また今日も雨?外国人に“梅雨”を楽しんでもらうためのおもてなしフレーズ

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春から夏への季節の変わり目である梅雨は、雨が多く湿りがちな季節。「また今日も雨?」とテンションが落ち込む人もいるでしょう。湿度にあまり慣れていない欧米からの観光客は雨の多さとジメジメ具合に驚くと言いますが、しとしとと降り続ける雨に日本情緒を感じる外国人も珍しくないとか。

せっかくなら、日本を訪れる外国人にも日本の四季の移ろいを味わってもらいたいですよね。そこで今回の記事では、梅雨時の日本の風物詩や、梅雨ならではの楽しみ方を、英語フレーズと共に解説します。

以前ご紹介した『雨と梅雨に関する15のフレーズ』と併せて、日本の自然や文化に関心のある外国人に説明すれば、湿りがちな雨の季節、梅雨も楽しんでもらえるはずです。

日本の雨期-独特な“梅雨”を外国人に紹介してみよう

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Tsuyu is the rainy season in early summer in Japan.
(「梅雨」は、日本の初夏に訪れる雨期のことです。)
Tsuyu lasts from the beginning of June to mid-July.
(「梅雨」は6月初めから7月中旬まで続きます。)
We call the rainy season ”plum rain” because plums ripen at the same time.
(梅が熟すのと同じ時期なので、雨季を”梅の雨”と呼びます。)
Hokkaido, the northern island of Japan, is least affected by the rainy season.
(日本の北にある北海道だけは、ほとんど梅雨の影響を受けません。)
The rainy season has set in.
(梅雨入りしました。)
Fine days during the rainy season are called “tsuyu no nakayasumi” (literally, “break of tsuyu”).
(梅雨の合間に続く晴れの日を「梅雨の中休み」といいます。)
The rainy season is over.
(梅雨明けしました。)

都会に咲くビニール傘の花

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ビニール傘大国として知られる日本。外国人が日本の都会で驚く光景として、「雨の日に皆 “透けている傘” を持っている」点が挙げられます。

ウェザーニューズが2014年に実施した調査によれば、日本は年間降水日数世界ランク13位にもかかわらず傘の所持数世界1位。同社は「日本は湿度が高く、いったん雨に衣服が濡れてしまうと乾きにくいため」と理由を述べています。また日本で発明されたビニール傘の使用率も世界1位となりました。

「もったいない」の国がビニール傘を使い捨てにすることに賛否はありますが、外国人にとって珍しい光景であることは間違いないようです。

<単語・表現>
ビニール傘:plastic umbrella
湿気が高く、むしむしする: sticky day, humid

<例文>
These plastic umbrellas won’t block your vision, so they can be used safely on the streets.
(ビニール傘は使う人の視野を邪魔しないため、路上でも安全に使用できるのです。)

米作を象徴する田植え

地方に目を転じると、「梅雨といえば田植え」を連想する日本人も多いのではないでしょうか。日本のお米、米作は世界に誇る文化でもあります。

<単語・表現>
田植え(米の苗を植えること):rice-planting

<例文>
Farmers transplant rice seedlings into paddy fields during early summer rainy season.
(農家の人達は、初夏の梅雨の時期に米の苗をぬかるんだ田んぼに植えていきます。)

てるてる坊主

子どもの頃、遠足や運動会の前に「てるてる坊主」を作って飾った記憶はありませんか?降り止まない梅雨の只中にあっては、そんな思い出も懐かしくよみがえるもの。そしてこの「てるてる坊主」は、外国人には目新しく不思議な存在のようです。

<単語・表現>
てるてる坊主: a paper doll to which Japanese children pray for good weather.

<例文>
Teru Teru Bozu is a lucky charm depicting monks who pray for good weather.
(てるてる坊主は、好天を願う、僧侶をかたどったお守りです。)
Many children often make them and hang them up to wish for better weather.
(多くの子供たちが、よくこれらを作り、好天を願って吊し飾ります。)

梅雨の風物詩・ あじさいやホタルを説明する

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雨に濡れたあじさいは情緒たっぷり

梅雨を彩る花といえば、誰もが思い浮かべるのがあじさいでしょう。欧米でもあじさいは見られますが赤系統が大半を占めるため、日本のような薄青色や青紫色の品種は珍しく、大変美しく映るようです。東京都文京区の白山神社では、6月中旬にあじさい祭りが開かれます。

