環境でも英語を聞いて耳を慣らすことは英語力アップに効果的ですが、例えば、聞き流しはある程度の英語力がないとほとんど内容が入ってこないため効果を感じにくい方法です。音声に集中しなくても80%程度の内容を理解できる場合は英語脳を鍛えるのに効果的ですが、そのレベルに達していない場合は脳内で音声を雑音として処理してしまうことが多いでしょう。
また、洋楽で英語を覚える方法も人気です。しかし、洋楽の歌詞にはスラングなどが多く、聞くだけでは正しい文法や語法の理解を含めたリスニング勉強としては物足りないでしょう。
さらに、音声スクリプトの黙読など、視覚のみに頼った学習方法もあまり効果が出にくいとされています。リスニング力を向上するには、耳と口をフル活用して学習する必要があるでしょう。
英語リスニングおすすめの勉強法
前提として、本当のおすすめの勉強法は、その方の学習目的によっても変わってきます。資格試験で高い点数を取りたいのか・会議で相手の話を聴き取れるようになりたいのか・英会話の相手はネイティブなのかノンネイティブなのか……それぞれ必要な力は変わってくるからです。
今回は、あらゆる学習目的を持っている方の役に立つ勉強法をご紹介します。
まずは発音!
発音練習はリスニングの基礎です。自分で英語の音声を体得することによって、はじめて聴き取れるようになります。
中学英語教材を使う
基礎的な発音が出来るようになったら、さっそくリスニングの訓練を始めましょう。基礎的な英語力に不安がある方は、まずは中学レベルの教材からトライしてみましょう。
リスニングの練習ですから、CD付きの教材を選びます。もし中学の英語の教科書をお持ちであればそれで構いません。新たに買うのであれば、『安河内哲也の7日間で「中学3年間の英語」復習講義スーパーCD付き 』などがお勧めです。
● さらっと聞き流してみよう
まずは本を開かず一単元分のスキット(例文のことです)をさらっと聞き流してみましょう。全て聴き取れなくても構いません。
● 本に戻って確認
聴き取れなかったところで何を言っていたかを確認します。
● もう一度聞いてみます
本を閉じて、もう一度聞いてみます。先ほど聴き取れなかったところが聴き取れればOKです。余裕があれば、一緒に発音もしてみると効果的です。
これが最も負担の少ない勉強法です。最初の内はこのようにして、英語を聴くのに慣れましょう。いきなりエンジン全開で勉強すると絶対に息切れしますから、無理はいけません。
単語を聴き取れるようになろう
中学レベルの教科書が聴き取れるようになったら、今度は単語を覚えていきましょう。
読めばすぐわかるような単語も、聞くとわからないということも珍しくありません。音声と単語を結びつける作業をしていきましょう。この時、発音の練習をしていると効率が非常によくなります。
具体的な学習目標がない場合は、TOEICの単語帳のうち、初心者向けのものを用意します。このレベルの語彙は非常によく使うので、覚えておいて損はありません。別の目標がある方は、適宜それにあった単語帳を用意してください。
①単語を見て、発音を想像する。(発音記号がわかるなら、実際に発音してみる)
②CDを再生して、正しい発音を聞いてみる。
③出来る限り正確に、聞こえたとおりの発音でオウム返しをする。
これが最も負担の少ない練習法です。「これじゃあ発音の練習じゃないか」と思われるかもしれません。ある意味でその通りで、発音練習とリスニング練習は表裏一体、どちらかを上げればもう一方も上がるのです。この作業を繰り返すことで、音声と単語が頭の中で結びつくようになります。ただ単語帳を読むだけでは、音声と単語の間に関係が生まれてこないので、リスニング力は向上しません。
短文を聴き取れるようになろう
単語が聴き取れるようになったら、短文を聴き取れることを目指してみましょう。英語には単語として発音するのと、文の中で実際に発音するのでは大きく音が変わってしまう場合が多くあります。
代表的なのが語末の”T”,”D”,”L”の3つの音です。これらの音は、実際に文の中で発音されると、ほとんど消えてしまいます。(正確には、舌を上の歯の付け根につけるという動作をするだけになります)
That is the ball that I bought yesterday. (あれは私が昨日買ったボールだ)
この文を見て、理解できない方は少ないと思います。ですが、これを耳から聞いてみるとどうでしょうか?
