よく、「洋画や海外ドラマが好きなので英語学習にも取り入れたいけど、ハードルが高い」「具体的にどう活用すればいいか分からない」という声を耳にします。
確かに、私自身も初めて洋画や海外ドラマの英語に触れたときは、「何じゃこりゃ~!」とカルチャーショックを受けました。当時TOEICスコアは900前後、仕事でも英語を使う機会が多く、「英語は得意だ」と思い込んでいたので、鼻をへし折られた気分でした。
まずは心理的なハードルを下げて、気軽に始めてみよう
洋画や海外ドラマの英語が難しく感じられる理由は、主に次の2点です。
- 私たちが習ってきた「書き言葉」とネイティブの「話し言葉」は違う
- 話すスピードが速かったり、不明瞭だったりする
決して使われている語彙そのものが難解なわけではありません。イディオムや句動詞が多用されていたりスラングが使われていたりと、私たちが「フレーズになじみがない」だけ。また、教材やリスニングテストとは違い、いつも明瞭に話してくれるわけではありません。
「英語字幕」を表示してセリフを確認し、「一時停止」しながら意味を調べてみると、「この単語の組み合わせでそんな意味になるのか!」という発見の連続なのです。
「映画を一本、100%理解しなくちゃ」と思うと膨大な時間がかかるので、まずはお気に入りのセリフやシーンだけ抜き出し、きちんと文字で確認した上で、音読やシャドーイングしてみましょう。シチュエーションや感情と結びついたフレーズは忘れにくく、会話本番でもパッと使うことができます。(逆に和訳でだけ覚えているフレーズは、なかなかなじまなかったり、使いどころが分からなかったりするものです。)
自分だけのフレーズ集を作る感覚で楽しもう
初めは「日本語字幕+英語音声」や「英語字幕+日本語吹き替え音声」でストーリーを楽しみつつ、「これは!」と思ったセリフやシーンだけで構いません。英語字幕を表示し、知らない単語やイディオムの意味を調べます(アルクのオンライン辞書「英辞郎」がおすすめ)。
分からないものをそのままにしておくと、永遠に分からないままだからです。
そして、自分でも使ってみたいフレーズをExcelやEvernoteなどにメモしていくのです。その際、「同意」「反対」「前置き」「励まし」「お礼」「お礼を言われたときの返事」など、自分なりのカテゴリーを作ってストックしていく方法がおすすめ。自分だけの「オリジナルフレーズ集」の出来上がりです!
アナログ派の方は、ノートやルーズリーフに書き溜めていくのもいいでしょう。
これらのフレーズは、オンライン英会話やSNSなどでできるだけすぐに使う機会を見つけていくと、より楽しく、定着しやすくなります。また、このようなあいづち表現のストックは多ければ多いほど、会話が弾みます。
Google検索や「英借文」してみよう
私のお気に入り映画の一つに、「リトル・ダンサー」というイギリス映画があります。イギリスの田舎に住む少年が、プロのバレエダンサーを目指す物語です。この映画で、私は次のセリフに出合いました。
Just ‘cause I like ballet doesn’t mean I’m a poof, you know?
(バレエが好きだからって、ぼくはホモってわけじゃないからな?)
アルクの英辞郎で調べたところ、いくつかの例文がヒットし、
Just because A (it) doesn’t mean Bで「AだからといってBだとは限らない」という意味だと分かりました。
これは日常会話でぜひ使ってみたい!と思い、もっとたくさんの例文に触れたくて、今度は英語版のGoogleでこのフレーズを検索してみました。検索窓に半角クオテーションマーク付きで”just because * doesn’t mean”と入力します。(アスタリスク*はワイルドカード。そこに何が入ってもOK、というしるしです。)
すると、ネイティブの実際の使用例が多数ヒットします。
Just because you can doesn’t mean you should.
(「できる」からといって、「やるべき」ということではない)
Just because I flirt doesn’t mean I’m interested…;)
(私がいちゃつくからといって、興味があるとは限らないのよ(^_-)-☆)
こうしてたくさんの例文に触れるほど、フレーズの使い方がつかめてきますね!自分の心境にぴったりの文が見つかれば、そのまま「丸写し」または「英借文(フレーズはそのまま真似して、単語をカスタマイズする)」して、オリジナルフレーズ集にストックしておきましょう。
ちなみに私が思いついたフレーズ例は…
Just because I don’t text you back doesn’t mean I don’t care about you.
(携帯メールに返信しないからといって、君のことを気にかけていないわけじゃないんだよ)
忙しい男性が、さみしがり屋の彼女に言いそうなフレーズですよね(笑)
みなさんも洋画や海外ドラマで楽しく英語を勉強してみてくださいね!
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