海外留学、海外就職、海外企業とのビジネス…外国人と関わるときにネックになるのがライティングです。今日の議事録は英語で書いておいて! レポート英語で出して! こう言われたとき、すぐに書ける方は少ないはず。ですが、「ライティング学習のルール」を守れば、誰でも英語は書けるようになります!
英語ライティングができない3つの理由
英語ライティングが苦手な人は大きく3つの理由があります。では、順番に見てみましょう。
基礎がない
最初にテーマを決めて英語で書こうと決めても、十分な文法知識や語彙がないと、3行も書けずに終わってしまうことがあります。英会話では、なんとか知っている単語やフレーズを並べて、身振り手振りで伝えればコミュニケーションをとることができますが、ライティングはできません。正確で表現豊かな文章を書けるようになるために、語彙力、文法が基礎となります。
書きっぱなしで終わっている
単語や文法は隙間時間を利用して、一人で地道に勉強できます。しかしながらライティングは、書いたものをそのままにしていると、どこを間違えているのか、正しい文章の表現ができているかわかりません。また、「こんなニュアンスで書きたい」という疑問も出てくるでしょう。
日本語と英語の違いを意識していない
英語のライティングで大事なのは、日本語と英語は違う! ということを理解することだと思います。スピーキングの場合は、「通じればいいじゃん」でも問題ないことがあります。大事なのはコミュニケーションができることだからです。文法などはあまり気にしなくて大丈夫。
ただし、文章はじっくり読まれるものです。あまりにも文法がひどいと、それだけで「知性がない」と思われてしまいます。日本語と英語は文法がずいぶんかけ離れた言語です。それを考えた教材を使うべきでしょう。
・英作文なんかこわくない 日本語の発想でマスターする英文ライティング/猪野真理枝 (著) 佐野洋 (著) 馬場彰 (監修)
『英作文なんかこわくない』シリーズは、英語と日本語のどこがどう違うか? をわかりやすく解説してくれる入門書です。最初の一冊としておすすめできます。ただし、教科書だけではライティングをマスターできないのもまた事実です。最短ルートは、「書けるようになりたい文章」を徹底的に真似することだと思います。
英語ライティングを学習する4つのメリット
入学や資格試験、ビジネスライティングで必要な人など様々な理由でライティングのルールに沿って勉強すると、どんなメリットがあるのか見てみましょう。
脳への定着率があがる
どんな学習をしていても大切なのは、インプットとアウトプットの繰り返しです。インプットとアウトプットの黄金比は3:7が理想だと言われていて、これは科学的実験に基づいています。インプットをする学習が多い日本人にとって、アウトプットが少なくなりがちなので、覚えた単語や文法を書くというライティング作業をすることで、より定着率が上がるでしょう。
文法が身につく、リーディング/スピーキング力が上がる
例えば単語を100個覚えたとしても、実際に文章として使わないと、その使い方が分かりません。適切な意味の単語を使うことで、文法も理解できるようになり、さらに長文を読むこともできるようになります。また知っているだけでなく、使える単語も増えるので、スピーキング力の向上につながり、総合的な英語力が上がるでしょう。
自己表現力できるようになる
英語でのライティングは、自分の考えや感情を表現するための手段となります。ブログ、日記、ソーシャルメディアなど、個人的な意見やストーリーを世界に共有することが可能なので、世界が広がるでしょう。
グローバル展開、キャリア
英語のライティング能力があると、海外の大学やプログラムへのアクセスが容易になり、学術的な論文やレポートを書く際にとても役立ちます。グローバルビジネスの環境で働くときに、英語のライティングスキルはプロフェッショナルなコミュニケーションに不可欠です。ビジネス文書、メール、提案書など、様々な形式の文書を書くことで、キャリアの選択肢が広がるでしょう。
レベル別、英語ライティング学習方法
英語のライティングができない理由や学ぶメリットが分かったら、早速英文の学習法について具体的に見ていきましょう。
英語のライティング力を上達させる勉強法は5つです。
- (初級者)書くことを習慣化にしよう
- (初級~中級)好きな文章を書き写す、音読しよう
- (全レベル向け)書きっぱなしで終わらず、フィードバックをもらおう
- (全レベル向け)わからなかった表現は日本語で残す、単語を変えて表現の幅を広げよう
- (全レベル向け)短い英語の文章やエッセイなどを日本語にしてみよう
書くことを習慣化にしよう
日本語でも書くという習慣がない人には難しいかもしれませんが、最初に始めたいのは、日記です。夏休みの宿題で、毎日日記をつけて提出していましたよね。3行日記でもいいので、とりあえず書くということを習慣にしましょう。英語圏の子ども達も、日記の宿題を出されているところもあります。話題は何でもいいのですが、「天気」、「昨日食べたもの」、「読んだ本」、「ニュース」、「思ったこと」を書いてみましょう。また、英語を使って仕事をしている人は、ビジネスメールを書いてみるのもいいかもしれません。いろいろなシチュエーションが浮かぶので、ネタに困ることがないと思います。上級者になると、書くということに慣れているため、エッセイ、物語、レポート、日記、ブログ投稿など、様々な形式のライティングに挑戦してみましょう。
・英語手帳・英語日記で英会話力アップ!
