British EnglishまたはQueen’s Englishと呼ばれるイギリス英語。例えばアメリカ英語のcenter(中央という意味)がイギリス英語ではcentreとなり、theaterがtheatreになるといったような、つづりの違いがよく知られています。ほかにも、使う単語そのものが異なる場合もあり、思いがけない勘違いが生じてしまうことも。
そこで今回は、旅行や仕事に役立つアメリカ英語とイギリス英語の使い分けをお教えしたいと思います。
街角でチェック!イギリス英語のこんな意味
日本ではテレビや映画でアメリカ英語に触れることが多いので、イギリスに旅行に行ったり、イギリス人と話をしたりしたときに、戸惑うことがあるかもしれません。例えば次のような表現を聞いたとき、イギリス英語(略:英)での意味と、アメリカ英語(略:米)での意味を考えてみましょう。
レストランでお勘定を頼んだら
Can I have the bill, please?
英:お勘定お願いします。
米:お札(?)お願いします。
アメリカ英語では、「お勘定」はcheck と言い、billは「お札」を意味します。
ホテルでエレベーターに乗ろうとしたら
The lift is over there.
英:エレベーターはあそこです。
米:起重機(?)はあそこです。
イギリス英語では、elevator (エレベーター)をliftと呼びます。アメリカ英語では、liftは「起重機、リフト 」を意味します。
駅でチケットを購入したら
Here’s your return ticket.
英:はい、往復チケットです。
米:はい、帰り(?)のチケットです。
イギリス英語では、single( 片道)/return(往復)、アメリカ英語ではone way(片道)/round trip(往復 )と言います 。
お店でセーターを探していたら
Are you looking for a jumper?
英:セーターをお探しですか?
米:飛ぶ人(?)をお探しですか?
イギリス英語ではsweaterのことをjumperと呼びます。
イギリスならではの食べ物英語
pub(パブ)やafternoon tea(アフタヌーン・ティー)など独自の食文化を持つイギリス。食べ物の呼び名にも独特のものがあります。例えば次のような言い方をしたとき、イギリスとアメリカでそれぞれどんな食べ物を指すことになるか、想像してみましょう。
「チップス」を頼んだら
Can I have chips?
英:フライドポテトをお願いします。
米:ポテトチップをお願いします。
アメリカ英語では「フライドポテト」はFrench fries。
「クッキー」を頼んだら
These are our homemade biscuits.
英:これはうちの手作りクッキーです。
米:これはうちの手作りビスケットです。
イギリスでは「クッキー全般」をbiscuitと呼びます。アメリカのbiscuitは、厚いパンのような食べ物。
「プリン」を頼んだら
Why not try our black pudding?
英:ブラック・プディング(腸詰)を試してみてはどうでしょう。
米:黒い(?)プリンを試してみてはどうでしょう。
イギリスではblack puddingは、血の混じったソーセージ料理。アメリカではpuddingは「プリン」「プディング」です。
イギリス人とアメリカ人はお互いの英語の違いを理解していて、例えばアメリカのお店でCan I have the bill?と言っても、ちゃんとお勘定のことだとわかってくれるので大丈夫。自分が人の話を聞いたときに、変な思い違いをしていないかどうか注意するといいでしょう。
なお、イギリスだけでなく、ヨーロッパ圏の人が英語を話すときや、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの人が英語を話すときも、いわゆる「イギリス英語」に近い表現を使うことがあります。今度注意して聞いてみてください。
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