ビジネスシーンでのコミュニケーションでは、自分の業種や職種には直接的に関係なくともあらゆる知識が役立ちます。
特に、経済に関連するトピックは、ビジネスに携わる全ての人にとって共通の話題であり、基礎知識や動向について知ることは欠かせません。
グローバル化が急速に進む時代、英語で経済について語れるようになることがキャリアアップにつながるとも考えられます。
そこで今回は、経済の基本である株式市場に関する英語の用語や表現をご紹介します。英語で経済を語るための基礎力を身につけて、ビジネススキルアップを目指しましょう。
ビジネスマンとしておさえておきたい経済に関する基礎知識
経済といっても、その範囲は広くどこから手をつけていいのかわからなくなるものです。経済は私たちの生活に深く根付いているものであるからこそ、基本的な知識を正しく理解して身につけておくことが重要です。
まずは業種・職種を問わずおさえておきたい経済の基礎知識を確認しておきましょう。
経済指標とは?
経済指標とは、政府や中央銀行といった公的機関が発表する経済状況を示す数値の総称です。
景気とも言われる経済状況を表す数値GDP(国内総生産:Gross Domestic Product)や、雇用状況を示す失業率など、様々な数値があります。
世界の経済に大きな影響力をもつアメリカの失業率や、農業以外の労働者数は、為替市場にも影響を与え、世界経済を動かすと言われています。
日頃のニュースで耳にする経済指標が何を意味して、どのように経済に影響しているのかを知ることから始めることをおすすめします。
株式市場とは?
株式市場とは、発行した株の売買や取引が行われている市場を意味しています。「株」とは、簡単に言うと企業の所有権であり、この形のない権利を安全に取引するための調査機関的役割も果たしています。
日本国内にある株式市場として、東京証券取引所(東証)以外に札幌・名古屋・福岡に証券取引所もあります。
東証は、世界三大市場としてニューヨーク証券取引所・ロンドン証券取引所と並ぶ市場でしたが、最近では香港証券取引所を三大市場のひとつとするのが主流となってきています。
この後ご紹介する株式市場に関する用語を英語でインプットしておくことで、国内の経済状況だけではなく世界の動向を理解できるようになります。
株式市場に関連する基本単語
英語で経済を語るために、まず必要になるのが基本単語です。
ここでは、株式市場に関連する用語を英語で学んでいきましょう。
株式
株式は「stock(ストック)」といいます。
「share(シェア)」ということもありますが、使い方が厳密には異なります。
「stock」は、文字通り「株式・株」という意味で、「I have stocks.」と言うと、その株式が1社の株を複数持っているのか、数社の株を持っているのか特定することはできません。
一方、「share」は、「分ける」という意味がある単語でもあり、「分け前」というイメージがぴったりです。つまり「I have shares.」と言うと、1社の株を複数持っているという意味に限定されます。
株式市場
株式市場は、「stock market(ストックマーケット)」といいます。
先ほど登場した「share」は1社の分け前という意味合いが強いことから、複数の企業の株式を扱う株式市場を「share market」とは呼びません。
「マーケット」はあらゆる場面で「取引される場所・市場」として日本語でも使われるようになってきているので、イメージを持ちやすいでしょう。
株主
株主は、「stockholder(ストックホルダー)」もしくは「shareholder(シェアホルダー) 」といいます。
「hold」には「もつ・保有する」という意味があり、「株式をもつ人」という英語表現が「株主」となっています。
単語を丸暗記せず、どのような要素を含んでいるのかを見るクセをつけると、イメージで英単語を覚えられるようになります。
株主総会
株主総会は、「General meeting of stockholders(ジェネラル・ミーティング・オブ・ストックホルダーズ)」といいます。一般的に株主総会は年に一度実施されることから、「Annual meeting of stockholders(アニュアル・ミーティング・オブ・ストックホルダーズ)」と表現することもあります。
総会の「総」に「general」がもつ「総合的・一般的」のイメージをもてば、「総会=general meeting」とリンクしやすいでしょう。
証券会社
証券会社は、「securities company(セキュリティーズ・カンパニー)」といいます。
「security」と聞くと、「安全・保証」というイメージが強いかもしれません。この単語が複数形になると「有価証券」という意味になり、有価証券を扱う企業ということで証券会社を指しています。
このように、単語によっては可算名詞(数えられる名詞)か不可算名詞(数えられない名詞)かによって意味が異なるものもあるので、日頃から「この名詞は数えられる?」という意識をもつことが大切です。
配当
配当は「dividend(ディヴィデント)」といいます。
「分ける」を意味する「divide(ディヴァイド)」が基本となっています。
「高い配当」と言う時は、「high dividend」、「低い配当」であれば「low dividend」となることも併せて覚えておきましょう。
経済ニュースに頻出する株式市場用語
株式市場に関連する基本用語をマスターしたら、次は経済ニュースでよく耳にする用語も英語に置き換える練習をしておきましょう。
ここでは、株式市場を語る上で欠かせない用語をご紹介していきます。
東京証券取引所
日本を代表とする株式市場、東京証券取引所は、「the Tokyo Stock Exchange(トウキョウ・ストック・エクスチェンジ)」といいます。
「exchange」は、「交換する」という意味から転じて、「両替」を指す単語でもあります。
