【後編】TOEIC(R)を使って英語トレーニングを「見える化」し、TOEICの壁を超えていこう /千田潤一さん

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中学英語でTOEIC受験準備を

英会話・ぜったい・音読

Q:では具体的にどのように英語トレーニングをすれば英語が使えるようになりますか。

私の英語トレーニングの基本は、「音読」と「音読筆写」です。國弘先生は長年「只管朗読・只管筆写」を提唱され、私と共著で「英会話・ぜったい・音読」シリーズを発行しました。このシリーズでは、学校で習った文法や語彙という「分かる英語」を、自分の言葉で発信できる「使える英語」に変えるトレーニング法を紹介しています。

英会話・ぜったい・音読

講演などでも常にお話ししていますが、聞けない英語は決して話すことはできません。また、音読したことのない英語が決して口から出てくることはありません。
音読はリスニングトレーニングの王様でもあります。音読したことのない英語は聞けませんし、逆に意味の分かった英語を音読すると聞こえるようになります。「音読すると耳が開く」のです。
「音読した英語は聞こえる→聞こえた英語から話し始める→話すように書ける→書いた英語は読める」という、感動の循環を体感していただきたいと思います。その第一歩が音読であり音読筆写です。どちらも地道な作業です。しかし、地道な作業抜きに力はつきません。音読や音読筆写は家を建てる時の土台作り。時間がかかり目に見えた効果もなかなか出てきません。しかし、いったんしっかりした土台ができると、あとはあっという間に見事な家が建ちます。まずは、音読と音読筆写で揺るぎのない土台を作っていただきたいと思います。

TOEIC単語は90%中学英語

音読筆写をする素材としてはどんなものを使うのですか?

私は、音読筆写の素材として「中学校の教科書」をおすすめしています。近年の中学校の検定教科書は本当によくできています。コミュニケーションをとるための英語、という意味でベースにすべきです。以前実施した調査によると、TOEICに出題される英単語の90パーセント以上が中学校の検定教科書に含まれていました。
高校の検定教科書も含めると、95パーセントにまでその割合は高まります。
残りの5パーセントがいわゆる「ビジネスシーンで使われる英単語」なのです。

ですから、英語トレーニングを始めたばかり、あるいはこれから始める方で、TOEICスコアが350点前後(TOEIC団体受験の最多得点層)の方は、絶対に中学英語の音読筆写から始めてください。
「声を出さずに読む」・「訳して意味がわかったところでやめる」という「わかるどまりの沈黙の勉強」スタイルは禁物です。CDを聞き、真似て(音読)、音読しながら書いて(音読筆写)ください。これを続ければ、しっかりした基礎力がついてきます。

覚えた英語は実際に使いましょう。オンライン英会話も「実際に使う場」の一つとしておすすめです。「勉強してから使います」と言う方もいますが使って間違うのが本当の勉強です。間違った回数に比例して上達します。Let’s enjoy making mistakes(間違いを楽しもう)! One mistake is one progress(1つの間違いは1つの進歩)!・・・私のモットーです。

TOEICで英語トレーニングを「見える化」しよう

TOEICは英語学習者を励ますためのツール

Q:TOEIC350点から英語を使えるようになることは本当に可能でしょうか?

私が企業研修や講演を通じて出会う英語学習者の皆さんの多くは「英語難民」、TOEICで言うと350点から470点レベルです。中学校の英語の授業で英語が嫌いになって以来、英語の勉強は苦行に思え、なるべく避けて生きてきた、けれども仕事で英語を使わなくてはならない状況になった、という方も多くいます。

TOEIC単語は90%中学英語

そういう方に「英語の自己学習(英語セルフトレーニング)」のノウハウを提供するのが私のミッションの一つです。英語学習に王道はなく、時間のかかる道のりです。私は、TOEICは、そういった英語学習者を励ますためのツールだと考えています。今のレベルにもよりますが、スコアを100点伸ばすためには300時間程度のトレーニング時間が必要です。そして、220点から約130点ごとにそれぞれのレベルの境目に大きな「壁」がやってきます。

ほとんどの英語学習者は100点伸ばすのに何時間必要で、その時間をどのように使えばいいのか、100点上がったら次にどのような壁が待っていて、そこで必要な学習素材や方法は何なのか、まったく見えないままもがいています。そして小手先の解法テクニックに走ってしまい、英語コミュニケーション能力習得の本道から外れてしまいます。

私は多くの英語難民との出会いから、TOEICのリスニングとリーディングスコアを見れば、どんなトレーニング素材を使い、どんなトレーニングを、どのぐらいやれば、次のステージに行けるかが、はっきりと見えるようになりました。TOEICは、長きにわたる英語学習の節目の「壁」を「見える化」し、希望を持って乗り越えてもらうためのMotivationツールであるべきです。今TOEICは希望をもって英語に取り組むためのツールではなく、希望を奪いMotivationを下げるツールになっている感があります。また、楽しいはずの英語との付き合いを苦しみに変えているケースさえ見受けられます。この現状を変え、TOEIC発案者が描いた姿に戻すのが、私に課せられたこれからの最大のMissionだと思っています。

TOEICを超えてその先へ

「スコアは高いが話せない。TOEICはあてにならない」という声もありますが、私は「TOEICは英語でどのくらいコミュニケーションができるかよりも、どのくらいできないかがはっきりわかるテスト」だと考えるようにしています。私が、900点を超えたときTOEIC発案者の北岡さんに「次は満点取りますから」と言ったら「そんな意味のないことはやめなさい。使いなさい。使いながら伝える中身を充実させなさい」と叱られたことを思い出します。「満点を取るために勉強するなんて、ナンセンスですよ」とも言っていました。
英語力は「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能での測定がスタンダードの時代に入り、TOEICでもTOEIC Speaking & Writingテストが始まりました。「満点」を目指すよりも、S&Wテストを受けたり、実際に英語を使う場を作って「使える英語」を身に着けて欲しいですね。そして英語をコミュニケーションのツールとしてフル活用し、世界中にたくさんの友達を作って欲しいと思います。TOEICを超えてその先へと歩みを進めていただくよう願っています。

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