TOEIC Part 5 の語彙問題対策は語彙問題以外で行う

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porpor(ぽるぽる)こと渡邉淳です。前回から Part 5 の復習方法についてのお話を始めました。

空欄を埋めるだけが TOEIC Part 5 の対策ではない

前のコラムでお伝えしたのはいたってシンプルなことばかりでしたね。

どこで道を外れたのかを確認する
正解した問題も甘く見ない

あまりに当たり前のことすぎて、反響がなかったのはここだけの秘密です。すでに皆さんはここまでは復習として実践できているのでしょう。(ですよね? 自信をもって「はい」と答えられないならば、記事を読むのを止めて復習しましょう!)これを前提にして、次の段階へと向かっていきたいと思います。

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素材としての復習を行う

前回までの復習で、問題として復習することは完了しました。根拠をもって答えを出すことができるようになっているのですから。

「この問題の選択肢は(A)だった」のような記憶に頼る正解ではなく、「このルールが使われているから(A)だ」のような確信をもった回答ができるはずです。正解への道を、そして、最短ルートを通れるようになっています。ここまでできれば復習としては非常に有意義です。しかし、ここで終わりにしてはもったいないと言えます。

「問題文の中で、読んでいないところやスルーしているところがありませんか」

もっと深く一文に接していきましょう。つまり、問題としての復習の次は、その問題文自体を英語力アップの素材として復習するのです。

一文がスッと読めるかを確認する

「素材として」と聞くと難しく思えるかもしれません。しかし、いたって単純です。次のことができるかどうかを自分に問いかけてください。

「空欄に正解の選択肢が入った英文をスッと読めますか」

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たったこれだけです。

と言われて、「はい、そうですか。やってみます」と行動に移すのはなかなか難しいですよね。次で具体例を見ながら、一緒に復習の仕方をおさえていきましょう。ぼくがいつも気をつけているポイントは次の2つです。

 1.前から理解できているか?
 2.知らない語句の組み合わせはないか?

英文の形を視覚化する

まずは、1.のポイントで見てみましょう。中学や高校では英文を読んで、きれいな日本語訳を作る機会が多かったはずです。「関係代名詞のかたまりが後ろからこの名詞を説明して…」ということを思い出すだけで気持ち悪くなる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、TOEIC は厳密な日本語訳を提出する試験ではありません。理解ができていればいいのです。何よりも時間がないですから、テンポよく理解していく必要があると言えます。そこで大切な意識が「英文を前から理解する」感覚です。

では、その「前から理解する」感覚をどのようにつかんでいけばいいのか、が問題になりますよね。ぼくがオススメするのはスラッシュリーディングなんて呼ばれるものです。この言葉を聞いてピンと来ますか? 実際の英文で見てみましょう。

——– is no better season than winter to begin training at Silver’s Fitness Center.
(A)When
(B)It
(C)There
(D)As it

出典:http://www.toeic.or.jp/toeic/about/tests/sample05.html

ちなみに、答えは (C) ですので、(C) を入れた英文にスラッシュを入れてみます。その下にスラッシュに合わせた日本語訳を入れました。

There is no better season / than winter / to begin training / at Silver’s Fitness Center.
よりよい季節はない / 冬よりも / トレーニングを始めるのに / Silver’s Fitness Center で

 
いかがですか? スラッシュを入れたところを一つの意味のまとまりとしてつかまえて、右に、右に、目を動かしていく練習をするのです。最初は、「前から理解する」ことに慣れずに戻って読み返すこともあるでしょう。でも、心配はいりません。少しずつ「前から理解する」自分に慣れていきましょう。

なお、肝心のスラッシュを入れる位置についてですが、正解はありません。参考までにお伝えすると、以下の通りです。

・長い主語
・カンマのある場所
・前置詞(例.in, on, at, with)の前
・不定詞(to 動詞[原形])の前
・つなぐ言葉(接続詞・関係詞)の前

これらをもとにして、自分が理解できる長さで区切れ目を入れましょう。英文の形を視覚化することで、「前から理解する」という、英語の語順用の思考回路をつくりあげていくのです。

「知っている?」をしつこく問いかける

次は、2.の観点です。これは1.と同時に行う場合もあります。皆さんは英文を目にしたときに知らない語句があれば、辞書などで調べますよね。それは大切なことです。皆さんには、ぜひその一歩先に進んでいただきたいです。これは、単語と単語の組み合わせに目を向けるということです。

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先ほどの英文を改めて見てみましょう。おそらく知らない単語はないと思いますが、ぼくであれば以下のようなところに注目します。

There is no better season than winter to begin training at Silver’s Fitness Center.

1点目は “no 比較級+than 〜” で「〜が最高」ということを表していることです。「冬よりいい季節はない=冬が最高の季節だ」という意味ですよね。こういう組み合わせがあるのか、と意識しながら、何度も目にして自分の中にストックしておきます。

2点目は “begin 動詞ing” という形。中学などで散々学ぶ形ですが、英文の中で使われていることを確認します。頭の中にある知識を英文として目にした経験があるかどうかは大きな差です。簡単でも、当たり前でも、甘く見ずに自分に問いかけることです。「この組み合わせをしっかり自分のものにできているか?」と。

今回の英文は簡単めの、シンプルなものでしたが、難易度が上がった英文でも同じことを地道に繰り返していくのです。その積み重ねが語彙力を強化してくれます。

語彙力を強化すると言うと、単語帳に取り組もうとする方が非常に多いです。しかし、それが唯一の方法ではありません。自分が出会った英文の中にある語句を一つずつ取り込んでいくことも語彙力強化につながるのです。

 
以上、素材としての復習のお話でした。前のコラムでもお伝えしましたが、Part 5 は空欄を埋めるだけが復習ではありません。さまざまな角度で復習することができ、力をつけることに役立つ Part です。ぜひ活用してみてくださいね。

 

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