・気分転換にも効果的!AIを活用した「書く」より「しゃべる」英語日記で英会話力アップ
好きな文章を書き写す、音読しよう
いちばんやりやすいのが「書き写し」勉強法です。自分の書けるようになりたい文章をネットで探して、とにかく書き写します。履歴書が書けるようになりたければ、「CV」で検索してみましょう。無料で使える例文集がネット上にたくさん出てきています。
教養のある英語が書きたければ、迷わず英語のニュースサイトをみましょう。BBCやThe Japan Timesのような鉄板のサイトでもいいですし、アルジャジーラ英語版のような変わり種も面白いです。
・BBC
・The Japan Times
・アルジャジーラ英語版
これ、と決めたものを、ただただ書き写す! 初心者のうちはこれだけでかなり勉強になるはずです。書き写す場合は、手書きでもPCでも大丈夫です。手書きの方がスペリングを覚えやすいという人もいますが、労力がかかるのでPCの方が続けやすいかもしれません。
大事なのは続けること!続けられる方を選びましょう。記事を丸々写すのはきついので、一段落だけ、と決めてやってみるのもいいでしょう。もう一度言いますが、大事なのは継続することです。文体が体にしみ込むまでやれば、自分の手で書く準備はOKです!
慣れてきたら、文章を暗記してみましょう。一段落だけでいいので、文章を暗記します。15分ほど経ってから、自分で書いて再現します。書き写しと自分で書く中間のようなトレーニングです。これがかなり効果的です。
このトレーニングのいいところは、先生要らずで答え合わせができるところ。最初から自分で英文を書くと、合っているかどうかわかりません。ネイティブが書いた文章を「再現」するなら、正解があります。だから、この表現あってるのかな? と不安にならないんです。
上級者へのテクニックとして、最後は読んだ記事を要約してみましょう。記事の理解度が深まります。
書きっぱなしで終わず、フィードバックをもらおう!
いきなり誰かに添削してもらうのは気が引ける人は、まずはWEB上のツールを使ってみましょう。筆者は、Grammarlyで英文の間違いを自動で探してくれるツールを利用しています。Grammarlyは、英文の間違いを自動でチェックしてくれます。
ぎゃー! という感じですね。smokeのスペルも違うし、doctorをdonterなんて書いています。ひどすぎる…。Grammarlyは、単語・文法のチェックなら無料でやってくれます。PCに入れておくだけで、ライティングのセルフチェックが一気に捗りますよ!先ほどの英文をチェックしてもらいましょう。
どうしても続けられない方の場合は、オンラインを使ってみるのも良いでしょう。文章をチェックしてもらうのはもちろん、良い書き方のアドバイスももらえます。なにより、モチベーションの維持には「人」が欠かせません。
レアジョブのオンライン英会話でも、チャットボックスに簡単な文章だと添削してもらえるので、文法や表現が正しいか書いてみましょう。この方法は、ライティングだけでなく、スピーキングにもなり、定着化につながります。
文章を見てもらえるというだけで、やる気が出ますよね。自分で書いて終わりだと、だんだん緊張感がなくなってきます。他人にみられると思うと、どうしても本気で書かなければ恥ずかしい! と思うようになります!
