日本でバーベキューと言えばいわゆる野外の焼肉という感じが一般的ではないでしょうか?海外でバーベキューと聞くと、特にアメリカではテキサスやメンフィスバーベキューを指すのが一般的です。
「Let’s have a BBQ!(BBQしよう!)」と声をかけて大勢で気軽に行われています。
また日本人になじみのある韓国の焼肉はコリアンバーベキューと呼ばれ、ここ最近では都市部を中心にポピュラーとなりつつあるメニューになりました。
今回は、そんな海外におけるバーベキュー事情とバーベキューに関する英語表現をお送りします。
海外で一般的なテキサスバーベキューとは
前述の通り、アメリカで「バーベキューとは?」と聞くと、ほとんどの人がテキサスもしくはメンフィスを思い浮かべます。海外のバーベキューは日本と比べて、バリエーションがとっても豊富。お肉の味付けにつかう香辛料や調理法の違いによって様々な種類が存在し、州や都市ごとに好みもはっきり分かれます。アメリカでは、そんなバーベキューのナンバーワンを争う番組があるほど、生活に欠かせない”クイジーン(料理法)”として人々の食生活に浸透しているのです。
テキサスバーベキューの特徴
テキサスバーベキューの最大の特徴は、ブッチャーペーパーというクラフト紙に重量で注文されるお肉が並べられて出てくるそのダイナミックさにあります。肉の種類は様々で、特に有名なのはポークリブ(Pork rib)。中国でいうスペアリブ、日本では骨付きばら肉(肋肉)のことを指します。
バーベキューを調理するときの手順と専門用語
バーベキューを調理するときは、ヒッコリー(hickory)、ピコーン(picon wood)、など地域やお店独特の木を使って調理します。ほとんどの場合、木が木炭になるまで燃やし、Smoker or Pit(スモーカーもしくはピット)と呼ばれる窯に入れて、いぶすように12時間から18時間調理するのが一般的です。ちなみに、その木炭の管理をする調理人をPitmaster(ピットマスター)と呼びます。
バーベキューのピットで調理されるお肉は塩コショウなどのベーシックな味付けで調理されます。何時間ものスモークで燻されたお肉は、皮がパリパリ、肉はジューシーに仕上がりとっても美味。出来上がったお肉はChopper(チョッパー)と呼ばれる調理人によって小さくカットされ、お店オリジナルのSeasoning(シーズニング・香辛料)を振りかけて味付けされます。
テキサスバーベキューは、お肉自体には味付けをせず、BBQ sauce(バーベキューソース)をかけて食べるのが基本の食べ方。時折バーベキューソース以外で味付けをされることもありますが、その場合はトマトソース、ケチャップ、オイスターソース、ビネガーといった香辛料やお肉の汁など、お店によってオリジナルのソースがあるのが一般的です。
テキサスバーベキューといえばテキサス・オースティンにある「Franklin’s バーベキュー」
「Franklin’s バーベキュー」は、テキサスにいったら必ず立ち寄りたいお店として有名です。数々のバーベキューアワードを受賞するなど常に行列のできるレストランとして知られています。
テキサスバーベキュー以外にもたくさんあるバーベキュー
前述でも触れていますが、アメリカのバーベキューは地域性が良く現れ、嗜好性に富んだ食べ物です。テキサスと同様にメンフィス・テネシー州やノースカロライナ、サウスカロライナ州も独自のバーベキューがあることで知られていますので、人気のお店をご紹介します。
メンフィスバーベキュー
メンフィスバーベキューの特徴
メンフィスバーベキューの特徴であるドライシーズニング(dry Seasoning)にもこだわり、仕上がったお肉に塩、コショウ、トウガラシなど様々な香辛料がミックスされたパウダーを仕上げに使うのがメンフィス流。このお店の人気NO1商品はチョップポークサンドウィッチ(chop pork sandwich)で、お店オリジナルのコールスローが乗ったレシピもテネシー風です。
メンフィスバーベキューといえばここ
テネシー州メンフィスの地元民なら知らない人はいない「Payne’s Bar-B-Que」。家族代々バーベキューレストランを営み、昔ながらのレシピを大切にするお店として人気があります。
カロライナバーベキュー
カロライナバーベキューの特徴
カロライナ州のバーベキューの特徴は豚を丸ごとスモーカーに入れる調理法です。またレキジントンスタイルソースという赤いバーベキューソースは、付けタレの形式が一般的です。同じ州内でもイースタンスタイルと呼ばれるソースはビネガーと塩コショウがベースで全く赤みがなく、場所によって大きく違いが出るのも特徴といえます。
カロライナバーベキューならここ
カロライナはサウス、ノースによっても好みがわかれますが、ここはカロライナで知らない人はいないという老舗「Skylight Inn バーベキュー」。
コリアンバーベキュー
コリアンバーベキューの特徴
火鉢のような鉄板や網に豚の切り身や牛肉などをのせてセルフで焼いて食べる方式のバーベキューです。メニューに掲載されている肉の種類は意外に少なく、日本の焼肉のようにバラエティに取り揃えられているところはほとんどないようです。注文の際の部位を英語で言うのは以下のようになります。