ニューヨーク証券取引所
海外の経済ニュースでは頻繁に耳にするニューヨーク証券取引所は、「the New York Stock Exchange(ニューヨーク・ストック・エクスチェンジ)」といいます。
Twitterなど語数が限られているメディアでは、「NYSE」と略されていることもあります。また通称で「Big Board(ビッグボード)」と呼ばれることもあり、いかに世界的に話題にあがる頻度が高いのかが分かりますね。
ちなみに、この「Big Board」は株価が書かれている掲示板「board(ボード)」からきている、というのも併せて覚えておきましょう。
ダウ平均株価
その意味は分からずとも聞き覚えがある用語ダウ平均は、「the Dow Jones Average(ダウ・ジョーンズ・アヴェレイジ)」といいます。
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスがアメリカの様々な業種の代表的な優良30銘柄の平均株価を公表したものです。
世界的に有名なアップルやIBMといった企業の株価の平均値ということもあり、アメリカのみならず世界経済の指標として注目されているので、しっかり英語表現もおさえておきましょう。
東証株価指数
東証株価指数は、TOPIX(トピックス)と呼ばれており、これは英語表記の「Tokyo Stock Price Index(トウキョウ・ストック・プライス・インデックス)」からきています。
「index」は本などの「索引」以外に、「指数・指標」という意味もあることを、この機会に覚えておきましょう。
経済関連の用語にはTOPIXのようにアルファベットの略語が多用されているので、その意味を覚えるためにも正式名称を確認することが大切ですね。
マザーズ
東京証券取引所の市場のひとつマザーズは、「TSE Mothers」といいます。「母親」を意味する「mother」が使われていますが、これは「Market Of The High-grow and Emerging Stocks(マーケット・オブ・ザ・ハイグロウ・アンド・エマージング・ストックス)」を略したものです。
マザーズは、成長企業を中心とした株式市場なので、その名称も直訳すると「高成長新規株式市場」となっています。
株式市場の動向を説明しよう!基本のフレーズ集
基本となる用語や関連用語を覚えたら、実際に株式市場について話すための準備を進めていきましょう。
ここでは、株式市場の動向を説明する際に役立つ基本フレーズをご紹介します。
A company will go public on the Tokyo Stock Exchange.
A社は東証に上場するだろう。
「上場する」は「go public」もしくは「be listed」で表現することができます。
つまり「A company will be listed.」で「A社は上場するだろう」となります。どちらの表現も頻用されているので、しっかりおさえておきましょう。
The stock price keep rising.
株価上昇が続いている。
「上昇する」は「rise」以外に「increase」を使うこともできます。
株価ではなく、株式市場の上昇を言いたい時は、価格ではなく市場動向ということで「go up」を使って「上昇」を表現することに注意です。
例えば、「The stock market keeps going up. (株式市場は上昇を続けている)」となります。
The stock market dropped drastically.
株式市場が急降下した。
「降下する」を表現するためには、「fall」や「go down」「decline」など様々な単語を使うことができます。「drop」には、落ちるといっても「急に落ちる」ニュアンスが強く出せる単語です。
そして度合いを示す「drastically(ドラスティカリー)」は「劇的に」という意味をもつ単語で、何らかの変化の度合いが大きいことを表します。
単語を変えることで、度合いやその言葉のニュアンスを変えられるので、似た意味をもつ単語はグループで覚えておくと表現のバリエーションを増やすことができます。
The American stock market is in turmoil.
アメリカの株式市場が大混乱だ。
ここで覚えたいのが「turmoil(ターモイル)」という「混乱・騒動」を意味する単語です。
危機的な大混乱という意味合いが強く、「mess(メス)」の意味する「乱雑さ」や「chaos(ケイオス)」の意味する「収拾がつかない混沌」と、ニュアンスの違いを知っておくといいですね。
This earthquake had a big impact on the Japanese stock market.
今回の地震が日本の株式市場に大きな影響を与えた。
「impact」は「衝撃」というニュアンスを強く表す単語です。何かが上からのしかかって与えられる影響というイメージをもつと、覚えやすいでしょう。
同じ「影響」を意味する「effect」は、「何かを起因として生じる効果」としての「影響」なので、例えば「a side effect of medicine(薬の副作用)」というように使われます。
株式市場の動向を説明するフレーズを通して、「動向」に関係する表現をまとめて覚えることができますね。
まとめ
スマートに経済関連のニュースについて語れることで、ビジネスマンとしてアンテナ感度の高さを証明できるともいえます。
実際に、日本の経済が海外でどのように報道されているのかを知ることで、視野を広げることができます。
今回ご紹介した株式市場を語るための英語用語やフレーズをマスターして、使えるビジネス英語スキルを身につけましょう。
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