/ザティズザボーザッタイボウティエスタデイ/
無理にカタカナで書くとすれば、このような音が耳に飛び込んできます。この音の列を、”That is the ball that I bought yesterday.”という文字列と関連付けるためには、文単位の聴き取り練習が必須になるでしょう。
この聴き取り練習も、中学英語レベルの参考書から始めるのが堅実です。
①教材の例文に目を通しておく。
②CDを流して例文を聴く。
③出来るだけ聞こえてきた通りに発音してみる。
この作業を通じて、音声・文字列・意味を頭の中で連結させましょう。この地道な作業の積み重ねが、聴き取れる文の量を増やしてくれます。
中学レベルの教材では物足りなくなった方におススメなのは、TOEICのパート2です。短文を聴いて一問一答の形式で答えるこのパートは、使い勝手のいい練習用短文の宝庫です。前半の問題では、難解な表現は登場しません。話すスピードも速くはなく、適度な歯ごたえがあるというレベルです。
リスニング試験の問題集を一冊用意し、さっそく練習してみましょう。
ディクテーションする
慣れてきたら、ディクテーションに挑戦してみましょう。ディクテーションとは、聞こえてきた音声をそのまま書き取ることです。リスニング力と単語力が同時に高められる一石二鳥の勉強法です。
①音声教材を流し、任意の箇所で切ります。
②聴き取れたところまでを頭の中でリピートしつつ、紙の上に書き出します。
③もう一度音声を聞き、書いたものと比べて答え合わせをします。
ディクテーションをする際には、再生速度を変更したり、数秒だけ巻き戻したりする機能のあるものを使うと便利です。例えば、NHKのアプリである「語学プレイヤー」には、再生速度を半分にしたり、4秒だけ巻き戻したりといった機能が搭載されているのでお勧めです。
また、書き取る際には、必ずしも紙の上でやる必要はありません。PCのメモ帳やwordに書き取って、txtファイルやdocxファイルなどにして保存すると、学習結果の管理に便利です。とはいえ、手で書く方が効果を実感できるという方も多いので、ここは好みの問題と言えるでしょう。書き取るという手を動かす行為は、音声と単語がより深く結びつけられます。この作業を経て、あなたの単語力は「読まないとわからない単語力」から、「読んでも聴いてもわかる単語力」に進化するのです。
リスニング訓練とあわせて速読を
リスニング強化の補助としてあわせて行いたいのが、英語の速読訓練。
雑誌など空いた時間にさらっと読めるものなど、英語でも斜め読みできるまでになるのが目標です。
ここで注意したいのはわからない単語があっても、辞書を引いていちいち単語を調べないこと。この記事の最初の方にも書きましたが、リスニングもわからない単語にこだわらず、全体の意味を把握することが重要でしたね。速読も同じです。一語一句理解しないといけない学術書や難しい経済書を読んでいるのはありません。わからない単語は前後から意味を推測するクセをつけましょう。
単語の意味を推測するクセがつくと、わからない単語に出会っても焦ることがなくなります。また、数をこなしていくと、何度も同じ単語に出会うことも多くなり、それが結局「使える」単語力強化につながります。雑誌で使われているのは旬な単語のことも多く、ネイティブの会話やドラマなどを理解する手助けにもなるでしょう。
目的別リスニング学習法
「日常会話くらいはできるようになりたい」という目的で勉強を始めると、何を勉強したらいいかわからず泥沼にはまる危険があります。「どんな相手と」「どんなトピックについて」話したいのかを、ある程度想定した方が無難です。ではここから学習目的別に紹介します。
TOEIC受験
TOEIC受験が目的なら、迷うことなくTOEICの問題にトライしてみましょう。今のあなたなら、流れてくる英文に手も足も出ないということはないはずです。そこから先は、各パートの個別の練習をしていくだけです。
海外ドラマ
アメリカのドラマを見たいという学習目的であれば、さっそくお目当てのドラマを見てみましょう。まず日本語字幕で内容をざっくり把握し、その後に英語音声・英語字幕で鑑賞するのがよくある練習法です。ドラマの場合はスラングや句動詞がよく出てくるので、余裕があれば覚えていきましょう。
ビジネス目的
ビジネスや研究で英語を話さないといけないというのであれば、まずは自分の専門領域の用語を英語で何というか調べておくことが必要でしょう。共通の話題が多いビジネス・研究の英会話は、どんな単語が飛んでくるかわからない日常会話よりずっと簡単です。恐れる必要はありません。
今回ご紹介した勉強法は英語以外の言語でも有効です。第二外国語を学ぶ方も是非参考にしてみて下さい。
レベル別リスニング教材やサイト
では最後に初級者向け、中上級者向けでオススメの教材や素材をご紹介します。
これはごく一部の例ですので、自分に合ったものや好きなものを選びましょう。
初級者向け
初級者にオススメですが、中上級者にも使えるものも混じっています。
ディズニーアニメ
アメリカ英語。内容を知っているものが多く、ネイティブの子供向けのため、使われている単語も平易な上、発音も聞き取りやすいです。
