空気が読めないと、せっかくの英語も台無しーーRead People not English

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by カリン・シールズ

会話とコミュニケーションは別物です。でも、そう言うのは簡単でも、実際にそのように行動することは難しいものです。英会話と英会話でのコミュニケーションを分けて考えることで、たくさんの外国人の友人や仲間ができるようになります。そうなると、英語を使う機会もどんどん増えていくはずです。
今日は特に、相手の状況をよく考えてからコミュニケーションをとるということに関して、特に日本で英語を話す機会においての話をしたいと思います。

この話を書くのは、少し躊躇する部分も実はあります。読者の方に誤解されるかもしれないからです。ただ、日本に住んでいるネイティブの間ではよく言われている話なので、英語を話す皆さんには知っておいていただければと思います。

日本に長く住む外国人が思っていること

私のカナダ人の友人がFacebookに書いていた話です。友人は東京に20年以上も住んでいて、日本語もペラペラです。ある日、自宅の近所で犬の散歩をしていると、日本人の男性が不安そうにあたりを見回しています。どうも迷っているようだったので、カナダ人の友人はその男性に日本語で声をかけました。助けになれればと思ったのです。
しかしその男性は、日本語で話しかけられたにもかかわらず、英語で話し始めました。

友人は、あきらめずに日本語で説明を続けました。しかし、日本人の男性はそれにもかかわらず英語で話し続けます。そのため、会話はこんなふうに続きました。カナダ人の友人「日本語」、日本人の男性「英語」、カナダ人の友人「日本語」、日本人の男性「英語」……。友人はとても頭にきたといいます。友人は男性を助けようとしていたのに、その気持ちは男性の「英語しか話さない」という態度で台無しになってしまいました。

たぶんどちらの男性も、ちょっと頑固だっただけかもしれません。だってまるで、コミックマンガの一シーンを見ているようですものね。でも実際、この場面で日本人の男性が英語で話す必要はないのです。もし日本語で話をしていたら、ずっと簡単に目的の場所が見つかったはずです。このケースでは、男性は目の前の状況や相手の様子を見ていなかった、空気を読めていなかったのでしょう。カナダ人の友人を「地元の人」ではなく、ただの「外国人」と判断したのです。友人は明らかに「地元の人」なのに。

日本人の男性は、英語を話せたことがうれしくて「自分は英語でコミュニケーションがとれた」と思ったかもしれません。でも、本当にそうでしょうか。友人はかなり怒っていましたし、二人がコミュニケーションをとれていたとはとうてい言えません。友人がこの出来事をFacebookに投稿しましたから、この話は他の人にも知られることとなりました。

英語に夢中で、空気を読むことを忘れてしまう

「そんなのたまたまでしょ」と思われるかもしれません。こんな「事件」は確かに滅多にないかもしれません。でも、正直に言えば、似たようなことは私の周りでもよく起こります。もちろん、私は英語で私に話そうとする人の気持ちはわかります。私の日本語は完璧ではありませんから。でも、そんなにひどいわけでもありませんし、一生懸命日本語で話そうと努力しているのです。私は人が好きですし、周りの人と仲良くなりたいと思っています。だから日本語を勉強しているのです。日本語でも、英語でもいいので、日本の人と話をして仲良くなれたらいいなと思っています。

日本に住んでそろそろ15年になるので、日常生活に困らないほどには、日本語も話せるようになってきました。ですから大抵の場合、私の日本語は、相手の英語よりもうまいことが多いはずです。そしてそれは、私だけではありません。私の周りのたくさんの友人達も、同じように日本語のスキルを持っているのです。

相手の状況を想像して話をしよう

私はこんなとき、空気を読むように気をつけています。例えば、英語のセミナーなどで相手が私に英語で話すことを期待している場合は、英語を使います。皆さん英語の勉強に来ているのですから、私も喜んで英語を使います。また、日本人のご近所さんでも、旦那さんが外国人で、家で英語を使っているのを知っている場合には、挨拶も英語ですし、立ち話も英語です。できるだけ相手の状況に合わせて、使い分けるようにしています。

セミナーの後などタクシーに乗った時に、私が日本語で行き先を告げているにもかかわらず、何度も英語で話しかけられると、イライラしてしまうことも、正直言えばあります。だって、疲れているし、早く家に帰りたいからです。そんな時には、運転手さんの英会話の練習相手をしてあげる余裕はありません。

