学校で習ったはずの単語だけど、実際の使い方の違いがわからない。そもそもそんな言い方、習ってない。–ネイティブの口からは、そんなフレーズがどんどん出てきます。
これらを一つ一つ知っていくことが、英会話の上達に直結します。
正しいのはどっち?
1. 「当初価格は360$でしたが、実際払ったのは300$です」
A. The initial price was 360$ but the real cost was 300$.
B. The initial cost was 360$ but the real price was 300$.
”price”と”cost”、両方ともよく使う単語ですが、2つのニュアンスの違いがわかりますか?
“price”は、「販売側がもともとつけた価格」、”cost”は「消費者側が実際払った金額」というイメージです。よって「当初価格」は”The initial price”で、「実際払った」のは”the real cost”が正解です。
正解はA!
2. 「思いきって新しい仕事を探したいと思っています」
A. I’m looking for a new job.
B. I’m looking to seek a new job.
”I’m looking for〜”は、「〜を探している」という意味で、学校でもよく習いましたよね。なので、Aは「私は仕事を探しています」という事実を伝えているだけにすぎません。
一方、Bの”I’m looking to do”は、キャリアを変えたり、家を買ったり、ビジネスを買収したりといった「大きな決断が必要なことを、まさに今したいと思っている」というニュアンスで使います。よって「思いきって新しい仕事を探したい」の意味を表せるのはBです。
正解はB!
3. 「まず最初は、市場分析から始める必要があります」
A. At first, I need to start a market analysis.
B. First, I need to start a market analysis.
“at first”も“first”も、「最初は(に)」と習ったと思いますが、表わす意味が違います。
Aの“at first”は、「最初は〜だったけど、今は〜だ」と前と今との変化を表わすときに使います。たとえば、”At first I liked my boss but now I don’t.”(最初は上司のことは好きだったが、今は好きじゃない)など。
一方、Bの”first”は、「一連の流れのまず最初に〜をする」という”順番”を示すときに使います。
よって、「まず最初に市場分析をする」は順番を示しているので、Bの”First”が正解です。
正解はB!
4. 「最近、教師から銀行員に仕事を変えました」
A. I recently switched careers from being a teacher to a bank teller.
B. I recently changed my job from being a teacher to a bank teller.
学校では「転職する」といえば、Bの”change my job”と習うことが多いですが、ネイティブは”job”に対して「職場での日々の仕事」というイメージをもっており、「職種はさほど変わらないけど、会社を変える(その結果日々の仕事が変わる)」というときに、Bの”change my job”を使います。
では、「教師から銀行員に転身する」という場合はどうでしょう?
”career”には、「これまで働いて歩んできた道」というニュアンスがあり、「教師から銀行員」のように、そもそもの仕事の質が違うものに仕事を変えるときは、Aの”switch careers”を使うのがネイティブの感覚です。
正解はA!
5. 「(相手が嫌がるとわかってはいるけど)お願いがあるのですが…」
A. Can you give me a hand?
B. Can you do me a favor?
相手が多少なりとも「めんどくさいな…」と思うことがわかっているような追加的な仕事をお願いしたいときって、ありますよね。そんなときは、Bの”Can you do me a favor?”をまず最初に言いましょう。「これだけ真摯にお願いされたら聞いてあげなきゃな」と相手に思わせることができるという、なんとも便利で丁寧なフレーズなんですね。
一方、Aの”Can you give me a hand?”は、緊急性もないちょっとしたことに対して「ちょっと手伝ってもらえる?」とライトにお願いするときの言い方です。
正解はB!
いかがでしたか?
学校で習った知識も決して無駄ではありません。そのせっかくの知識に、ネイティブのニュアンスをプラスしさえすれば、実は最強のEnglish speakerになれる、と私は思います。
ひとつひとつ、積み重ねていきましょう!
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