オンライン英会話のいちばんの強みはコーチングです。やる気が続かない時はぜひ試してみて下さい。
分からなかった表現は日本語で残す、単語を変えて表現を広げましょう
自分で一から書く練習をする場合は、どうしてもわからない表現が出てきます。その場合は、そこだけを日本語のまま残しておくのがおすすめ。
こちらは私の以前やっていた例です。
だいぶ酷い文章なのでお恥ずかしいのですが、参考までに見てみて下さい。以前TOEFLのライティング練習で書いたものです。
「医療費」「偏在する」のような英訳するのが難しい単語だったり、「何パーセントか」「無難」のようなよく使うことばだったり、不明確な表現が出てきました。
こういうものは、その都度調べるのではなく、日本語のままにしておくことをおすすめします。その場で調べても、すぐに忘れてしまうからです。数日後に見返したとき、「あ、ここがわからなかったんだ」とパッとわかる方が、成長につながります。
また英語は繰り返しを嫌う文化にあります。単語を変えてほかの単語や表現で書いてみましょう。
短い英語の文章やエッセイなどを日本語にしてみよう
好きな英語の文章を書き写すことと同じように、短い英語の文章を今後は日本語に訳してみましょう。日本語に訳する時は、文章が不自然にならないように意識しながら書いてください。主語、述語の位置、受動態/能動態、無生物主語、日本語にはないルールがあるので、なるべくシンプルにしましょう。私が学生の時、英語の先生から「Keep it simple, stupid 」=KISSと教わりました。この教えは、英語ライティングだけでなく、学習やデザインの場などあらゆるところに使えますよ。
・「ハーバード式5行エッセイ」とは?言いたいことを英語にする!
英語ライティングの構成とおすすめ参考書
ライティングのスキルを上げる勉強法は紹介しましたが、実際に書くときの構成をいくつか挙げています。
日本語で文章を書くとき、「起承転結」で書くというのを学校で学びましたが、英語で文章を書くとき、一般的には以下のようなスタイルがあるので、それに沿って英語ライティングしてみましょう。
5段落エッセイ(Five-Paragraph Essay):
二つ以上のアイテムを比較し、対比する文章で使われます。
・イントロダクション: 比較する対象とその目的を紹介します。
・ 比較: 対象間の類似点を説明
・ 対比: 対象間の違いを説明
・ コンクルージョン: 比較と対比の結果をまとめる
比較と対比構成(Compare and Contrast Structure):
二つ以上のアイテムを比較し、対比する文章で使われます。
・イントロダクション: 比較する対象とその目的を紹介します。
・ 比較: 対象間の類似点を説明
・ 対比: 対象間の違いを説明
・ コンクルージョン: 比較と対比の結果をまとめる
IMRAD(Introduction, Methods, Results, and Discussion)構成:
科学論文や研究報告でよく使われる構成は以下の流れで書きます。
・ イントロダクション: 研究の背景や目的を説明
・ メソッド(方法): 研究の手法や実験のプロセスを詳細に記述
・ リザルト(結果): 研究や実験の結果を提示
・ ディスカッション: 結果の意味を解釈し、その重要性を論じる
問題解決構成(Problem-Solution Structure):
問題に焦点を当て、その解決策を提案する文章で使われます。
・ 問題: 問題の説明とその影響を記載
・ 解決策: 問題を解決するための方法や提案を提示
・ 評価: 解決策の有効性について考察
ここまで構成について書いてきましたが、今度はおすすめの参考書を紹介します。
・ここで差がつく! 英文ライティングの技術
・決定版 竹岡広信の 英作文が面白いほど書ける本
・迷走しない!英語論文の書き方 秘密は「構造」作りにあり
最後に、「目的別、よく使う英語定型文」や「ライティングで便利な接続詞」、「伸び悩んでいる人」については、以下の記事を参考にしてください。
・目的別、よく使う英語定型文
・英作文は書き方のコツをおさえれば怖くない!書き出し方やテンプレートも紹介
・英語メールの返信テンプレートを伝授!シチュエーション別に使える例文も紹介!
・ライティングで便利な接続詞
・主な英語の接続詞49選一覧|ここをおさえておこう!種類と使い方も解説
・英検2級ライティングはコツを掴めば怖くない!合格するための対策と解答例を徹底解説
・英語の括弧は4種類ある!括弧の使い方を理解して正しく使えるようになろう・英語のライティング力で伸びに悩んでいる人
・「英語のライティング力が伸びる人と伸びない人の共通点」
この記事に書いていないヒントがありますよ。
(まとめ)英語ライティングのスキルアップ
英語を書く能力は、これからの社会で必須のスキルになるでしょう。学生だけでなくビジネスパーソンも、まとまった英語が書けなければ土俵にも上げてもらえない時代になってきているのです。
ただポイントを押さえて勉強すれば、ライティングは決してむずかしくありません。ネット上のリソースを活用すれば、短期間で必ず英語が書けるようになります。
さらに、自分の書いたライティングを実際に話して、アウトプットしてみましょう。アウトプットすると、より記憶の定着化が図れ、自分のつまずきがわかります。レアジョブ英会話の無料体験レッスンなら自分の書いたライティングを話して学べるので、ぜひレアジョブ英会話の無料体験レッスンを活用してください。
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