もちろん、そんな残念な経験ばかりというわけではありません。ちゃんと私の状況をわかってくれる人も、もちろんたくさんいます。数カ月前に、こんなことがありました。犬を散歩させていたときのことです。偶然、うちの犬と同じ犬種を散歩させている日本人の女性に会いました。この犬種の犬を東京で見かけたこともほとんどないのに、まさか近所で会うなんて!
相手も驚いたようで、ちょっと立ち話になりました。私たちは日本語で話をしました。おしゃべりが上手な女性で、結局20分くらい話をしていたかもしれません。犬のこと、子供のこと、ここでの生活のこと。初めて会った女性との、楽しい時間でした。話を聞くと、旦那さんは日系アメリカ人で、子供はインターナショナルスクールに通っているといいます。女性は大学で研究者として働いているそうです。話の内容から、女性がたぶんかなり英語が上手に話せるということは予想できました。しかし、彼女は会話を英語にしようとはしませんでした。ずっと日本語で話をしてくれたのです。

この女性は、人と状況を見る目、空気を読む力を持っているのだと思います。たぶん彼女は、私が日本語のおしゃべりを楽しんでいるとわかったのでしょう。だから私の日本語が完璧ではなくても、ちゃんと聞いて、それに応えてくれたのです。相手とのつながりが言語より大切ということが、わかっているからです。
始めて出会った人とひとしきり楽しくおしゃべりをして、なんだか新しい友達ができたようにワクワクした気持ちで、私たちは別れました。路上で出会う日本人と外国人の会話という面で見れば、カナダ人の友人と同じ状況ですが、結果はずいぶん違ったものになりました。それはひとえに、日本人の女性が私の状況を、「外国人」ではなく「ご近所さん」として見て、使う言語を選んでくれたからです。

母語でない言語、日本人なら英語を、私なら日本語を、「上手く話せる」かどうかということは、コミュニケーションの上手い下手にもちろん大いに関わります。しかし、文法的に正しいかどうかよりも、相手のことをちゃんと見ているか、状況がわかっているかによって、結局は「うまく話せる」かどうかが決まってくるのだと思います。

「コミュニケーション」が上手にできるように

困っている外国人がいたら、もちろんどんどん声をかけてほしいと思います。でも、ちゃんとその人を見ましょう。前に会ったことはありませんか? 自転車に乗っていませんか? 相手が使うジェスチャーは日本のものと似ていませんか? もしそうなら、ご近所さんかもしれませんよ。ガイドブックを持っていますか? 他の外国人と一緒に歩いていますか? 道に迷っているようですか? それならたぶん観光客でしょう。状況をよく見て、人をよく見て、まず日本語を使うか、まず英語を使うかを考えてみましょう。それから話しかけましょう。どちらの言語がいいかわからない場合は、聞いてみましょう! “Do you speak Japanese?” もしくは、“Do you mind if I try to use English?”と聞けばいいのです。

英語で話すことを頑張る皆さんをがっかりさせたくはないのですが、カナダ人男性のような経験をする日本に住む外国人が、とても多いのも事実です。せっかくのコミュニケーション。日本在住の外国人がどんな気持ちでいるのかをわかっていれば、お互いにコミュニケーションがうまくとれなくて悩むようなことはなくなります。もちろん全ての外国人が同じように思っているわけではありませんが、「こういうことがある」と知っておくことは、英語を使う皆さんにとってきっとプラスになるはずです。
人種ではなく、その人自身を見るようにしましょう。状況を見るようにしましょう。空気を読みましょう。もちろん、間違ったり、上手くいかないこともあるでしょう。でも私たちはいつだってそこから学べるはずです。間違えないようになるものなのです。

英語に自信が持てるようになることは、素晴らしいことです。でも、本当に英語に自信があるということは、「たとえ話せたとしても話さない」ということも含んでいるのです。それはもっと素晴らしい人との出会いとつながりをもたらしてくれます。たくさんの外国人の友達や仕事仲間に恵まれるようになるでしょう。そうすることでかえって、あなたは今までよりもっとずっと、英語を使う機会が増えていくことになるのです。

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