スクリプトは次のサイトで見ることができます。他にも様々なアニメのスクリプトがあり、アニメ以外も。
https://www.imsdb.com/genre/Animation
Talk English.com
https://www.talkenglish.com/listening/listenbasic.aspx
アメリカ英語。日常会話が30秒ほどの音声で34シーン録音されており、リスニングテスト、スクリプトもあります。初級、中級、上級になるのに従って、1回の会話録音時間が徐々に増えていますが、スピードはどれもナチュラル、自然な形で話されているので、アメリカの若者の会話を学ぶのにオススメ。上級では普通にスラングが混じった「こういうのあるよね」という自然な会話が聞けるので、日常会話の聞き取りが苦手な中上級者にもオススメです。
ブリティッシュ・カウンシルのティーン向け英語
https://learnenglishteens.britishcouncil.org/skills/listening/beginner-a1-listening
イギリス英語。初級者向けの日常会話リスニング教材。前述のビジネス英語と同じ構成で、上級レベルまであります。これから高校での交換留学考えている方には学校生活がシーンとなる会話が録音されているので、役立つのではないでしょうか。
VOA
https://learningenglish.voanews.com/p/5609.html
アメリカ英語。5分ほどの動画で、通常の会話よりゆっくりめに話されています。単語の説明やスクリプトもあり、リスニング学習にはかなり有力です。
Breaking News in English
https://breakingnewsenglish.com/index.html
アメリカ英語とイギリス英語両方のリスニングをしたい人に一石二鳥!レベルは7つに分かれており、トップページの各ニュース紹介の下にレベルが明記されているので、自分のレベルに合ったものを選べます。記事を選んだらListen – North American & British English」をクリックします。スピードがなんとslowestからfastestまで5段階の録音から選べ、mediumレベルでアメリカ英語とイギリス英語が聞けます。録音は2分程度。スクリプトもあります。
中上級者向け
初級者向けのところで、中上級者まで対応しているものをかなり紹介しましたので、ここでは上記以外のもののみ掲載します。
アルク「イングリッシュ・ジャーナル」
老舗の教材です。リスニングのみならず総合的に学習でき、毎月中身が変わるので学習スピードの目安として最適です。毎月異なる著名人のインタビューもあり、内容も多岐に渡ります。
BBC Listening Project
https://www.bbc.co.uk/programmes/b01cqx3b
イギリス英語。BBC Radio とBritish Libraryのコラボで様々な人へのインタビューが会話を録音し、公開しています。スクリプトもないため、かなり上級者向け。子供の会話を録音し、アニメーション動画と合わせているかわいいものもあります。
BBC Learning English – News Report
http://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/features/news-report
イギリス英語。ニュースを30秒程度の短い動画にしてあり、スクリプトもあります。中級者向けとなっていますが、ニュースのリスニングに慣れていないと、少し難しく感じるかもしれませんが、動画自体が短く単語の説明などもあるので、繰り返し聞く訓練にはいいでしょう。
Newsy
https://www.newsy.com/
アメリカ英語。2分ほどの動画でニュースやドキュメンタリーなどが集められています。スクリプトが動画のすぐ下のあるのも、リスニングがきちんとできているかの助けとなります。
ESL Cyber Listening Lab
https://www.esl-lab.com/difficult/
アメリカ英語。日常会話が2分程度で録音されています。「初級者向け」で紹介したTalk English.comと似た感じのサイトで、同じように初級者から上級者までレベルがあります。(リンク先は上級者向け)スクリプトもあります。
オンライン英会話でリスニング力アップ
「面倒臭そう」「そんな時間ない」「『聞き流すだけ~』といった教材の法が早くて楽なんじゃないの?」なんて声が聞こえてきそうですが、「真剣にリスニング力を伸ばしたい」「半年後、一年後に今よりもっと英語がスムーズに理解できるようになっていたい」という方はぜひ騙されたと思ってしばらく試してみてください。時間が経つと、リスニング力だけではなく、単語力、会話力、英語的思考能力、リーディングのスピードなど別の付帯的な力も伸びてきているのが実感できるはずです。明日や1週間後ではなく、半年後、1年後の自分の姿を夢見て地道に努力していきましょう。
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