「聞く」を伝える英語は? HearとListenの意味や使い方をおさらい

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聞くという言葉を英語にする時、あなたはどんな英単語を思い浮かべますか?恐らく多くの方が「Listen」か「Hear」という単語を思い浮かべるのではないでしょうか。しかしこの2つの英単語は同じ「聞く」でも、実際は大きく意味が異なります。今回はそんな2つの単語の違いをご説明します。

「聞く」を表わすListenとHearの違い

いきなりですが、質問です。この記事をお読みのあなたにとって、下記の言い方のどちらが「しっくり」くる表現でしょうか?

A: 英語のヒアリングテスト
B: 英語のリスニングテスト

「いやいや、間違いなくBでしょ!」とお思いのあなた。実はAと答える方も日本には多く存在するのです。おそらく現在の40代を境に、AとBに答えが別れるのではないでしょうか。

というのも、一昔前までは「英語のリスニングテスト」は、「英語のヒアリングテスト」と言われていました。それがある時期を境にして「英語のリスニングテスト」に変わったのです。

これは、英語圏の様々な知識や情報が日本に入ってくるようになり、「ヒアリング(Hearing)」と「リスニング(Listening)」は根本的に違うものだということに日本の教育者達が気づいたからだと言われています。

例えば「ヒアリングテスト」は海外では「聴力テスト」という意味で使われており、「自然と耳に入ってくる音が聞こえるかどうか」という意味で使われているということがわかってきたのです。そうした聴力能力的な「ヒアリングテスト」は、英語の内容理解のテストには少し当てはまらないということになったわけですね。

「聞く」を表わすHearとListenの根本的な違い

そんな「Hear」と「Listen」を簡単に使い分けるなら、究極の違いは下記の通りです。

自然と音が耳から入ってくる聴覚的なもの=「Hear」
意識的に傾聴して内容を理解するもの=「Listen」

「Hear」は基本的には「何も意識しないでも自然と耳の中に音が入ってくる」という時に使います。例えばざわざわとした場所で、相手が自分の声が聞こえているかを確認したい時は、「Do you hear me?(聞こえてる?)」と表現します。「Do you listen to me?」とは言いません。

一方、「Listen」は「相手の言うことに耳を傾け、その内容もしっかり理解しようと意識して聴く」時に使います。例えばお母さんにお小言を言われている子供が上の空であさっての方向を見ている時などは、「Listen to me!(ちゃんと私の言うことを聞きなさい!)」と言います。これは、「私の言ってることをちゃんと聴いて理解しなさい!」と言っているのであって、「Hear me!」とは言いません。

使い間違えると大変!「Hear」と「Listen」

そんな違いのある「Hear」と「Listen」は、一つ使い間違えると大変なことにもなりかねません。例えば、奥さんが旦那さんにお小言を言っていたとします。でも旦那さんはテレビの音のせいで奥さんの言うことが聞こえず、「聞こえないよ!」と言いたい場合。

もちろん正しくは
「I can’t hear you!」
ですが、間違って、
「I can’t listen to you!」
と言ってしまったら…。奥さんはもう口を聞いてくれないかもしれません。

というのも、「I can’t listen to you!」は「あなたの言うことを意識的に聴いて理解できない」=「あなたの言うことなんて聞きたくない」という意味だからなのです。恐ろしいですね。だからこの2単語の違いはしっかり理解しておく必要があるのです。

聞くを表わすListenとHearの語源と使い方

ListenとHearの違いについてはおわかりいただけたかと思います。次にもう少し深く、それぞれの単語の特徴や語源、さらにはトリビアなどもご紹介したいと思います。これであなたも「聞く」マスター!

Listenの語源

Listenの語源は古英語の「hlysnan」。この言葉にはもともと「注意を払う(Pay attention to)」という意味がありました。現在にもその意味が残っていて、「人の話や音に注意を払って、意識的に傾聴する」のニュアンスがあるわけですね。

Hearは進行形/命令文になれないがListenはOK!

Hearは「自然と耳に音が入ってくる」という意味で、Feel(感じる)やSee(見える)などと同じ知覚動詞です。こういった知覚動詞は、その性質上、進行形や命令文にはなれません。「Hear!(自然と音を耳にいれなさい!)」と命令するのはなんだかおかしいですものね。

一方Listenは主体的に「聞こうとして聞く」動詞なので、命令文や進行形にすることができますよ。

Listen very carefully!
(注意して聞きなさい!)

Everybody Listen!
(みんな、聞いて!)

I was listening to the presentation.
(私はプレゼンを聞いていました。)

「音楽を聴く」Listen? Hear? どっち?

「音楽を聞く」は、「Listen to the music」というまとまりで中学の頃に習ったという方も多いかもしれません。しかし、ライブ会場などに行くと、「次は何を聞きたい?」とミュージシャンが言う時、「What do you want to hear?」という表現を使うこともしばしばです。これは実はどちらも正しい表現なのです。

例えばCDを1枚取り出してきて、「今日はこれを聴くぞ」と思って意識的に音楽を聴くという意味では、「Listen to the music」の表現を使うのは間違いではありません。一方、「耳に入ってくる音を聴覚的に感じて(知覚して)、入ってくる音に身を委ねる」というニュアンスでは、「Hear」を使うのが自然かもしれません。音を「感じるもの」とするか、「意識的に聴く対象」とするかの違いと言えるでしょう。

イギリス議会の野次「ヒアヒア!」はHearから来ている

イギリスの議会で、発言者を邪魔する「野次」として使われる「ヒアヒア!」という言葉をご存知でしょうか。これはもともと「Hear him, Hear him」という言葉から来ています。

発言する人(him)の声が聞こえるように「静粛に!」という意味で17世紀後半から使われ始めたのですが、そのうち「Hear, hear」に短縮されるようになり、さらにはしつこくこの言葉を投げかけることで、逆に発言を邪魔する野次に変化していきました。

「Here, here(ここ、ここ)」と同じ発音なので意味を取り違いやすいのですが、実は「Hear」がその語源なのです。

まとめ

HearとListenは同じ「聞く」でも大きな違いがある単語です。使い間違えると大きな誤解を生む可能性もありますので、注意が必要。英語を日常的に耳にする機会のある方は、ぜひこの2つの単語の違いを意識的に感じて聞き取ってみてくださいね。知っている分、面白く感じて頂けると思いますよ!

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