<単語・表現>
あじさい: hydrangea

<例文>
People enjoy seeing hydrangeas in the rain.
(雨の中でアジサイを楽しむ姿も見られます。)
Just like sakura, the blossoming of ajisai is very much interwoven into the cultural and seasonal fabric of Japan.
(桜と同じように、あじさいの花も、日本の文化と季節の中に織り込まれています。)
In the rainy season, a temple in Kamakura known as ‘hydrangea temple’ is visited by many tourists.
(梅雨の季節、「あじさい寺」として知られる鎌倉のお寺にはたくさんの観光客が訪れます。)
Meigetsuin Temple is known as Ajisai-dera (“Hydrangea Temple”).
(明月院は「あじさい寺」として知られます。)
95% of the hydrangea here are of the Hime Ajisai (“Princess Hydrangea”) variety.
(この境内に植えられたあじさいの95%が「ヒメ(princess)アジサイ」と呼ばれる品種です。)
They are thus named because of their pretty blue colors.
(美しい青の色合い(注:「明月院ブルー」)からその名がつけられました。)

ホタル

清らかな水辺に生息するホタル。どんより曇った梅雨の夜、甘い水を求めて草から草へと飛び回るホタルの群れの幻想的な光景を楽しむのが「ホタル狩り」です。生息地が減ってきているといわれますが、東京都内やその周辺でもホタルを見られるスポットは思いのほかあります。鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)や東京都福生市では、6月に「ホタル祭り」を開催しています。

<単語・表現>
ホタル: firefly

<例文>
It is popular to view the fireflies’ glow(hotaru-gari) during rainy season.
(梅雨の夜に、ホタルが飛びかう様子を眺める「ホタル狩り」は人気があります。)
Since hotaru(fireflies) inhabit only clean streams, their numbers have been decreasing due to pollution.
(ホタルはきれいな水辺にしか生息しないため、水質汚染により、近年、その数は減少しています。)
They have been a metaphor for passionate love in poetry since Man’you-shu (the 8th century anthology).
(ホタルは8世紀の万葉集以来、情熱的な愛のメタファーです。)

神秘性がアップ?雨もまたよし!梅雨時だからこそ楽しめる観光名所も

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霧でかすむ寺社や日本庭園など、梅雨時の名所史跡がたたえる幽玄の美はSNSを通して海外から讃えられています。露天風呂を備えた温泉も、雨風を味わいつつ堪能できると賞賛の対象です。

JapanTravelでは、6月の東京の魅力的なスポットを外国人の視点から紹介していますが、たとえば雨に濡れる明治神宮が”Mystical atmosphere”(神秘的な雰囲気)と表現されるなど、外国人にとっては梅雨時ならではの名所の楽しみ方があるようです。

<単語・表現>
雨や霧の中で見る者を惹きつけてやまない: attractive in the rain and mist
雨がぱらぱらと降る様子: the patter of the rain
雨がしとしと降る様子: drizzling

<例文>
Some sights, such as temples, gardens and old houses are rather attractive in the rain and mist and these conditions make for an atmospheric visit.
(寺、庭園、古い家など、雨や霧の中でむしろ魅力的で雰囲気がよく見える場所もあります。)
There is nothing more relaxing than sitting in an open air hot spring while viewing the cloudy landscape and listening to the patter of the rain.
(曇った景色を眺めつつ、ぱらぱらという雨音を聞きながら、露天風呂に浸っているほどリラックスできるものはありません。)
“Cha-shitsu (Japanese tea room) ” is constructed to enjoy the sound of rain drizzling.
(茶室は、しとしとという雨音を愛でるように作られています。)

衣替え、ジューンブライド、梅雨ならではのイベント

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衣替え

梅雨の湿気でジメジメとした蒸し暑い時期とともに、季節に合った衣服に切り替える「衣替え」が行われます。

<単語・表現>
衣替え: change the clothes

<例文>
We change the clothes in our closet twice a year, known as koromogae, in June and October, in accordance with the changing seasons.
(私たちは、季節の移り変わりに応じて6月と10月頃に、“衣替え”と呼ばれる衣類の入れ替えをします。)
It is a seasonal Japanese custom.
(四季のある日本らしい習慣です。)

「6月の花嫁」ジューンブライド

梅雨のただ中にある6月ですが、「この季節に結婚した花嫁は幸せになれる」といった欧米の言い伝えを信じて結婚式を挙げる人たちも見られます。

<単語・表現>
6月の花嫁: June bride

<例文>
Despite the rainy season, the idea of June bride is still popular in Japan.
(梅雨の時期にもかかわらず、ジューンブライドは日本で人気があります。)
The tradition dates back to Roman times when the festival of the God Juno, who was the goddess of marriage and childbirth, on the first day of June.
(ジューンブライドの歴史はローマ時代に遡ります。6月1日にジュノー神(結婚と出産の神)の祭典を催したことに由来します。)

まとめ

梅雨にまつわる日本の自然や風物詩をご紹介しました。

6月というと、一般的には観光に不向きな季節と思われがちですが、衣替えやビニール傘、てるてる坊主など、外国人には「日本ならではの文化」として興味深く感じてもらえるのではないでしょうか。

尋ねられたときにも、基本的な単語さえ知っていれば、どれも日本人には身近なテーマなので、親しみをこめて説明することができそうです。好き嫌いは分かれる梅雨ですが、この時期ならではの風情を、豊かな英語表現とともに楽しみましょう。

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