英語の書類に、N/Aと書かれているのを見たことがありませんか?これはNot Applicable(該当なし)またはNot Available(利用不可)の略で、日本語の「無し」に相当します。コンピュータ用語のnull(データが存在しない)も、「無し」といった意味で使われることがあります。このように、「無し」「空の」「無効」といった、ビジネスに欠かせない言葉を英語で表す方法を見ていきましょう。
英語で「無し」を表す用語を覚えよう
英語で「無し」というと、真っ先に思い浮かぶのはnoやnothingではないでしょうか。N/Aと書かれていたりすると、一瞬戸惑ってしまうかもしれませんね。英語圏でよく使われている、「無し」の言い方に親しんでおきましょう。
空欄にせずN/Aを書いておく
N/AはNot Applicable(該当なし)の略語としてよく使われます。
例えば、海外に行ったときに空港で書くimmigration card(入国カード)やcustom declaration(税関申告書)で使われます。
Surname(姓):Adachi
Middle Name(ミドルネーム):N/A
Given Name(名):Ayako
N/Aと書かないと記入を忘れているのかと思われてしまうため、該当しない箇所には念のためN/Aと書いておくと安心です。
Not Available(利用不可)という意味で使われることもあります。インターネットでアカウント登録するときに、SNSのアカウントを聞かれたりするかもしれません。SNSを利用していない(もしくは教えたくない)ときも、N/Aと書きます。
Phone number: +81-3-XXXX-XXXX
Facebook account: N/A
Questionnaire(アンケートの回答)にも、No Answer(回答無し)という意味でのN/Aが使えます。
Q: Are you satisfied with the product? A: Generally good.
(問:商品にはご満足いただけましたでしょうか? 答:おおむねよい)
Q: How often do you use our product? A: N/A
(問:弊社の商品はどのくらい頻繁にご利用になりますか? 答:回答無し)
「データや成果がない」のnull
nullはコンピュータで「値がなく空っぽ、ゼロである」というときによく使われますが、「効果がない、成果がない」または「法的に無効」という意味を表すこともあります。
例えばsales chart(売上表)などで、以下のように書いてあったとします。
April: USD10,000
May: USD12,000
June: null
このnullは、「データがない」という意味です(または、「ゼロ」のときにnullが使われる場合もあります)
「成果が出ない、空っぽだ」という意味で、会話の中でも使われます。
A: How’s your research going?(調査はうまく行っていますか?)
B: No. The result is null.(いいえ、成果なしです)
このnullは、「データが出てこない」という場合にも「いい結果が出ない」というときにも使われます。
「法的に無効である」というときにも、nullが使われます。
The term is declared null.(その条件は無効であると宣言されました)
nullifyと動詞にして、「無効にする、取り消す」と言うこともできます。
zeroやnoをうまく活用しよう
N/Aやnullは英語で仕事をするうえで覚えておいたほうがいい言葉ですが、普段の会話では、zeroやno ~(何も~ない)を使っても大丈夫です。上手に活用する方法を知っておきましょう。
zeroは「ダメ」なときにも使える
zeroはもちろん数字の「0」ですが、会話では「何もない」「全然ダメ」と言うときにも使われます。
My motivation is zero.(全然やる気が出ません)
We have zero chances to win.(勝てる見込みがまったくありません)
no ~で「何も~ない」と強調する
文の中で、notではなくnoで否定にすることができます。
We have no time to lose.(時間をムダにするわけにはいきません)
これはWe don’t have time to lose.と同じことですが、no timeとすることで、「全然時間がない」と強調することができます。
一方で、not anyで強調する場合もあります。
We don’t have any time to lose.(いかなる時間もムダにはできません)
anyを入れると、「いかなる~」「どんな~」と強める感じが出ますが、意味の上ではno ~とnot any ~でそれほど大きな違いが出るわけではありません。
「空っぽ」「無効」を具体的に示す単語
日本語でも「無し」と言うだけでなく「空っぽ」「無効」とはっきり言いたいときがあるように、英語でもnullやzero、noではなくempty(空の)、invalid(無効の)という言葉を使うことがあります。ビジネスで使える便利な言葉として覚えておきましょう。
「空っぽ」のempty
何かが「存在しない」というほか、「むなしい、無意味な」という意味で使うことができます。
The stock is empty. We have to refill it.(在庫が空です。補充しないと)
They gave us an empty promise.(彼らは空約束をしたんです)
「無効」のinvalidとvoid
invalidもvoidも「法律や契約上効力がない」、つまり「無効な」ということ。invalidは書類、チケット、クレジットカードなどによく使われます。
Your credit card is invalid. Do you have any other credit card?(お客様のクレジットカードは無効です。他のカードをお持ちではありませんか?)
The election is void.(選挙は無効です)
nullと一緒に使ってnull and voidで「(法的に)無効」と表すこともあります。
「ない」を丁寧に言えるunavailable
unavailableは「利用できない」「使えない」「手に入らない」といった意味ですが、no ~と否定するよりも柔らかい感じがするため、ビジネスの場面でよく使われます。
The service is temporarily unavailable.(サービスを一時中断しております)
・電話や来客に
Mr. Suzuki is unavailable now.(鈴木は席を外しております)
「ない」という言い方を上手に使いこなそう
「無し」「空の」「無効の」と表すにはいろいろな言い方がありますが、基本的に以下のように覚えておいてください。
・N/Aやnullは書類で使う表現。
・zeroやno ~は「無し」と強調したいときに使う。
・emptyは「むなしい」という意味があることに注意。
・invalid、voidは「無効」を表す定番表現。
・否定せず丁寧に言いたいときはunavailable。
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