正しく敬語が使えることは、ビジネスで信頼を得る第一歩。日本語でも正しく使うのは難しい敬語。英語になるとさらに戸惑ってしまう人は多いかもしれません。英語の敬語は日本語ほど複雑ではありませんが、やはり人や場面によって使い分けることが大切です。
そんな今回は、「承知しました」など、ビジネスで上司や顧客など目上の人に対して使う英語表現をクイズ形式で紹介します。
「承知しました」を表現する英語フレーズ
上司に取引先から資料を取り寄せてほしいと頼まれました。「承知しました」と了解を表現するのに適切な英語はAとBのどちらでしょうか?
A. All right.
B. Certainly.
AのAll rightはOKのように「わかりました」というときに便利な表現ですが、上司に使うにはカジュアルすぎます。Bのcertainlyは、目上の人からの依頼に丁寧に「承知しました」と答えるときの表現です。ですから、クイズの正解はBです。
また、日本語で上司が説明した件について理解したときも「承知しました」を使います。こうした場合の「承知しました」を表現するのに適切な英語フレーズはAとBのどちらでしょうか?
A. I understand this matter.
B. I know this matter.
understand とknowにはどちらも「分かる・理解」するという意味がありますが、フォーマルなのはunderstandです。ですから、「この件について承知しました」と言いたいときには”I understand this matter.”と言いましょう。クイズの正解はAです。
相づちとして”I know.”を連呼する人がときどきいます。カジュアルな状況でも聞いている人をイラっとさせることがあるので、ビジネスの場面では使わないように特に注意してくださいね。
上司や顧客からのお礼に丁寧に返事をするときの英語フレーズ
上司や顧客などにThank youと英語でお礼を言われたら、皆さんは何と答えますか?
Thank you (ありがとう)への返事として、日本人が一番初めに習うのはyou’re welcome(どういたしまして)。日本語の「どういたしまして」は、目上の人に言うのは失礼にあたることもありますが、英語はyou’re welcomeを目上の人に使っても問題ありません。今回は、you’re welcome よりも丁寧な表現を紹介します。
それでは、クイズです。
You’re welcome.を「とんでもございません」というような丁寧な言い方にするには、下の例文の( )に何を入れればよいでしょうか?
You’re ( ) welcome.
(とんでもございません。)
正解は、veryまたはmostです。
1語加えるだけで丁寧な表現になるので、ぜひ使ってみてください。また、It’s my pleasure.やMy pleasure.も丁寧なお礼に対する返事としてよく使われる表現です。
「助言をありがとうございました」は英語で?
プレゼン用の資料の作成前に、上司から指導をしてもらいました。感謝を伝えるフレーズとして正しいのはAとBのどちらでしょうか?
A. Thank you for your advice.
B. Thank you for your feedback.
adviceとfeedbackは意味を勘違いしやすい単語です。adviceの意味は「助言・忠告」なので、何か行動をする前にもらうものです。反対にfeedbackは「反応・評価」という意味なので、何か行動をしたあとにもらいます。ですから、クイズの正解はAになります。
助言に対するお礼に対して、Thank you for your input.というフレーズを耳にしたことがあるかもしれません。inputはadviceよりもカジュアルな表現なので、上司など目上の人にお礼をいうときにはadviceを使うようにしましょう。
「問題ございません」は英語でno problem?
上司がプロジェクトの予定通りに進捗しているかと尋ねてきました。「問題ございません」と英語で答えるときに適切なのはAとBのどちらでしょうか?
A. Everything is fine.
B. No problem.
Aの“Everything is fine.”は「全て順調です」という意味になります。Bは「問題ない」という意味ですが、目上の人には使うと失礼です。ですから、クイズの正解はAです。
“No problem.”は“Thank you” に対する返事としても頻繁に使われます。どちらの意味でもビジネスで使うのはNGです。
英語の敬語はシンプルに考える
「敬語」と聞くと難しく考えてしまう人も多いかもしれません。けれども、ビジネスで使う英語の敬語は、中学校で習ったような単語でほとんど表現することができます。シンプルに考えるようにしましょう。
また、ビジネスの現場で使う適切な表現を覚えると同時に、不適切な表現もしっかり頭に入れておくことが大切です。
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