by カリン・シールズ
4月は新しい始まりと同時に、懐かしい頃をちょっと思い出したりする季節ですね。今日のコラムでは、ずっと昔、英語を習い始めた頃に覚えた「自己紹介」について、詳しくお話ししていきます。
ネイティブは「My name is…」とは言わない
My name is . . . 「私の名前は~」
きっとこんな自己紹介を一番最初に習いましたよね? 忘れるはずがありません!
とはいえ、ネイティブは “My name is . . .”で自己紹介をはじめることは、滅多にないのです。
“My name is . . .”が使われるのは、仕事でプレゼンをするときだったり、新しいクラスで皆の前で自己紹介をするときだったり、「あるグループに向かって」自己紹介をするときに使われます。
「私の名前は、たけしたじゅんこです。本日、私は〜についてお話させていただきます」
My name is Junko Takeshita. It’s nice to meet everyone.
「私の名前はたけしたじゅんこです。仲良くしてくださいね」
しかし、直接誰かと会って自己紹介をする場合には、このようには言いません。たいてい次のような感じになります。
Nice to meet you. I’m …… 「はじめまして。私は〜」
How do you do? I’m ……「はじめまして。私は〜」
“I’m . . .” のほうがずっと簡単なのに、日本では “My name is . . .” ばかり耳にします。もしかすると、中学校の英語の最初の授業で、そのように習ったからかもしれませんね。
もちろん英語として間違っている訳ではありませんが、ネイティブスピーカーは “My name is . . .” はほとんど使いませんので、覚えておくといいかもしれません。
自己紹介をするときには、挨拶も加えよう
自己紹介をするとき、通常は挨拶も一緒にします。挨拶は名前の前でも後でもOKです。
I’m Maya. It’s nice to meet you.「私はまやです。はじめまして」
I’m Hiroshi. How do you do? 「私はひろしです。はじめまして」
挨拶が前でも後でも、好きな順番で話してください。この時に相手と握手をすることもあるかもしれません。
自己紹介のポイントは「名前の伝え方」
自己紹介で私が気になっているのは、皆さんが名前をとてもはやく言うことです。日本人の名前は、外国人にとって、長くて難しい場合が多いですし、初対面の場合はなおさらです。ですから、名前を言う時には、ゆっくりと発音してくださいね。
そして、名前と苗字を続けて一気に言わないようにしてください。 “Hi, I’m suzukihiroyuki.” このように聞こえることがよくあります。日本に長く住んでいる私でも、なかなか聞き取ることはできません。これでは相手はあなたの名前も、あなたをどのように呼んでいいのかもわかりません。名前も苗字もわからないのですから!
ビジネスシーンでの伝え方は?
ビジネスでの名刺交換などの場合、まず名前と苗字を言った後に、なんと呼んでほしいかを伝えるといいと思います。日本語は英語に比べてフォーマルな言語なので、外国人はそもそも、あなたのことをどのように呼んだらいいのかわからないからです。相手の文化に即した言い方を…と考えても、実際にはどんな呼び方が正解なのかわかりません。名前を呼んだらいいのだろうか? 苗字のほうがいい? 相手にはわかりません。ですから、あなたが直接伝えてあげるのが一番です。
Please call me… 「〜と呼んでください」
My friends call me… 「友達には〜と呼ばれます」
自分に合った方法でOK
日本人の中には、外国人が呼びやすいように自分の名前を短くしたり、英語名をつけたりする方もいます。私自身は必ずしもそうする必要はないと思っています。日本人の名前はとても美しいものですし、発音も規則的ですから、名前を呼ぶのに難しすぎるということはありません。ただ、自分が気に入る英語名をつけて、違った自分になることを楽しんでいる日本人の友人もいますから、それでもいいと思います。英語名を持つもよし、自分の名前をそのまま使うもよし、自分にしっくりくる方をえらべばいいと思います。
ところで私に関して言えば、私の名前Colleenは、少し発音が難しいようなので、日本では「カリン」で通しています。カリンというカタカナは、Colleenの発音とぴったり一致する訳ではありませんが、かなり近いのでいいかな、と思っています。実は私の名前はネイティブにだってよく間違えられるのです!(Coは「Ko」ではなく「Ka」と発音します。これがややこしいようです)
すぐに使える自己紹介のテンプレート
最後に、ネイティブスピーカーがビジネスの場面で行っている自己紹介の典型的なパターンをお教えします。名前は2度言います。まず、「名前」。そして「名前と苗字」です。次に誰かに自己紹介をするときに、さっそく使ってみましょう。
「こんにちは。さおりです。さおりしまだです。はじめまして」
We haven’t met yet. I’m Jun. Jun Tanaka.
「はじめまして。じゅんです。たなかじゅんです」
これでもう大丈夫。ずいぶんと前に覚えた英語の自己紹介のアップデートが完了しました。4月はたくさんの新しい人に出会う季節です。特に仕事場ではそうですね。新入社員や新しい場所で働き始めた方ならなおさらです。新しいチームの仕事が始まったり、新しい部に異動したりする方もいるでしょう。もし職場で英語を使うことがあるなら、自己紹介も英語でするはずですよね。スマートな自己紹介ができれば、その後の英語でのコミュニケーションも上手くいきますよ。
Good luck!
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