・牛カルビ:sliced beef short rib
・味付け牛カルビ:marinated short rib
・牛タン:sliced beef tongue
・牛プライムリブアイステーキ:prime ribeye
・豚バラ:pork belly
・豚のあご肉:pork jowls
コリアンバーベキューならここ
韓国焼肉と言えばバーベキューのなかでも日本人に一番馴染みがある食事でしょう。ここはNYにある韓国でも一番古い焼き肉屋として有名な「Sam Won Garden」。
バーベキューを海外で楽しむための英語表現
海外のレストランで注文の際に、写真がなくて困った経験ありませんか?それはバーベキューも同様です。コリアンバーベキューの場合、写真が載っているメニューを用意しているところが増えてきましたが、伝統的なバーベキューのお店は相変わらず品目と値段が記されているものが主流です。ここでは実際のメニューを見ながら、注文するときに役立つ英語フレーズをご紹介します。
ステップ1:お肉と量を選ぶ
写真のメニューではお肉は4種類取り揃えがあります。肉の部位によっては分量の数え方も変わり、基本は重量lb(ポンド:1ポンド=約450g)で量り売りしているのが一般的です。このメニューにある説明を以下で解説しますので参考にしてくださいね。
brisket(牛肩バラ):$18lb(1ポンド=約450gあたり18ドル)
choose lean, fatty or chopped brisket
(赤みの部位、脂肪部分、もしくは細かく砕いた牛肩バラから選択)
baby back rib(小さめのスペアリブ):Full rack(リブ12本から13本) $24、Half rack(リブ6本から7本) $12、2bones(リブ2本分)$3
※スペアリブの小ぶりのものは一枚がおおよそ12,3本の骨組みで繋がったシートのようになっていますので、フルとハーフというように表示されます。
pulled pork(豚肩バラを裂いたもの):$15lb(1ポンド=450gあたり15ドル)
hand pulled, no sauce(手裂き、ソースなし)
chicken(鶏):$9
1/2bird, smoked with dry rub(チキン半分、パウダー香辛料でスモーク調理)
Can I have a half rack of baby back rib?
(ハーフラックのベイビーバックリブをください。)
I want to get lean brisket for 2lbs.
(2ポンド分、赤みの牛肩バラが欲しいです)
Can I get pulled pork for about 45doller worth?
(豚バラを45ドル分ほど頂けますか?)
ステップ2:サイドメニューを選択
サイドメニューとは付け合わせのことで、ここではmac& cheese(マカロニチーズ)、potato salad(ポテトサラダ)、cole slaw(コールスロー)、beans with brisket(ブリスケットとビーンズ)から選択できます。ここのビーンズは牛肩バラと煮込んだお豆という種類で、ネイビービーンズを使っているのが一般的です。
I want to get one potato salad as a side.
(ポテトサラダをサイドにもらいます。)
ステップ3:ドリンクを注文
カジュアルなスタイルのバーベキュー店ではドリンクはほとんどが缶で販売されています。アメリカではcoke(コーラ)、ginger ale(ジンジャエール)、seven-up(セブンアップ・ソーダ)、root beer(ルートビアー)などが主流です。
Can I have a coke, please.
(コーラをくださいますか?)
サンドイッチを注文する
このメニューでは4種類のお肉がブリオッシュパンにはさんで提供されるサンドイッチがあります。サンドイッチは海外ではパンにはさんで食べる形態のものをそうよびますので、サンドイッチのパンは四角とは限らないのも特徴ですね。
I will have a sliced brisket sandwich.
(スライスのブリスケットサンドを頂きます。)
まとめ
海外のバーベキュー事情と英語表現をご紹介しました。バーベキューは週末などに家族が集まってワイワイと時間を過ごす絶好のイベントでもあります。また地域やお店によって独自の調理法や香辛料、サイドメニューの種類など様々な工夫が凝らされているのが特徴です。最近では、ユーチューバーなどが、アメリカのバーベキューの食べ歩きをするというチャンネルも存在するほど、バーベキューは一つの文化になっているようです。海外に旅行の際は、現地の有名バーベキュー店を尋ねてみるのも旅の醍醐味が味わえそうですね。その際はここでご紹介した英語フレーズをぜひ役立ててみてください。
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